しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2011年9月30日金曜日

愚行

早刈りそばを検索していたら早刈りの試験で48%の黒化率のを刈ったというデータがあったので、花園1号の南端のソバが隣の長ネギに覆い被さって生育を阻害しているので、1通り半ほどを手刈りし、直径10cmくらいの束に縛って自宅に運び、雨が当たらず、日陰になる場所に立てかけた。
見た目では黒化率50%くらいあるような気がするが、気のせいかもしれない。
それに12束だけなので、粉にしても試食用の200gもあるかどうか。
本来ならば日当たりの良い場所で乾燥すべきだろうが、薬草などを乾燥するのと同じに陰干しにしたら甘皮の緑色がきれいに出るのではないかと考えての試行(愚行)。

夜は妻が外で食事ということで、昨夜打った蕎麦を鴨南蛮ならぬ鶏南蛮にしてみた。田舎なので鴨肉がさっと入手できないし、買いに行くのも面倒なので。昨夜の十割蕎麦も切れずに先ず先ずの鶏南蛮でした。これで寒い時期のメニューがひとつ増えました。
しかし、十割蕎麦もいいが、もう少し透明感があってコシのある蕎麦を打ってみたい。
蕎麦の透明感はどうしたらでるのだろう?
いずれにしても新しい玄ソバ待ちではあります。

2011年9月29日木曜日

早刈り

夕食後、もう一度十割で打てるかと道具を出し、多く打っても困るので300gで打ってみた。
あっさりと、周囲のひび割れもなく打てた。やはり、水回しをきちんとすれば大丈夫なのだ。十割は難しいという先入観が邪魔していた。
内層粉、外層粉すべてはいった碾きぐるみで60メッシュなら先ず大丈夫で50メッシュより粗くなると多分太めにしないと難しくなって来るのではないか。
粗碾きの十割も試してみたいが、玄ソバが無くなってしまったので、収穫できるまでもう少し待たなければならない。粗碾きをそのままは難しくて、60メッシュの粉と粗い粒を混合し、それを打つという方式の方が粗さや量を加減できていいような気がする。

玄ソバ。そういえば早刈りという手もあります。
というか、今年は試しに早刈りもするつもりだったので、そろそろ考えておかないと。いちばん早く播種した花園1号が今日で63日。明日、黒化率を見に行ってみよう。
早刈りも、日向と日陰とに分けて干し、味やむきの色の比較をしてみたいような気がするが、そんなことしている余裕があるかどうか。

2011年9月28日水曜日

衰弱花など、あれこれ

今日、配達された。早い。すぐに郵便局で郵便振替で支払いを済ませた。


夕方、外回りの仕事から帰宅する途中ホームセンターに寄り、桐の集成材(6mm/300mm/900mm…298円)と桜材(18mm/30mm/500mm…150円)を購入。帰宅後、桐を30cm×40cmに切断し、桜を30cmに切断してそれを枕にして接着し、駒板の大きいのを製作。
現在使用中の駒板も6mmのシナベニアに栗の15mmを枕にして接着したものだが、幅が20cmでやや狭かった。生粉打ちをすると出来るだけたたみを少なくしたいので、駒板も幅があった方がいいような気がして。でも、これでは大きすぎて使いにくいかも。蕎麦に接する面の方にくるみ油を少し塗った。

気になって今日もパトロールして来たが、T在来とK在来の受粉、結果が実に遅い。K在来にはまったく受粉しないで枯れている花の固まりも見られる。探してようやく数ヶ所に黒化したソバの実を発見したが、むちゃくちゃ小さい。もっともデータ上でいちばん小さかったのを見込んでこの無名の在来種を入手したので、当然なのだけど。何せ、出身が西日本なので、やはり播種時期に問題ありなのかもしれない。遺伝子が最適な気候を記憶していて、こんなの違うと言っているんじゃなかろうか。
それとも単に栽培日数が長いだけ? 
長友博士が書かれている「衰弱花」を思い出した。
もう一度、読み返してみよう。

2011年9月27日火曜日

「蕎麦考」発見

 先日、web上で読めるのを発見した「蕎麦考」(長友大・柴田書店・1976)だが、Amazonに出品されているのは8,900円と9,980円という価格で購入する気にもなれなかった。ところが昨夜、別の方法で検索していたら1,050円のがあったので思わず注文してしまいました。Web上のpdfをプリントアウトしたのがあるんですが、A4版に見開きよりやはり書籍の体裁の方が読みやすいので。
 長友博士の本は、実際にソバを栽培する者にとっては示唆に富んだ箇所が随所にあり、実に刺激的であり、栽培の実際にもかなり役立つ。
 早速、本日発送しましたというメールが着信。早い。

