しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2013年6月29日土曜日

変身してのお帰り



先日、ある方に赤いルバーブをお送りしたら、酸味とクリムゾンな色合いがシャープなルバーブ・ジャムと、こんなに可愛いロールケーキに変身して戻って来ました。
ほんとうにおいしかったです。
こういうすばらしい技術のある方がうらやましい。

2013年6月28日金曜日

タンパク質向上技術

小麦生産の世界では、小麦のタンパク質向上技術が研究されている。
蕎麦のつなぎに用いる小麦粉はタンパク質があまり多くなく少なくもない中力粉がスタンダードだが、中華麺とか、フランスパンとか、うどんとか、用途・目的によってはタンパク質が多い粉が求められるらしい。
そこで、複数の試験場等で試みられているのが出穂期のチッソの追肥によるタンパク質の増加である。
タンパク質は根から吸収されたアンモニアがアミノ酸に変えられ、さらにタンパク質へと姿を変えてゆく。つまり、タンパク質はグルタミンにアンモニアが取り込まれないと生成されない。
ということで出穂期のチッソ追肥が試みられた。
出穂期にチッソを追肥する、あるいは追肥を10aあたり3kgだったのを6kgに増量する。その結果、小麦に含まれるタンパク質が平均で2%増えた、という。小麦に含まれるタンパク質が10%から10数パーセントであることを考えると、2%の増加は非常に効果として大きい。

で、ソバはというと、やはり花が咲き始めたらチッソを与えればタンパク質が増えるらしい。時期としては開花が始まった頃、あるいは草丈30cmくらいになって中耕除草をする、その直前。
ただし、茎が中空でもろく、もともとチッソが多いとすぐに倒伏する蕎麦に窒素を追肥するなんて、ソバ栽培のイロハをある程度知っている栽培者からみたら、正気の沙汰ではないと笑われるかもしれない。
多分、どのようなソバ畑でも出来る追肥ではない。そばを連作し、ある程度養分が少なくなっている畑でしか試行できない。
ソバの窒素吸収量の許容量の狭さを考えれば、それも多分、10aで窒素成分1kg~2kgといった少量の追肥しかできないだろう。
かなり危険な試みではあるし、ソバのタンパク質増加が窒素だけで成り立つわけでもない。むしろ窒素以外の方向から攻めるべきであろうとは思う。


2013年6月26日水曜日

弱点を補ってやればいい


ちょっと確認したいことがあって、関東中部地方土壌図をダウンロードした。(注・画像は縮小してあります)
当地はまさに黒ボク土の真っ只中。おいしいソバは黒ボク土ではなく、褐色森林土だというので、確かにおいしいソバの産地は褐色森林土であった。うーむ。
ただし日本の褐色森林土がヨーロッパの豊かな褐色森林土と決定的に異なっているのは、多雨による酸性化であるらしい。
とすれば褐色森林土と黒ボク土の差異はわずかでしかない。
黒ボク土の弱点を補ってやればいいのだ。

2013年6月25日火曜日

また宿敵

まだだったN原のソバ畑に、ミネラル2種類をミキサーで混合したものを10袋(つまり5袋+5袋)を全面散布。トラクターのロータリー三つ分の幅を一度に撒いたので、さほど時間がかからず、余った時間を畑の周囲の2度目の草刈り。
昨年より畑全体がきれいな感じだが、まだ目立たないが、梅雨に入って水分十分なので雑草の発芽がすごい。


また宿敵ハキダメ菊、(ーー;)

2013年6月24日月曜日

そのバランス

植物栄養学の本を読んで、光合成が主に糖→デンプンを生成し、窒素同化がアンモニア→アミノ酸→タンパクを生成する、ということは解った。
早い話が、糖=デンプンをたくさん蓄積するには茎葉に十分に光が当たるようにすればいい。

ではタンパクを増やすには?
アンモニアを吸収した根がそれを効率的にアミノ酸に変換し、それがさらにタンパク質になるようにしなければならない。

ということで、光合成を活発にするためには茎葉を健全に育てることが大事で、たんぱく質を増やすには先ずは根を健全に育てることが大事。

ふーむ、何とも常識的な結論。
ソバの場合、窒素の許容量がきわめて狭く少ないので、その施用量の計算がむずかしい。
多ければ倒伏するし風味も悪くなる。
少なければ倒伏しないがたんぱく質が少なくデンプン質が多い、甘みはあっても風味の薄いソバになる。

