しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2008年6月23日月曜日

わさびとオヤマボクチ


こちらは畑の隅に植えたワサビ。もともと大きかった株は生育旺盛ですが、分けつしたばかりの小さな株はまだ大きくなりません。でも枯れずに生きています。来年の春が楽しみです。



これは昨年の秋の終わり頃に畑に植えたオヤマボクチ。薹が立ってきたので蕾が出来て花が咲くかもしれませんが、移植後一年でどれだけ大きな蕾になるか。

2008年6月19日木曜日

山狂い

 午後、仕事で出かけた先から、山道をあるルートをたどって車を走らせて見た。完全に山狂いである。舗装は走り初めのわずかな距離で、それから先は未舗装で狭い林業用道路となる。昨年秋の台風で沢がえぐれ、土砂が大量に押し出された痕跡もあり、緊張しながらの運転で、しかも常に道路両サイドの斜面に目をやりながらである。
 あった。無いところにはちっとも無いが、種子がこぼれるせいか、あるところにはあるものだ。北から南へ向かっていた道路が東から西に向かってうねるように曲がっていて、しかも切り通しになっている北側の斜面にオヤマボクチが群生していた。ただし、斜面の傾斜が45度よりもっとある。崖ではないが50度から55度くらい傾斜している。何度も滑り落ちながら採取。
 それからさらに、あちらこちらの道路沿いの斜面に生えているオヤマボクチを採りながら山奥へ進むと、いよいよ深山幽谷の気配。車一台、誰ひとりにも会うことなくさらに前進。岩に無数のひびが入っていて落石がごろごろしている個所に差しかかって、戻ろうかと考えたが前進、ようやくとある別荘地へ出た。このルート完全走破したのは始めて。林業関係者以外は入らない道路だ。秋の紅葉の時期もいいかもしれない。
 帰宅後、輪ゴムで6枚ずつ束ねたものを3本ずつに振り分け、陰干しにするために倉庫軒下に物干しロープを張ってぶら下げていったら、5mの物干しロープが3本必要だった。6本ずつ束にしたものが146あったので、合計876枚(備忘)。大収穫であります。
(ただし、乾燥の後の精製作業を経て葉裏の白い茸毛《じょうもう》だけになった時には、泣けるほど量が減ってしまうのです。ソバ粉1kgに5gですから、使用量も微々たるものですが)

2008年6月17日火曜日

第2回姨捨会山菜採りツアー

 今朝になって突然、6月4日に山へ山蕗を採りに連れて行った母親の茶飲み友だち(他称通称おばすて会)の同じメンバーを、今日、また同じ場所へ連れて行ってくれ、と。え?! 私の仕事の都合も訊かず......(ーー;)  。前回取り残した山蕗が目の奥でちらちらして夜も眠れないのだと(嘘つけ、毎晩グースカ眠っているくせに)。
 で、結局、8:45には出発。
 欲深ばあさんたち、すごいですね。それから昼まで山蕗を採り続け、帰ろうと言わない。昼食後も帰ろうとせず、もう一ヶ所別の場所へ行ってみたいと。メンバーの中にこの山奥の突き当たりの村出身の方がいて、昔、自分の家で作っていた水田が耕作放棄して荒れているが、そこに山蕗が生えているかもしれないので行って確かめてみたいのだという。
 行った。少しあった。これでいいのかと思うと、隣の杉林のなかに山ミツバが生えていて、柔らかそうなので採るという。するとその杉林の中に青いネットを張りめぐらした不自然な場所があった。イノシシに荒らされてしまうような作物をこんな杉林のなかで栽培しているはずもなく、ネット越しに中を見ると、そこにも山蕗、山ミツバ......あれ?! wasabiがありますぞ。ネットは明らかにこれを採ってはいけないという意思表示なのでした。それにあまりたくさんは生えていないので、これじゃ採れません。
 ばあ様たちはまだ杉林の仲をうろついているので、車を方向転換させておこうと坂を少し上って、車の向きを変えて下り始めた時、左の土手に山蕗にしては短くカッコ悪い植物が目に入った。山蕗のようで山蕗でない。オヤマボクチか?急停車して採取開始。
 しかし、先に山採りしたものは丸みを帯びているが、今日のは葉の先が尖っている。しかも葉裏の白い毛が薄めである。この集落出身のおばさんいわく、「これがほんとうのヤマゴボウだ、あんたのうちの庭にあった苗の方が偽物だ」
 とはいえ、捨てずに帰宅。やはり2種類あるのだ。

