しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2013年5月29日水曜日

Myねずみ大根


形の良いものを選んで植えた採種用のねずみ大根、いよいよ莢がついてきました。これを3年ほど繰り返して、Myねずみ大根にします。

と思ったら、「大根は自家不和合性を持っており、他家受粉を主として種をつける。近交弱勢が強く、形質を整えるために純系に近づければ草勢が落ちて、適応性が弱まる」という文章に遭遇。

2013年5月28日火曜日

ソバを播く、その覆土について


何じゃこりゃ、ですね。
これ、昨年栽培してこぼれたソバの実が管理機で耕起するたびに発芽するので、試みに抜いてみました。
双葉の下の赤い部分が土より上に出ている部分で、白いのが土の中の部分、更にその下が根。
注目すべきは白い部分。短いものは数センチですが、左から2番目のものは白い部分だけでも7~8cm。こんな深い場所で良くも発芽したものと感心いたします。

それで思いだしたのですが、初めて蕎麦を栽培する時に参考にした本に、覆土が5cmとか厚くて驚きました。でも5cmくらいソバの実は平気なんですね。
いやむしろ、そのくらいの深さの方が発芽に適した水分バランスなのかもしれませんけど、さすがに5cmは怖いので、私の場合は「播種機の後輪で鎮圧して3cm」くらいを心がけております。

以前も書きましたが、覆土が浅かったり不用意にソバの種を圃場にこぼしたりすると、鳩や雀などの食害に遭いやすくなります。
高校の同級生のN君は私よりソバ栽培の年数は多いのですが、毎年鳩の食害がひどくて、今年はその畑でソバを栽培するのは断念したそうです。

2013年5月25日土曜日

ひとつの試論

文部科学省の「食品データベース」でそば粉を検索して見ると面白い。
通常は「廃棄率」、「エネルギー」、「水分」「タンパク質」、「脂質」、「炭水化物」、「灰分」だけしか表示されないが、検索結果表示にオプションがあって、「無機質」、「ビタミン」、「脂肪酸」、「その他」、「アミノ酸」にチェックを入れると各データが表示される。
「無機質」にチェックを入れるとこんな風にミネラルの含有量を見ることが出来る。

注目すべきは内層粉、中層粉と比べての表層粉に含まれる無機質、いわゆるミネラルの量が多いこと。ことにカリウム、リン、マグネシウムの三成分は群を抜いている。
このうち、カリはいいとして、いちばん吸収されにくいのはリンである。ことに火山灰土(黒ボク土)ではアルミナなどに固定されてしまい、作物に吸収されにくい。

とにかく、これらのミネラルをいかに必要量をソバの根に吸収させるか。このあたりに今年のソバ栽培の眼目にしておこう。

ソバだけでなく、小麦も米も、デンプン質以外の風味は外層にある。うどんの風味は小麦粉の灰分(ミネラル)が多いほど強いし、蕎麦もそうである。
ということは、外層に多く含まれるミネラルがその鍵を握っているのではないか。
いずれにしても、ソバに多く含まれるミネラルをきちんと補給することが必要だろう。ことに初めて、あるいは数年は無肥料でも構わないが、それ以上の長く同じ圃場でソバ栽培を続ける場合は、チッソ・リン酸・カリの三要素のほかのミネラル分も意識的に施用しなければ風味の薄いソバしか収穫できなくなるかもしれない。
とはいえ、これはひとつの試論にすぎない。過ぎないが試行してみる価値は十分にある。

そうそう、「無機質」のほかに「脂肪酸」も表示させてみよう。


2013年5月24日金曜日

最悪のロケーション

午前中に予定していた仕事のひとつがキャンセルになったので、急遽N原のソバ畑の周囲の草刈りに出動。

畑の北側から東方向

畑の北側から真南方向

畑の北側から西方向
周囲をマンション、アパート、戸建て住宅に囲まれて、信州のソバ畑にしては最悪のロケーションですが、鹿,猪の被害の心配、他のソバとの交配の心配は皆無で,その点、安心です。
今年はいちばん広いこの畑に、自分がいちばんおいしいと思う品種を作ります。
しばらくしたら、トラクターで第1回の耕運をします。南西の80坪ほどにスギナが生えてきているのでそこだけ石灰を撒きます。