そのバランス。

2013年6月20日木曜日

練習

18,19日と、一泊二日で東京方面の蕎麦屋さん巡りに行って来ました。地方3名、東京3名の混成グループで蕎麦店3軒、寿司店1軒を回りました。
東京組は電車の乗り換えは慣れたものですが、田舎組は彼らについて行くのがやっとで疲れました。(田舎組は毎日車で動いていますから徒歩には弱い)
それで、ほんとうにおいしい蕎麦には出会えないのですから難しいものです。本気で蕎麦に向き合っているのは分かっているんですが、それでもなお何かが欠けている感じがしてしまいます。
でも、朝から晩までずっと蕎麦の話が尽きず、楽しかったです。蕎麦の話になると目を輝かせて喋る、いいキャラクターの蕎麦屋さんとも知り合いました。二階の製粉室に電動、手びき合わせて石臼が7~8台ずらっと並んでいるのには唖然としました。2日間、楽しかったです。

さて、今日は二日間でたまっていた仕事を半日で片付けてしまい、それから「青大豆」と「こうじいらず」の2種類の大豆の種まきをしました。
「青大豆」は自家菜園の隅に苗床を作ってそこに直接播種し、鳩に食べられないように不織布で覆いをかけました。
そして「こうじいらず」は迷いましたが苗床播種はやめて、プラグトレイに播いて数日間のプライミングをしてから水をやって発芽させることにしました。
128穴のプラグトレイ6枚、72穴のプラグトレイ2枚。これに湿度40~45%くらいと思われる培養土を詰め、1穴に1粒ずつ播いて覆土し、それを乾燥しないようにビニール袋に4枚ずつ重ねて入れ、テープで蓋をしてほぼ密封します。
それで培養土に含まれる水分をわずかずつ吸収させ、種子の中の発芽を始めさせるための酵素の活動を促します。根や芽が出るほど水分を与えてはダメで、その寸前でプライミングをやめ、如雨露で散水して今度は発芽を始めるのに必要な水分を与えます。

なぜ、そんな面倒なことを?
古いソバの実を発芽させるためにプライミングという処理が有効らしいので、その練習です。
方法は分かりましたが、作物によってプライミングの適切な時間が異なるようなので、その時間を探るために練習してみます。もちろん、大豆とソバではまたプライミングの時間も異なりますが。

2013年6月16日日曜日

相当のばか者


大豆「こうじいらず」が届きました。やはり粒が大きめで青大豆ほどではないが緑がかっている。ふっくらおいしそうです。
大粒でうぐいす色のものを播種用に選別しました。
ということで、秋までに豆腐作りの勉強(笑)。(といってもネットで)
ほとんどスーパーマーケトでしか買えなくなった豆腐ですが、おいしい豆腐ってなかなか無いものです。だからって自分で作ってみようなどと考えるのは短絡思考で
、相当のばか者です。

2013年6月15日土曜日

15,3%

そば用の水分計が届いた。
早速、手元に一握りほど残してあったAさんの玄ソバを計測してみたら15,3%だった。先ず先ずの数字。
例の過乾燥と思われるM在来もと思ったが、持ちに行くのが面倒なのでまた明日。

これで、玄米用の紙袋に入れた状態でどれだけ玄ソバの水分が少なくなってゆくか、あるいは案外少なくならずにとどまっているのか、計測できます。

2013年6月13日木曜日

また妙な病気

今ではあまり栽培されていないようですが、この地方の在来の「こうじいらず」という大豆があるというので、広すぎるソバ栽培予定地の隅っこに少し植えてみることにしました。
「こうじいらず」という名は、味噌を作るのに麹がいらないといわれるほど甘みがあることから付いたということですが、私は味噌より先ず、おいしい自家製豆腐にチャレンジしてみたいのです。(また妙な病気がはじまりました、^_^; )
ただし秋大豆は栽培がむずかしいとのことで、播種期を間違えると収穫ゼロということもあるようです。
種の手当ても済みました。残るは適期播種ですが、ま、遊びですから構えずにいきます。

2013年6月12日水曜日

両極性気候

なんとしても雨が降らない。ここはことに内陸性気候の典型のような場所なので、干ばつがいよいよ被害として表に出てきそうなところまで来ている。

発芽試験をして発芽したソバを畑の隅に植えてみたが、このところ生長が停止している。花も咲いたまま受粉しないものが増えているような気がする。
先日の短い雷雨で茎が折られたり、実が入り始めたところを小鳥につつかれたり、いまや惨憺たる状況だが、今はテスト中。
だが、夏の播種本番も前途多難な感じがしてならない。今年の気象は両極性気候とでもいうべきか、極端すぎて一筋縄ではいかない。
寒いも暑いも、降るも降らないも、極端すぎる。