2011年9月26日月曜日

蕎麦はひとをつなぐ

今日は仕事でNさん宅を訪問。お茶をいただきながらNさんと奥さんと蕎麦談義。Nさんは病んで半身不随だが、奥さんが毎年蕎麦をソバを栽培され、蕎麦も打たれるので、蕎麦の話になると長居をしてしまう。今年はソバを播きそびれたというが、昨年収穫した玄ソバが米の低温貯蔵庫に入っているのでそれを製粉所に出すという。なるほど、米の低温貯蔵庫があれば玄ソバの保管が出来ていいですが、あれ、数十万円するんだっけ?

夕方、一昨日蕎麦を届けたSさんがお酒を一本持って来てくれた。わらしべ長者ではないが、お礼が重過ぎるが結局頂戴してしまった。どうやら蕎麦好きであるらしく、蕎麦は打てないがO製粉へ行ってそば粉を買い、自分で蕎麦掻きを作っているらしい。自分でゆでたということで、蕎麦が緑色を帯びていて驚いたという。まだまだめざす蕎麦への途上ではありますが、こういう人にはまた打ってあげたくなります。蕎麦はひとをつなぐ、ってほんとうです。

2011年9月25日日曜日

そば粉と水だけがいちばん自然

本日は家族サービスのため日帰り温泉へ。入浴、生ビールですっかり脱力。昼のアルコールは利きます。
帰宅後、N原に寄ってソバの状況を見、それから右わき腹の痛みの原因がいまだに判明しないM君の家に回ってみた。まだ相変わらず痛みが抜けないらしいが、一日にタバコ3箱、コーヒー10杯というのを聞いてあきれた。カフェインでどこかの神経が超過敏になっているのではないの?


これはN原のソバ、だいぶ黒くなって来た。

それからさらに花園3号地のN在来の観察と、黒化したソバの実のサンプル採種をしてきた。
以下、そのある株と、別の株から採種した実の比較写真。どうも見ても同じN在来とは思えない。やはり播いた種自体が交配していたのではないかと思われる。来年度播種用はさらに選別をきびしくしなければならない。


夕食は、一昨日と昨日試し打ちして冷蔵庫に入れておいた十割ソバ2種類の食べ比べ。一方は加水量の1/3をお湯にして湯捏ねしてから水で加水したもの。切れずに茹であがって先ず先ずの風味と食感。次は完全に水だけの十割蕎麦。十割は手早くというのが頭にあって急いだので、延しがやや厚く、切り方も雑になってはいるが、包丁の使い方が悪くて切れたところを除けば、普通につながっていた。しかも、食感と風味、コシと喉越し、すべてこちらの方がいいような気がした。やはりそば粉と水だけがいちばん自然か。
水回しさえきちんと出来れば、そば粉の細かさ、粗さはそんなに神経質に気にしなくてもよさそう。
新蕎麦になるまでに、もう少し腕を磨いておこう。


2011年9月24日土曜日

受け台製作

親戚の法事の席に招かれていたり、連休で何となく仕事もしにくいので、本日はこね鉢の受け台を作ってみた。材料は脚の4本以外は家にあったものを使用。カンナ、電気ドリル、ジスクグラインダなどを使ってネジやボルト止めし、二時間かからずに完成。見た目はあまり良くないがしっかりは作った。



それで早速試し打ちをしてみた。強い力を加えれば台自体が少し動いたりするが、故意に固練りしようとしない限りは十分に使えそうだ。上からのぞきこむになるので、結構水回しをしやすい感じがする。
親戚に二八で600g、おなじく知人2軒にあげる分を二八で600gと、2回打った。
その後、先日失敗した、水だけの十割に再挑戦。
本やネットでいろいろ調べた結果、やはり水だけ打てることが判明。試してみたら、自家製粉の粉でも何とか打てたが、乱暴に扱うとやはり切れる。今年はそば殻を先に排除してしまう予定なので、昨年の粉よりはつながり易くなると思う。
残る課題は甘皮の扱い。昨年までは甘皮を細かくすることばかり考えていたが、今は反対で、甘皮が粗いままでもつながるような気がしている。
蕎麦は水回しさえきちんとすれば十割でも打てる。それが納得できたので、もう少し回数を重ねてみよう。