2013年5月23日木曜日

石臼についての失敗2回


オークションでのウォッチングを始めてから、二回、苦い失敗をしている。
一度目は数年前。山梨県の骨董屋さんの出品でひと目で欲しいと思った石臼を落札に失敗した。いきなり高値で入札したひとがいて、しかもそのひとが翌日には入札の取り消しを申し出るということがあり、それでオークションはチャラになって再出品されるものと思って入札しないでいたら、何と次点のひとが落札ということになってしまった。
オークションのしくみをよく知らない頃だったので仕方がないが、惜しい石臼で蟻巣石っぽかったような気がするのでなおさら忘れられない。

二回目は今年。
山形県からの出品でやはり何より石の材質が気に入った。多分、鳥海石ではないかと思われたのだが、直径が35cm、上臼が重さ約34㎏、下臼が重さ約30㎏、腰を傷めそうなこの大きさと重さに恐れをなし、ついに入札しなかった。
そして翌日から後悔し、いまだに忘れられないでいて、画像だけはダウンロードしてあったので、時折開いてながめている(シクシク)。
石臼。これも病気の一種です。ソバの病気、蕎麦の病気、石臼の病気。こういうのを蕎麦コンプレックスというのかどうか。

2013年5月22日水曜日

実にうれしい



温室育ちでひょろひょろしていて、しかも秋そばにとって季節違いだが、実がつきはじめているのが見える。
13年ぶりに花を咲かせ、実がつく。
実にうれしい。

2013年5月21日火曜日

実を結びそう

今日、ルバーブの不要な花茎切除のためにちょこっと畑へ顔をだして、作業のあとで何気なく温室育ちで華奢な発芽試験ソバの根元にしゃがみこんで観察して、驚いた。すでに受粉して三角の稜の形をした灯籠(とうろう)が複数見えていた。
カメラを忘れたので写真は撮れなかったが、13年前の種が発芽して実を結びそう。
明日、写真を撮ります。

2013年5月18日土曜日

残り40数g

5月11日に植えた、発芽試験で芽が出たまま捨てるのはもったいないとポリポットに仮植し、更に畑に植えたK在来種。少し大きくなったのと、暖かくなって霜の恐れが無くなったと判断して不織布の覆いを外した。
本来は夏まきする秋型のソバのはずですが、完全秋型ではなく中間型に近い秋型のようで、春まきでも収穫できるようです。



13年前の玄ソバが発芽して花が咲いた。
これで20粒でも30粒でも実が付いたらうれしい。
残り40数gの種を夏に播くことになるのだが、何とかこの採種のための栽培を成功させたいものです。

2013年5月17日金曜日

珍しく細打ち

仕事で疲れてへとへとだが、蕎麦を食べたいばっかりに夕食後に蕎麦打ち。
N在来40メッシュを強力粉5%、薄力粉5%の十一という妙なつなぎで打ってみた。気温が高いせいか、やや柔らかすぎたが、薄く伸せたので私としては珍しく細打ちできれいな麺になった。
40メッシュだとつなぎはいらないような気もするが、さて……。

2013年5月16日木曜日

実にアナログな手選別作業


あまり在来種が残っていないと思われたこの地方でかろうじて栽培されるようになったM在来だが、かなり交雑していると思われるので、先ずは篩でふるって大粒のえらの張ったものを除去したものを播種用にすることにしたが、それでもまだ不満なので、拡大鏡片手にピンセットで選別するという実にアナログな手選別作業をした。
ようやく30g。50gくらい欲しいと思ったが、仕事で疲れていて無理なので、あとは6月以降に持ち越し。