2013年6月11日火曜日

妙な計算

あるソバ研究者のデータで、ソバの「種実全粒」(そば殻も含めた)の灰分は3.74%と書かれている。灰分とは燃やして残る灰(すなわちミネラル分)のことだが、その3.74%の灰分のうちの48%がリン酸であるという。カリは25%。
そこで、玄ソバ1kg中にどれだけのリン酸とカリが含まれているかを計算してみた。

3.74%ということは、玄ソバ1kgだと灰分は37.4g。
その37.4gの灰分のうちの48%ということで、灰分のなかのリン酸は17.952g。
つまり玄ソバ1kgには17.952gのリン酸成分が含まれている。
では10アールで玄ソバの収量がMAXの150kgとした場合。17.952g×150=2592.8g=2.5928kg、およそ2.6kgのリン酸が吸収されている計算になる。
ただし、ソバの実だけでなく、ソバの茎や葉や根にもリン酸は存在しているはずであるから、吸収量はもっと多いはず。
しかもリン酸はいちばん吸収効率の悪いミネラルで、ことに酸性気味の火山灰土壌にはアルミニウムの酸化物であるアルミナが多く溶け出していて、これがリン酸と結合して不溶性にしてしまい、あっても効かないリン酸になってしまう。
ソバの根は有機酸を出してそれら不溶性のミネラルを溶かして吸収する能力は高い方だが、それでもアルミナのリン酸吸収係数は高い。

ということで、さて、計算した通りの10アールあたり2.6kgの量では少ないと思えるのだが、かといってどれくらいの数字が適当なのか検討がつかない。
いくつかの小さな区画に分けて、標準量、1,5倍、2倍という風に量を変えて試してみればいいのだが、そこまでやるとどこぞの試験場と同じことをする感じになってしまうし、そう厳密には出来ないし、結果も明瞭に出るかどうかもわからない。やれやれ。

2013年6月10日月曜日

硬実種子の弱点

硬い皮で覆われているので硬実種子と呼ばれていますが、吸水に時間がかかるうえに多湿状態だと水を吸った皮が酸素の供給を妨げるので発芽不良になりやすい、といいます。
硬実種子はごぼう、朝顔、オクラ、ひまわり、アスパラガス、ニガウリ、カボチャ、西瓜などですが、実は我らが愛してやまないソバも硬実種子の仲間なのでした。
だから大雨が降るような時にはソバを播くなというのは、要するに酸欠で発芽できなくなってしまうのですね。
まあ、ほとんど湿気がないような今の干ばつ状態でも、昨年ソバを栽培した畑ではソバががんがん発芽しているくらいですから、やはり水分は少なくていいんですね。

そのソバの水分のことで、もうひとつ疑問。
ソバの水分は15~16%が良いとされ、それより乾燥が進むと風味が落ちるといわれるが、それは本当なのか?
では水分11%の過乾燥の玄ソバに、ゆっくりと水分を4%吸収させ、それから製粉したらどうなるのだろう? 
ミイラに水分を与えるようなもので、意味ないのだろうか?

2013年6月9日日曜日

気の遠くなるような原始的方法


少雨で生育が遅れていますが、サンプルで少し採ってみました。同じタデ科のソバの赤すね同様、乾燥というストレスのせいか、いい感じに赤くなっていました。この気温でこの赤さはかなり有望です。
ただし、妻にfacebookのお友達に送りたいと横取りされてしまいました~(泣)。

ソバと同じ他家受粉でHybrid(交雑種)なので、種子をたくさん播いてそのなかから赤いものだけを選抜するという、気の遠くなるような原始的方法には限界があります。
来年からは株分けによる増殖にシフトいたします。

2013年6月6日木曜日

踏んだり蹴ったり

発芽試験して生えたK在来を畑に植えて観察を続けていたが、昨日の午後の雷雨で、いちばん先端のすでに結実している花房の枝が重みで折れたのが何本もあった。がっかりである。
しかも、よく見ると、短桿でしっかりしていて折れていないソバの先端の花房の色が黒っぽくなっている。



近づいて、つぶさに観察すると、どうやらすでにデンプンが入り始めていておいしいのか、小鳥についばまれたらしい。踏んだり蹴ったりである。

仕方ないので、支柱と防雀網をつかって小鳥が近寄れないようにガードした。
それから、節間や枝が短い短桿の固体が6本あるので、メモ帳に番号を付けて記録しておき、採種の際には他の個体とは別にしようと考えている。短桿だと倒伏しにくいはずなので。