2011年9月23日金曜日

豊作の予感

N原の信濃1号もそうだが、今年はソバが豊作なような気がする。
一番先に播種した花園1,2,3号地のN在来の黒化がすごい。濃い茶色や褐色などというのは通り越して、真っ黒だ。実もはち切れそうに充実している。風味はどうなのだろう。
それにしても、観察していると妙に真っ黒で大きな実が付いている茎がある。明らかにN在来とは違う。多分、信濃1号か、ひょっとするとキタワセかもしれない。冬にこたつで黒い大粒をルーペで見ながら排除したつもりだったが、やや小さめの黒いのは見逃していて、それがこういう形で実ったのだろうと考えられる。来年、もう一度、採種用にN在来の小粒だけを選抜して、別の交配しない場所で栽培してみたい。
花園1,2,3号地のN在来は7月27日と29日に播種しているので、10月7日で70日、10月12日で75日。ちょっと早刈りで7日に刈り取り出来ればいいのですが。それももうあとわずか、楽しみです。

野菜を栽培している菜園で好き放題栄養を吸収し、2mにも達したT在来は台風15号ですっかり倒れたが採種と試食する分くらいは収穫できるだろう。


289粒しかなかったK在来は交配を避けてビニールハウス内に一番遅く播種したが、これも数日前が満開だった感じ。まだうん○臭い蜜の匂いがぷんぷんしている。全部発芽しても298株なので、これは試食は無理かと思うが、出来れば粉で100g一回くらいは試食してみたい。

ことしは4種類を4ヶ所で栽培して、まったく頭が壊れたとしか言いようがありません。来年度は縮小です。

2011年9月22日木曜日

長柱花と短柱花

ようやく、ソバの花の長柱花と短柱花が撮影出来ました。


長柱花は3本のめしべが長いので撮るのに楽ですが、短柱花はめしべが小さくてうまく写らず、たくさん撮影したなかからようやくめしべが写っているのを探し出しました。


先日も書きましたが、長柱花同士、短柱花同士では受粉せず、長柱花の花粉を短柱花のめしべが、同士、短柱花の花粉を長柱花のめしべが受けて受粉します。
咲いた花すべては受粉しません。

2011年9月21日水曜日

十割蕎麦の地獄と天国

台風15号がこちらに向かっている。雨も結構降っていて外回りの仕事に出かける訳にもいかず、誰も来そうもなし、蕎麦打ちの練習でもしようか思ったら、母親がそれならわたしたちのを打ってとい。例の他称姨捨会のメンバーで蕎麦会をしようということらしい。多分、ざる蕎麦ではなくあたたかい蕎麦であろうから外二八で600gをさっさと打って、パックに入れてポリ袋に収めて密封し冷蔵庫へ。一日寝かせておいても大丈夫。
それから、十割を水だけで打ってみたが、延しまでは良さそうに見えたが、畳もうとしたらぼろぼろ。これではとても切れないのでまるめて生ゴミ入れの中へ。懲りずにもう一度、今度は1/3位を熱湯で湯捏ねして、それから水水回ししたら、ひびも入らず気持ちよく延せて、切ることが出来た。やはり水だけでは難しいのか。
茹でて、少々は「ざる」で、残りは温かい月見蕎麦にしてみたが、どちらもおいしかった。湯捏ねは茹で時間がかなり短い。沸騰したらワン、ツー、スリーくらいのもの。
とりあえず、しばらくは十割は湯捏ねでいくほかない。卵水というのも一度試してみたい。
今年は製粉も工夫するので、あるいは新蕎麦から水で十割打てるようになるかもしれない。

こね鉢を載せる専用の台も製作してみよう。どんなに力を入れてもギシギシ鳴かない、しっかりした台。

台風がわずかに東へ逸れたので、台風の西に位置することになり、雨、風とも予想より弱くてほっとした。でも、明日の朝は目が覚めたらソバの様子を見に行かなくては。N原は大丈夫と思うが、一番危ないのは高さ2mもあるT在来。これは多分べたっと倒れてしまうだろう。種だけ採取できればいいんだけど。K在来はビニールハウスの中だから大丈夫だろう。

2011年9月20日火曜日

裏技

デジカメでソバの花の短柱花と長柱花のマクロ撮影を試みているが、気に入ったようには撮れない。取り扱い説明書で確認してみると、広角側で3cmまでしか近寄れない。ソバの花は小さいのでそれでは間に合わないのだろう。コンパクトデジカメではなく一眼レフに接写レンズを取り付けなければもっとマクロな写真は撮れないのかと諦めかけたが、デジカメのレンズの前にルーペを置いて撮影するという実に簡単な裏技があるらしいことが判った。そんな単純な方法で気に入ったマクロ写真が撮れるかどうか、明日、確かめてみよう。とにかく、花が開いている今のうちに撮らないと、来年まで機会がありません。