2013年5月15日水曜日

知りたいばかりに

この本をget。
ソバのタンパク質とデンプン質がどうやって生成されるかを知りたいばかりに。

2013年5月14日火曜日

厳然たる事実

あまりに暑いので、先ほど、妻の実家の水道からペットボトルにつめて来た硬度26の水でウィスキーを割って飲んでみました。
蕎麦打ちの加水用に冷蔵庫に入れてあった水ですが、家の水道の硬度186に比べると、水割りも強い刺激がなく、まろやかで実においしい。家の水道で割ったのと飲み比べてみると、家の水道水の方は舌にとげとげしく、きつく感じる。
以前も軟水・硬水について書きましたが、蕎麦を打つ際の加水用の水だけでなく、茹でる水も硬度186ではよろしくないに決まっています。

どうも日本の水道水は軟水が多いというのですが、この地の水道水の186というのは特異であるらしいです。
ちなみに水源は浅間山麓。
この地の水道企業団に文句を言って水源を変えてもらいたいくらいですが、カルシウム・マグネシウムは人間に必要なミネラルでもあり、蕎麦やお茶や水割りがまずい、石鹸の泡立ちが悪いくらいで文句を言ってはいけないのかもしれない。

それにしても、18リットルのポリタンクで水を貰いに行くのは、いくら妻の実家でも少し気がひけますし、長期には保管できません。

しかし、水割りも蕎麦も軟水の方がおいしい、というのは厳然たる事実。

2013年5月13日月曜日

近寄ってみれば


昨年秋に収穫したねずみ大根のなかから、ことにその形質を良く現わしていると思われるものを5~6個、菜園の隅に植えておいたが、この冬の寒さで凍み枯れてしまったものがあり、芽がでて茎葉を伸ばしたものは3株のみ。そのうちの一株が早くも開花しはじめた。
アブラナ科はかつて十字花野菜と呼ばれていたが、見ればほんとうに花びらが4枚で十字の形に咲いている。そういえば、同じアブラナ科であるワサビの花も十字花だった。
こうして近寄ってみれば、大根の花でもかわいいものです。

2013年5月12日日曜日

そばの風味が豊かになるように

養分のなかで、アンモニアの同化に最も関係の深いものとしてカリがある。カリが欠乏すると吸収したアンモニア態窒素がタンパク質になりにくい。このことはカリが窒素同化に関係する酵素のはたらきを活発にする作用があること、またカリの欠乏によって光合成が低下することからもうなづけよう。(「作物栄養の基礎知識」高橋英一著 150頁より)

カリウムが欠乏すると、体内で可溶性の糖類やアミノ酸、アミドが増加し、デンプンやタンパク質の含量が少なくなる。このようにカリウム欠乏植物では。光合成や呼吸あるいは窒素の同化が順調に行われず、デンプンやタンパク質の合成が減退する。(同 188頁より) 
いちばん面積の大きいN原のそば畑は、先に貸借していたTさんがそばを栽培し始めてから私が受け継いで、すでに十年くらい経過している。
その間、そばの倒伏を怖れて無肥料での栽培を続けてきて、そのおかげで倒伏はしなくなったが、どうもそばの風味が薄らいできたような気がしないでもない。
ということで、今年は窒素は少量だが、他の必要と思われる灰分(ミネラル)は積極的に施用してみようと考えている。
どう考えても、灰分(ミネラル)が豊富である方がそばの風味が豊かになるように思えるので。

2013年5月11日土曜日

たとえ1kgでも




この地方の希少な在来種の13年前の玄ソバを発芽試験したら、約半数が発芽した。せっかく13年ぶりに発芽したものを捨てたり枯らしたりするのはもったいない。

そこで、4月30日に9cmのポリポットに仮植してビニールハウス内に置いておいたら、もう蕾が認められるようになった。
数日前まで連日霜注意報発表で、畑に植えられる状況ではなかったが、これ以上ビニールハウス内に置くわけにはいかないので、菜園の隅に植えてみた。
まだ霜が心配なので、トンネル支柱を立て、頭上を不織布で覆った。普通の霜だったらこれで避けてくれそうだが、強い霜が降りたら仕方ない。運を天にまかせて。