2013年6月4日火曜日

それにしても

昨日,冷凍庫の底から出て来た2009年産のそば粉を、夕方打ってみた。
真空パック用のガスバリア性のある袋に脱酸素剤を入れて冷凍庫に入れてあったので、異臭や異味はまったく感じられず、しかも加水も49%と普通の範囲内だった。ガスバリア袋でなく普通のポリ袋であったなら、空気は通ってしまうので、乾燥しすぎになったり、冷蔵庫臭い匂いが付いてしまうのだが、それはまったくなかった。
水回ししていてもソバの香りは普通程度に鼻に来たし、麺も二八だったので問題なくつながった。風味も普通レベル。
とうことで、もったいないので捨てずに先行使用することに決定。ただし、信濃1号であることははっきりしているので、在来種の個性の強いそば粉とブレンドして使うようになる。

手持ちの玄ソバを整理して、播種する予定ではないが保存しておきたいものをガスバリア袋に封入しはじめたが、そういえばM在来がどこかへいってしまったと探して、ようやく発見。(M在来といっても県内のM在来ではなく隣県のM在来)
それを夜になって拡大鏡で観察してみて驚いた。これもまたすごい交雑振りで、在来種というものが交雑の歴史であることを大いに納得。そう納得してもこのまま種子として残すにはあまりに雑駁で、これではソバの形質の見本市みたいなもの。
ということで、先ほどまで左手に拡大鏡、右手にピンセットを持ち、一定の形質のものばかりを選別しつづけ、50gを越えたので今夜は作業を終了した。50gといえば、1000粒重が25gと仮定して計算するとちょうど2000粒選別したことになる。
今年はこのM在来を栽培する畑が無いので、これは真空包装して冷凍庫で保存しておいて、来年以降に採種・試食兼用の少量栽培をすればいい。

それにしても、元はM在来であるが、こうして意図的にある形質の種子ばかりを選別(選抜)して栽培したら、それはもうM在来とは呼べないのではないか。

2013年6月3日月曜日

冷凍庫内、一斉家宅捜索

ようやく時間ができて、満員状態のまま整理できなかった冷凍庫内を一斉家宅捜索。
いったんすべてを外に出し、壁に付着していた霜少々を取り、内部を掃除。


それから不要なものを捨てながら中身を戻しましたが、何と2009年と書かれたそば粉1kgが6袋出てきました。ガスバリア袋に脱酸素剤を入れて密封してあるとはいえ、ちょっと古すぎます。封を切ってそば粉を舌の上に載せてみましたが、変な味や匂いはせず、普通にそば粉でした。でもさすがに蕎麦にする気はしません。2009年はまだ信濃1号でした。

2013年6月2日日曜日

完全に経費負け

今年のソバ栽培も種まきまで2ヶ月となったので、今年は施肥設計のようなものを立ててみた。
これまでは倒伏を怖れて前作で残留チッソがあるらしい場所は無肥料だったが、今年はソバを連作して来た場所には6・20・20という化成を使うことにした。
ほかに光合成とチッソ同化に関連して全面積に与えたいものが2種類あって、3種類散布することになる。
さらに面積は限定されるが、2ヶ所でチッソ源を有機のボカシ肥料だけにして栽培してみたい。
ということで、栽培予定の面積で計算したら全部で21袋で、52675円になった。
これでは完全に経費負けしそうですが、コンバインを使わない小規模栽培は採算度外視の道楽でしかありません。おいしいソバが収穫できればそれでいいんです。

2013年6月1日土曜日

ロシナンテ

また、ソバ栽培の師匠であるTさんが入院してしまった。
承諾は得てあるので、留守中だがトラクターを借りてN原のソバ畑へ。

これは畑の東の端から

畑の西の端から
ずっとソバを栽培している西半分は草が少ないが、Fさんが西瓜を栽培して途中で栽培放棄してしまった東半分はアカザなどの雑草がはびこっている。
西南の隅のスギナが目立ってきた場所に石灰を散布したので、畑全体を耕運。

あまりに広いのでもう一度計測と計算をしてみたら、東西87m、南北30,6mで2662平方メートル。西瓜の直売所だったパイプハウスと駐車スペースを差し引いても2600平方メートルはある。
余りに広すぎて泣けてきそう。
しかも何種類もの在来種を栽培するので、ほかにも、面積は小さくなるが3ヶ所。
その上、今年はチッソ以外のソバに重要と思われるネラル分を積極的に施用することにしたので、播種前の仕事はかなり増える。


ひとのトラクターだが、ひそかにロシナンテと命名した。このロシナンテ、アワーメーターを見ると何と1481時間で、相当のご老体である。