そういえば、玄ソバの水分を計る裏技もネット上で発見した。
先ず、100gの玄ソバを数分ごとに電子レンジにかけてはデジタルはかりで重量を計測、重量が減らなくなったら水分がほぼ抜けたものと考えて、減った重量を100で割る。仮にそれが0,15であったら水分15%でほぼ適正、0,25であったら電子レンジで乾燥させなかった元の玄ソバをさらに天日乾燥をし、それからもう一度100gの玄ソバの水分を電子レンジで飛ばし、重量を計る。
この方法も、ソバを収穫して乾燥する際に試してみよう。
ソバ栽培一年目からずっと乾燥させすぎで、ことに一年目などは製粉会社で水分計にかけられたら11,9%だった。乾燥させすぎはソバの風味を落とすに決まっている。
どうも穀物はだいたい15~16%が適正水分であるらしい。

電子レンジといえば、先ほど、採って来ても誰も食べないミニトマトを電子レンジを使って水分を飛ばし、ドライトマト作りに再チャレンジしてみた。数年前に天日乾燥で試みたが結局カビが出て失敗してしまった。電子レンジでやってみると、すごい簡単だった。このまま真空パックして冷凍庫に入れておくか、オリーブ・オイルに漬けておけばいい。

15号台風がまっすぐこちらに向かっています。
ウァーン・゚・(ノД`)ヽ(゚Д゚ )ナクナ

2011年9月19日月曜日

暴走ソバ2m

しばらく前から書いているが、自家菜園に播いたT在来がとうとうもっとも長いもので高さ2mに達した。手前が少し倒伏しはじめたので、支柱を斜めに立てて支えたが、全体はまだ立っていてそれもまた驚異的だ。
台風15号がこちらに向かって風雨が強くなればきっと転ぶだろうけど。




まだ、午前中に行ったら蜜の匂いが臭く、花盛りの状態だが、このT在来の翌日播いた信濃1号はこんなに実がつきはじめている。


どうもT在来の方が生育日数が長くなりそうなのは、T在来が九州産だからもっと播種を遅らせるべきだったということなのかもしれない。
しかし、T在来とN在来は本当に蜜が臭いが、信濃1号は臭くない。どうしてだろう?

それから、長友大「蕎麦考」の第8章「そばの家庭栽培」という短い文章の書き出しに、「さて、この書物のそばのことわざのところで「そばの赤すね」について書いたが、これはそばの茎が鮮紅色に色づく現象なのである。」と書かれていてさらにこう続けられている。
つまり、そばは肥料の効いているうちは茎に赤みは出ないけれども、肥料不足のそばは茎に鮮やかな赤味が出るので、印象的なあまり「そばの赤すね」と称したのであろう。この茎が赤くなるのは、秋の収穫期のころにもよく見られることなので……
先日の在来種ツアーでもこの赤すねのことが話題になったが、「ストレス」で赤くなるという言葉しか出なかった。長友博士の言を借りれば単純な肥料不足で赤くなることになるが、土壌中に肥料があっても何らかの「ストレス」で肥料が吸収できない場合、これも赤すねの原因となる。
土壌中に肥料があっても吸えない状況は、たとえば旱魃、酸性土壌などが考えられる。
無論、この場合の肥料というのはチッソ肥料のことである。
私のT在来のように野菜を栽培して石灰も肥料も十分入っている畑では肥料が好きなだけ吸えるので2mにもなってまだ茎が青々している。これも困ったことです。
何となくこのそばの「赤すね」の問題とルバーブの茎が赤くなるのならないのという問題と重なっているような気がしますが、これ以上先へ進めないのがしろうとの悲しさです。

2011年9月18日日曜日

ソバに肥料はいらない?