本来は夏播きだが、春播きでも少しでも採種できそうな気がして。
夏播きも、直接畑へ播くのと、より確実な発芽のためにポット播きして植えるのと、両面から試みてみたい。何としても、たとえ1kgでも採種しなければ。

2013年5月10日金曜日

細く美しくたおやかな蕎麦

21時頃になって突然蕎麦打ち開始。
一年くらい粗びきの蕎麦ばかり打っていて、風味はあるがつながらないし食感に問題はあるしで、その反動か、粗びきでなく細く美しくたおやかな蕎麦を打とうと思ってそれ用の粉をテストびきしておいた。
それを思い出して、その粉500gに灰分少ない小麦粉50gの十一。
むちゃくちゃ粘りが強いので、今回は試験的にハナ粉を排除してから石臼にかけたのを思い出した。ありゃ、これだけ粘ったら歯ぬかりするかも。

私にしては細い麺になったが、時間も時間なので、茹でて試食するのは明日の昼か、夜。

明日は早朝に妻の実家に行く用事があるので、ペットボトルを持っていて水を頂戴してこよう。
妻の実家の水道は八ヶ岳水系で硬度30より少ない。わが家は186の超硬水。
カルシウムはこんにゃくを固め、マグネシウム(苦汁)は豆腐を固めるくらいだから、硬水だと蕎麦も固くなる。

2013年5月9日木曜日

たくさん増えて




庭に出て、頭上でブンブン羽音がすると思ったら、もみじの花のあちこちにミツバチが。
へえ、こんな小さな花の蜜も集めるんですね。自分で植えた木ですが、何十年も気がつきませんでした。
たくさん増えて、9月にはそばの畑に来て下さい。
(昨年、一昨年とミツバチが少なかったので)

2013年5月8日水曜日

個人の楽しみの範囲内

繁忙期で疲れているのですが、必要があって1,5kgの玄ソバを電動の方で製粉を開始。
昔の田舎の製粉のように、粗く挽き割ってから篩と風力でそば殻を99%くらい除去して、それから石臼にかける。これで結構きれいでおいしい粉が出来ます。
プロの蕎麦屋さんは手挽きの方が微調整ができていいといいますが、私は電動の方が微妙な調整が出来て好きです。
もっともプロの方が言う「電動」はメーカー製のことを言っていて、私のような田舎で昔使われていたものを電動にしたものとはまったく別物かもしれません。
私の場合、目立ては手挽きと同じで、異なるのは手で回転させているか、モーターの力で回転させているかで、電動といってもきわめて原始的構造なので、回転数は一定の毎分15回転ですから、落とし込みの量の加減だけで粗挽き、細挽きを挽き分けるだけです。その調整は実に微妙でありながらアバウトなので、同じ粉をまた挽くのが難しくて、挽くたび、打つたびに違う蕎麦になるのはそのせいです。
でもそうやって挽きながら、指先で挽けたばかりのそば粉をつまんで舌の上に載せて味見していると、その蕎麦粉がいいか悪いか、だんだん判るようになって来ました。

それにしても、少し粉を外に出すのは控えて、個人の楽しみの範囲内に納めておいた方がいいような気がして来ました。

2013年5月7日火曜日

いやな予感

低温が続いている。
一昨年、昨年に引き続いて9月が高温になりそうな予感。
9月が8月と変わらない気温だとマツタケとソバは不作。

2013年5月5日日曜日

うーん、楽しい



2013年5月3日金曜日

ソバと窒素同化の問題点

植物は光合成で糖を生成し、それをデンプンに変える。
ではたんぱく質はというと、根から吸収したアンモニアをグルタミンとグルタミン酸の再生産をしながら、アミノ酸に変える。さらにアミノ基転移反応によっていろいろなアミノ酸を作り、それらを組み合わせてタンパク質を作り上げてゆく。
要するに植物は光合成でデンプンを、窒素同化でタンパク質を作ってゆく。