長友大著「蕎麦考」(柴田書店・1976年)を夢中で読んでいる。「ソバの科学」(新潮選書・昭和59年)と重複している部分もあるが、二度読んでも刺激的な考察がいっぱいで深夜まで興奮状態が止まらない。
第7章「そばの栄養と調理」に(4)そばの灰分にも興味深い叙述があった。
殻つきのそばの実の灰分は2,74%、殻を剥いだ(つまり「むきみ」)の状態では灰分が2,13%。この差は別段どうということはないのだが、次の記述、
「灰分の組成、つまり、灰分中にもっとも多いのはリン酸で全体の48%を含み、リン酸が約半分を占め、カリは25%でこれについで多く、残りの半分を占めている。ついでマグネシウム、ナトリウム、カルシウム、塩素、酸化鉄、硫黄の順となっている。
この、下線を引いた部分に目が釘付けになった。
実は私も今年度は無肥料ではなく、リン酸とカリ、マグネシウムを含むものを混合して、播種鎮圧後の畝に撒いたのだった。
私は類推でそうしたのだったが、このデータはその裏づけをしてくれている。
ソバに肥料はいらないという言い方はやはり正確ではないのだ。確かにチッソは不要か少量でいいが、少なくとも、タンパク質やでんぷんの豊富なそば粉を得るためには、他のリン酸、カリ、マグネシウム(苦土)などは必要なのである。痩せ地で無肥料栽培で栽培したのでは痩せた秕(シイナ)ばかりで唐箕から飛び出してしまう。
私は三角の実がたんぱくやでんぷんで丸くなってはじけそうな、そういうソバを栽培したいのです。

2011年9月17日土曜日

頭の中でぐるぐる

台風15号がまたまた挙動不審でいやな感じがする。
どうかこちらに来ませんように。

仕事でN原の西の方へ行ったので、当然のように帰路迂回してソバを見廻り。受粉も盛りを過ぎ、薄緑色の灯籠のような実が結構びっしり付いている。このまま雨風の害が無ければすごい豊作のような気がする。そのまま、ついでに二列しか播いてないK在来の様子を見、自宅近くでまた花園1,2,3号地のN在来、自家菜園のT在来も見た。
一番急いでいるのがN在来ですでにかなり黒い粒が目につくようになったが、T在来とK在来はまだ花盛りでうん○臭い蜜の匂いが芬芬としている。
N在来の黒化しているのを百数十粒くらい採取してきて手で揉んで蕚などを取り去り、乾燥させているが、黒化が十二分すぎて真っ黒であり、とてもあのN在来のようには見えない。やはり、場所、気候、土壌などが変わるとソバも変わるのかもしれない。

どうも、先日のツアー以来、ソバ栽培についていくつかの常識が間違っているのではないかというような疑念が生じて、頭の中でぐるぐる廻っている。

夜になって、「ソバの科学」の長友大博士の著書がほかにないかと思って検索したら、「蕎麦考」という本がAMAZONのマーケットプレイスに出品されていたが価格が8,900円で手も足も出ない。と思ってそのページを閉じ、検索ページに戻ったが、何と版元の子会社のライブラリーのページに無料コンテンツとしてpdf版で全文アップされているのを発見。表紙も口絵も全部ある。
ひえ~。ありがたくDLさせていただきました。
A4用紙に見開き2頁ずつ印刷して厚みが1cmあります。内容は少しは「ソバの科学」とダブっているところもありますが、通読する価値は十分あります。

2011年9月16日金曜日

短柱花と長柱花?

ソバには短柱花の株と長柱花の株があるという。短柱花の株の花は長柱花の株の花の花粉を得て受精し、長柱花の株の花は短柱花の株の花の花粉を得て受精し、実をつける。短柱花同士や長柱花同士では受粉しない。なんだか男と女のようでもあり身につまされる。

写真を撮ってみたが良く分からない。

これが短柱花で

これが長柱花?

いや、逆ですね。
上は雄蕊短く雌蕊が長いので長柱花で、下が赤い雄蕊が長く中央の雌蕊が短いので短柱花。それにしても、短柱花と長柱花の雄蕊の色が白だったり赤だったりするのはなぜ?

2011年9月15日木曜日

異様に背丈を延ばしていて

二日留守にしただけだが、気になって3ヶ所の蕎麦を見回りしてみた。花園とN原は三日前と見かけ上は変わらず、まだ黒化したものもそう目立たない。
ただ、自家菜園に播いたT在来が異様に背丈を延ばしていて驚いてしまった。二日間見学して見て歩いたどのソバもこんなに伸びてはいないが、それでも倒伏していないのは不思議。(カメラを忘れたので明日にでもアップします)
明日以降、今回のソバツアーで感じたこと、考えたことを整理してみようと思っています。




妻の実家から、この春管理機をいただいたお宅に稲わらカッターがあるが要らないかと電話があった。自走式ではないが、カッター自体にはホンダエンジンが載っており、エンジンのかかりはいいという。利用場面は一年に一度くらいだが、いただくことにして、引き取りに行って来た。紛失したらしく無い蝶ねじを購入して来たり、2本あるタイヤの一方がリムからはみ出しているので、ホームセンターで交換用の一輪車のタイヤを購入して来て交換。これで使える状態となった。エンジンはほんとうに一発で始動する。

2011年9月12日月曜日

品種の差で蜜の匂いまで異なる?


N原の信濃1号もだいぶ受粉したらしく、下も上もこんな風なふくらみが見えて来ました。
今年は豊作かも……などと考えながら、ふと気づきました。N原の信濃1号は蜜の匂いが薄いというか、花園1,2,3号地のN在来の蜜のぷーんと鼻を突くあくどい匂いに比べると品がある。品種の差で蜜の匂いまで異なる?



こちらは花園1号地の早播きしたN在来のすでに黒化し始めたものを少し採取。それにしても、標高差のせいか、土の質のせいか、予想していたより粒が大きめ。それから、チッソ肥料は施さなくても、石灰で土壌酸度を矯正してやると、土壌中のチッソの吸収が良くなるのか、結構ソバの草丈が大きくなる。生育が旺盛になってソバが大粒になるのを避けたい場合は、弱酸性のまま栽培した方がいいのかもしれない。

2011年9月10日土曜日

実生のねずみ大根

早朝、自家用野沢菜少々の種まきに行き、作業終了後にふと採種用のねずみ大根の種がこぼれて発芽したものをそのまま間引いて放置しておいたのを思い出した。きちんと播種したねずみ大根はまだ双葉に本葉が一枚出たくらいだが、実生のねずみ大根は見えている部分で直径5cm位になっているものがあったので3本ほど抜いてみた。



肌が汚いのは大根の大敵であるジムシ(キスジノミハムシ)の幼虫に食べられた傷跡。無農薬の証である。
これで、ひとりで食べる蕎麦であれば3回分、から5回分くらいは使えそう。蕎麦屋さんと違ってあまり大きくない方が使い勝手がいい。
3本を観察するに、まだねずみのお尻のような形にはなっていない。どうも、丸葉のものはお尻が丸くならず尖ってしまうようだ。葉の切れ込みが鋭角で深いものを選んでおいて、採取用に植え直すのが良さそう。来年度の採種の際はこのことを忘れないように。

これで、先日打って冷凍してある蕎麦を食べてみよう。



午後、ほんとうに久しぶりに新幹線駅近くのショッピングセンターへでかけた。ふだんは混雑を嫌って足を向けないのだが、久しぶりに行って驚いた。土日の旧商店街はそれこそゴーストタウンで老人の姿さえ見えないのだけど、ここには子どもたちや若者、都会風のお姉さんたちまでガヤガヤしている。スターバックスもここにはあって、何と満席に近い。
妻の勧めで綿パンを一本買ったが裾直しが一時間後だというので、食料品を買うのに付き合って、さらにふたりで書店で時間調整していて、結局以下の2冊を購入してしまった。
「地上の見知らぬ少年」J・M・G・ル・クレジオ 河出書房新社 2800円
「信州蕎麦ごのみ」山口美緒 信濃毎日新聞社 1400円

ル・クレジオの本は発行されたことを知った時から欲しいと思っていたので、よかった。書き出しからして泣かせる。
小説の起源を遡ってゆくと叙事詩に行き当たるというのが実感される小説だ。

追記
訳者あとがきによれば、本書は「海を見たことがなかった少年」と並行して書かれた長編エッセイである、と。
へえ、そうだったんですか。
小説であれエッセイであれ、ル・クレジオの思考や感性の動くままに書かれたエクリチュールであることに間違いはない。ジャンル分けなど無意味な領域の、純度が極めて高いエクリチュールではある

2011年9月9日金曜日

ソバ機械刈りのチャンス


あいかわらず他の種類に比べて蕾、花の数がかなり少ないT在来。データを見てもそんなに生育日数が長い訳でもないので、播種時期がちょっと早かったか。


こちらはN原の信濃1号。お行儀良く立っていて草丈もほどほどなので、見ているうちにバインダー(稲刈り機)で刈れそうな気がしてきた。我が家のは二条刈りなので妻の実家にある一条刈りを借りてきて、試みに機械刈りしてみたいような気がする。黒化率60~70%くらいでまだ霜にあわない内なら脱粒も少なめで済むかもしれない。このように倒伏せずに立っている年でなければテストできないのだから、やってみるべきだろう。
ちなみに花園1,2,3号地のN在来も播種時期が早すぎたか、多雨が影響したか、猛烈に草丈が伸びて、私の目線と同じ高さどころか、私の身長と変わらない位置に花が咲いている株もたまたまある。長いにもかかわらず倒伏はそんなにしていないが、長いので刈りにくいのは事実。ちょっとここは苦労するかもしれない。
台風12号が接近中に咲いた花はまったく受精せず、実がついていない花房が見受けられるが、ここは花房数や花数はすごい数なので収量は心配しなくても良さそうな気がする。