植物は、ふつうアンモニア態窒素を吸収していても、それが多すぎなければ、溢泌液中には遊離のアンモニアはほとんど見られず、ほとんどがアミノ酸態などの有機態である。もしアンモニアが多すぎて有機化しきれず、アンモニアのままで多量に地上部へ送られると、光合成が阻害されるなど、いろいろ悪いことがおこる。根はアンモニアを有機化して無毒にしているのである。
過剰のアンモニアが生体にとって有害であることは医学の領域ではよく知られている。人間はアンモニアを同化できず、植物としてとったタンパク質を消化して利用するが、その過程で余分となった窒素分はアンモニアとなって遊離してくるので、これを無害な尿素にかえて排泄する。この機能が損なわれ血液中のアンモニア濃度が増加すると昏睡状態に陥るなど、致命的な障害をひきおこす。
これに対して植物は、元来アンモニアを同化できるし、硫安や塩安など肥料としてアンモニアを施用するくらいなので、アンモニアが作物にとっても有害であるという認識はあまりなかった。しかし、過剰施肥や農耕地の富栄養化の傾向がすすむにつれて、アンモニアの過剰害が実際にあらわれるようになった。(中略)
アンモニアを過剰に吸収すると植物はこれを全部タンパク質にかえることができず、からだのなかにアミノ酸やアミドなどの中間物質としてたまってくる。
これらは植物に寄食する昆虫や微生物にとって好ましく、したがって植物の側からすれば被害を受けやすいことになる。またアンモニア態窒素が過剰の場合は、炭水化物がアンモニアとの反応に取られてしまって細胞壁部分に回る分が少なくなり、その結果病害虫の侵入や倒伏に対する機械的抵抗性が弱くなる。  (「作物栄養の基礎知識」高橋英一著より引用) 

ふう。これをソバにイメージしてみる。
前作などの関係で残留窒素が多く、窒素過剰で2m近くに伸びたソバは倒伏は無論のこと、開花しても結実が少なく、また収穫した玄ソバを製粉して蕎麦にすると異常に不味い。
異様にえぐみが強く、苦味、雑味も多く、雑臭もする。
不味くて臭くて食べられない蕎麦。
アンモニア態か、硝酸態か、亜硝酸態か、あるいはアミド、アミノ酸か、いずれにしてもアンモニアを一分子余分に抱え込んだアミノ酸もどきのがソバをまずくする。

うーん、そのあたり、もう少し実証的なデータがほしい。

ソバの後熟というのは、刈ったのちも光合成と窒素同化をたとえどれだけでも進めて風味を良くするという意味からもとても納得。

もう少し実証的なデータ

植物は光合成で糖を生成し、それをデンプンに変える。
ではたんぱく質はというと、根から吸収したアンモニアをグルタミンとグルタミン酸の再生産をしながら、アミノ酸に変える。さらにアミノ基転移反応によっていろいろなアミノ酸を作り、それらを組み合わせてタンパク質を作り上げてゆく。
要するに植物は光合成でデンプンを、窒素同化でタンパク質を作ってゆく。