以下はソバ畑のお客様たち。
ソバの花の蜜の匂いって、独特ですね。ソバの花の蜂蜜、売っていても買わないかもしれない。



つながりトンボがつながりながら蜜を吸ってます、何と器用な。



ようやくミツバチ。花園のソバ畑にはミツバチが少なく、N原にはミツバチが多い。


2011年9月6日火曜日

狂っております

カメラを持ってゆくのを忘れたが、自家菜園のジャガイモの跡地に播種したT在来の花が、相変わらず蕾の形成が遅くて考え込んでしまった。西日本のものであるからそうかもしれませんが。ついでに別の場所のK在来も見に廻ったが、こちらはもともと播種が遅かった上に水稲育苗用のビニールハウス内で水分が少ないせいでかなり遅れていたのだけれど、蕾が見えて来た。これも西日本のもので、採種用として入手出来た289粒を一粒ずつ播いたものなので、食用に出来るほど収穫出来ないはず。だが、一度100gでも200gでも蕎麦にして試食できればという願望はある。
いったい、289粒からどれだけ収穫できるのだろう。昨年、N原では2,5kgくらい播種して173kg獲れた。乾燥して減ったとして160kg÷2,5=64倍。すると3kgくらいは獲れそうだが、あいにくと土が山の赤砂混じりの酸性気味の土なのでその半分くらいに見ておいた方が良さそう。葉の色が黄緑色で茎の成長もやや貧弱なのは、どう考えても土がやや酸性気味のためだろう。いまさら遅いが、気休めでもいいから根元に少し粉の苦土石灰でも散布して土寄せしておこう。
それにしても4ヶ所に4種類というのは狂っておりますが、4種類すべて石臼で同じ製粉工程で粉にして篩いをかけて、蕎麦にして食べ比べしてみたいと思っています。(来年は2種類くらいにいたします)。

あるのも忘れていたRhubarb Wineを思い出し、少し飲んでみた。酸味も、混ぜた柑橘の苦みも、アルコールもきつい。また忘れてしまってずっと寝かせておけば良くなるものかどうか。

2011年9月5日月曜日

ソバを栽培する者には至福の時

午前10時頃、Tさんから電話があった。一昨日、昨日と二日続けてN原のソバ畑を見に行って来たとのことで、倒れていないし今年のソバは見事だとやや興奮気味。やはり蕎麦を打つ床屋のYさんがこのソバ畑を羨ましがっているという。
そういえば9月1日に見回りに行ったきり、何となく少しは倒伏しているような気がして今日まで行って見なかったのだった。Tさんとの通話を終えてから車を走らせてN原に行ってみた。



畝間にびっしりハキダメ菊が発芽しているが、ソバがここまで生長してしまえばハキダメ菊には負けないでしょうね。



9月1日よりまた花が賑やかになり、畝間も盛んな分枝によってだいぶ塞がって来ました。管理機で除草土寄せをするには90cmでなく80cmの方がいいかと思っていましたが、分枝が盛んで畝間が塞がれば90cmでもいいかなとも考えます。
昨年までは悪戦苦闘でしたが、5年目にしてようやく先ず先ずのソバ畑になってきたような気がします。これで明日あたりから天候が良くなってミツバチほかの昆虫たちがたくさん集まって来てくれればいいのですが。
これからしばらくの間は花が満開でソバを栽培する者には至福の時です。