植物は、ふつうアンモニア態窒素を吸収していても、それが多すぎなければ、溢泌液中には遊離のアンモニアはほとんど見られず、ほとんどがアミノ酸態などの有機態である。もしアンモニアが多すぎて有機化しきれず、アンモニアのままで多量に地上部へ送られると、光合成が阻害されるなど、いろいろ悪いことがおこる。根はアンモニアを有機化して無毒にしているのである。
過剰のアンモニアが生体にとって有害であることは医学の領域ではよく知られている。人間はアンモニアを同化できず、植物としてとったタンパク質を消化して利用するが、その過程で余分となった窒素分はアンモニアとなって遊離してくるので、これを無害な尿素にかえて排泄する。この機能が損なわれ血液中のアンモニア濃度が増加すると昏睡状態に陥るなど、致命的な障害をひきおこす。
これに対して植物は、元来アンモニアを同化できるし、硫安や塩安など肥料としてアンモニアを施用するくらいなので、アンモニアが作物にとっても有害であるという認識はあまりなかった。しかし、過剰施肥や農耕地の富栄養化の傾向がすすむにつれて、アンモニアの過剰害が実際にあらわれるようになった。(中略)
アンモニアを過剰に吸収すると植物はこれを全部タンパク質にかえることができず、からだのなかにアミノ酸やアミドなどの中間物質としてたまってくる。
これらは植物に寄食する昆虫や微生物にとって好ましく、したがって植物の側からすれば被害を受けやすいことになる。またアンモニア態窒素が過剰の場合は、炭水化物がアンモニアとの反応に取られてしまって細胞壁部分に回る分が少なくなり、その結果病害虫の侵入や倒伏に対する機械的抵抗性が弱くなる。  (「作物栄養の基礎知識」高橋英一著より引用) 

ふう。これをソバにイメージしてみる。
前作などの関係で残留窒素が多く、窒素過剰で2m近くに伸びたソバは倒伏は無論のこと、開花しても結実が少なく、また収穫した玄ソバを製粉して蕎麦にすると異常に不味い。
異様にえぐみが強く、苦味、雑味も多く、雑臭もする。
不味くて臭くて食べられない蕎麦。
アンモニア態か、硝酸態か、亜硝酸態か、あるいはアミド、アミノ酸か、いずれにしてもタンパク質にまで至らないこれらの物質たちがソバをまずくする。

うーん、そのあたり、もう少し実証的なデータがほしい。

ソバの後熟というのは、刈ったのちも光合成と窒素同化をたとえどれだけでも進めて風味を良くするという意味からもとても納得。

2013年5月2日木曜日

冷凍保存

午前中に真空包装機配達。
早速、今年は栽培計画から外れる予定のソバを真空パックしてみた。上手に真空パックするちょっとしたコツはあるが、先ず先ずこのくらいの性能ならしろうとには十分。汎用のナイロンポリ袋が使えるのは何より。


真空パックとはいえ、玄ソバの粒々だからその隙間の空気まですべて脱気できるわけもなく、まあ、簡易真空パックというべきだろうが、これでも冷凍保存すれば先ず先ずの発芽率は維持できそう。
上手にプライミングすれば、おそらく私が死んだ後でもこのソバは発芽するだろう。
といっても、食用の玄ソバのように水分15~16%ではなく、できるだけ乾燥させて水分を減らしておかないと凍結して発芽しなくなるので要注意。
もう一種類、夏そば、秋そば兼用という妙な玄ソバ250gも(2012年に入手したので多分2011年産。結局播かなかった。)真空パックして冷凍庫へ。
手元にある玄ソバすべてを栽培できる訳も無いので、こうして保存しておくほかありません。
希少な在来種はことに。
手持ちの玄は量は少なめでもすべて保存しておくことにします。

2013年5月1日水曜日

少し眉に唾


また、筆者はそばの種が古くなってしまって、そのまま蒔いたのでは発芽しないものを、収穫してまだ一年以内の新鮮なそばの実を「薬研」でつぶし、これを古い種にまぶして蒔き、失いかけていた古い系統の種子を、どうにか発芽させることに成功した。(長友大「蕎麦考」85頁より引用・柴田書店1976年刊)
うーん、科学的根拠があるような、無いような。少し眉に唾。
まぶしたものとまぶさないものと対照区を設けて発芽試験して、その効果が結果として出るかどうか、やってみる?? 面倒、(ーー;)

真空包装機、今日発送というメール着信。
結局、家庭用の脱気用の溝のある袋ではなく、溝のない普通のガスバリア袋が使えて水分を含むものも真空パックできるタイプのものにしたが、ということで、溝のあるタイプの袋の在庫が死蔵になってしまう、(ーー;)