2011年9月4日日曜日

そんな完璧主義は無理ですけど

気温30度以上の暑い日に氷水でキュッとしめた蕎麦を食べたいと思って、7月、8月に3回蕎麦を打って3回とも失敗した。そんなに加水を多くした覚えは無いのだが柔らかすぎで、すっかり自信喪失したままだった。
だいたい、何が下手といって、ソバを栽培することより、玄ソバを製粉することより、何より蕎麦打ちが下手なのは自覚していたが、延すことが出来ないソバの固まりを捨てる屈辱というもの、結構大きい。舌を噛むか首を吊って死んでしまいたいくらいでありますが、今日はたまたま妻も母も外出して誰もいないので、恥かきついでにもう一度、播種して余った信濃1号を電動石臼で製粉し、粗碾きだと失敗するに決まっているので80目で篩った粉で打ってみた。それも加水は40%を一気に加水し、以後は数回に分けてチビチビ加水。最終的には多分45%くらいだがそれでもちょっと柔らかかったので、夏の蕎麦打ちの怖さを実感。
一応は切れずにコシのある蕎麦になりました。
辛い大根が無いのが切なかったですし、玄ソバの保管もいい加減だったので新蕎麦ほどの香り、風味は望めませんが、真夏の蕎麦としては先ず先ずこんなものではないでしょうか。
水回しの時にぷーんと香り立つ新蕎麦が待ち遠しいですが、そのためには刈り取り適期を逸しないこと、乾燥しすぎないこと、上手に製粉すること。
そういえば、手打そばの神様みたいなひとの本に「甘皮の果たす大事な役割」という段落があるのですが、私がそば粉の製粉でいちばん知りたいことが「私流の奥の手を加えて」とだけ書かれ、その実際が明かされていないのです。ご本人もここで3回「私流の奥の手」という言葉を繰り返したことの言い訳をこの段落の終わりで言われていますので、まあ、この先は自分で考え、試みてみなさいということなのでしょう。

もうひとつ、「どの程度まで」粉にするかというのは、歩留まりの問題である。甘皮はタンパク質を主成分としているが、繊維質も含んでいる。そこで、ほとんど粉にしてしまった場合は口あたり、歯ざわりが悪くなり、かつ、腹が張って消化に手間取ることになる。また、へたの目くそとも言うべき部分、一般に気がつかぬ部分が砕けて、粉が茶色になり、ホシも増えて食味を殺ぐ。
ともかく、甘皮を望ましい形で粉にすることはたいへんな難問である。
そして結局は石臼で手碾きして望ましい粉を得られていることを書いて、この段落を締めくくられています。
そういえば、今年になってようやく古い在来の石臼を電動化して粉に碾くことを始めた私のいちばんの実感は、石臼碾きのそば粉は素敵にふわふしているということでした。同じ60目なり80目の篩いで篩っているのですから、石臼碾きであれ、製粉会社のロール碾きであれ、金臼式の簡易製粉機であれ同じはずなのですが、実際に石臼でゆっくり1分間に15回転くらいで碾いたそば粉はふんわりしてたっぷり空気をふくんでおり、しかもその微粒子同志が両手をつないでスクラムを組んでいるようにさえ思え、ロール碾きや金臼で製粉された粉とは明らかに異なる、「至上のそば粉」のようにさえ思えて来るのです。
それも多分、種を播かれた時から刈り取り、脱穀、乾燥、そして製粉、蕎麦打ち、そのすべての工程が完璧になされて……そんな完璧主義無理ですけど……。

2011年9月2日金曜日

安物買いの銭失い

仕事で外出したついでに、ある工具を探そうとホームセンターへ寄ってふらふら棚を見て歩いていて、こんなものが目に入った。


「超硬鋼」!! 両刃タタキの先端と同じではありませんか。両刃タタキと違って片刃、幅が28mmとやや狭いこと、重さも軽いのが難点だが、両刃タタキは2万円近い。それに比べたら2千数百円と安い。
年寄りの言う「安物買いの銭失い」という言葉が脳裏をかすめたが、目をつむって購入。
帰宅後、電動化した石臼を叩いてみた。溝と溝の間に筋を付けて面を荒らす程度のことは出来るようだ。こつこつ叩いて上臼の面を叩き終えてしまった。これでますます石臼の性能アップか。ただし、あまり粉が細かくなりすぎるのもどうかと思うが、石臼は甘皮専用にするかもしれないので、細かい方がいいといえばいい。

2011年9月1日木曜日

見廻り

台風が来る前にソバ畑の見廻りにでかけたが、ふと気がついた。

  
T在来 8月3日播種


信濃1号 8月4日播種。


一日遅く播いた信濃1号の方が花が咲き始めているのに、T在来はまだ蕾がちょこっと見えるだけ。おそらくT在来の方が生育日数が長いのだろう。


7月29日播種の花園ソバファームのN在来は大満開。すごい花の数です。

(画像クリックで拡大表示)
これが台風で倒されるのはつらい。