2008年6月14日土曜日

今年度第一回オヤマボクチ精製


 今年度第1回オヤマボクチ精製終了。昨年秋に初めて精製したものよりずっと不純物が少なくなり、白っぽい仕上がりになり、ほぼ満足。精製の手順と、これは大事というキーポイントも把握出来た。これでまた葉の収集にいそしめます。

2008年6月13日金曜日

貧乏性

 今夜は今年度第1回めのオヤマボクチ精製作業。いよいよ大鍋を出してひたすら煮て、ひたすら不純物(葉の表の葉緑素がある部分と、葉脈)を洗い流すだけの根気作業。しかし、やはり、昨年秋より遥かに楽だ。茸毛以外はとにかく細かく粉砕しておけば家庭用ステンレス笊の網目からどんどん流れ出してゆく。表の葉緑素がある部分は抹茶のように細かくなっているのですべて洗い流されるが、葉脈が難敵だ。そういえば、隣県の試験場の研究結果に「乾燥した葉を圧延ロール(ロール径30㎝、間隙0.05㎜)に2回通し、葉脈を破壊する」とある。直径30cmの圧延ローラーなど家庭にあろう筈もないが、直径数センチだがイタリアの製麺機のローラーはある、あれで葉脈を粉砕するのを忘れた。七月に予定している2回目精製作業では忘れずに 間隙0.05㎜以下で葉脈を粉砕してみよう。
 少しだけ水分を絞ってみたら、昨年秋のものよりずっと白く、不純物が少なく、ほぼ満足できるものにはなった。
 それにしても、すべて自分でしてもみなければ気が済まないのは不幸のきわみであり貧乏性のきわみであもある。この性癖が邪魔をして、社長にも管理職にもなれなかった訳です。種まきからソバ打ちまでの工程のなかで製粉だけが他者の手に渡ってしまうことが納得できなくて、中古モーターを買い入れ、製粉機さえ設置しようとしている。
 稚拙な飛行装置で空を飛ぼうとした表具屋幸吉や、ネクタリオ、あるいは百科全書的にすべてを試行してみようとしたブヴールとペキュシエ、彼らには及ばないまでも、その末席を穢してはいるのかもしれない。
 ソバ、オヤマボクチ、ワサビ、ねずみ大根、刻み海苔。すべて揃って完璧なのだ。どれか一つ欠けても不都合。
 そういえば、ねずみ大根の採種は失敗らしい。二株だけのせいなのか、受精しないらしくて実が入らず不稔なので、とうとう今日、引き抜いてしまった。かくなる上はねずみ大根の種を入手するほかありません。

2008年6月11日水曜日

実にオヤマボクチな夜

 今日、外回りの仕事から帰宅途中、なじみの書店に立ち寄り、文〇界を立ち読み。冒頭の、同人誌のネットワークについての部分を読み、それから国土地理院発行の1/25000の地図を2枚購入。今回は関東平野と信州の境界を形作っている小さな山々が収録されているエリア。
 この頃、国土地理院発行の1/25000の地図を眺めていると、さながらGoogle Earthで上空から地形を俯瞰しているように見えて来るようになった。小さな沢の上流にwasabiが群生していたり、日当たりの良い南向きの斜面にoyamabokuchiが銀色の葉裏を光らせていたりする光景が見えたり。(ほとんど幻視に近いイマジネーション!!)


 6月5日に山で採取して来たOyamabokuchiの葉が乾燥し、触れればパリパリと音を立てるようになって来たので(写真右側の2枚。左の1枚はまだ生乾き。この葉の表の緑の部分を取り除き、裏の白い毛のような茸毛【じょうもう】だけを取り出す。)、精製作業の準備にかかる。

 昨秋のように手で揉んでというには葉の量が多いので、機械を利用することとし、Y電機へ行ってフードプロセッサーなる機器を購入。実はわが家は未だにハンドルを手で回す手動タイプの、その名も「みじん切り器」なるものしか所有しておらず、自分の趣味道楽のためだが家庭でも役に立つので電動式を購入することに。
 それで、今夜、早速、中心の葉脈を取り除いた葉をフードプロセッサーに押し込み、蓋をしてスイッチ・オン。お、おお、次第に粉砕されて緑色のふわふわした固まりになってゆく。それをホームセンターで購入した「園芸用篩」に付属していた3枚の網のなかでいちばん目が細かいものをセットし篩う。おお、葉の表の葉緑素が抹茶のように細かくなって篩の下へ落ちてゆき、葉裏の白い茸毛は残っている。それを何度もフードプロセッサーにかけ、篩にかけを繰り返しているうちに、徐々に緑色が薄くなってゆくではありませんか。やはり、昨秋、急遽、収集して来た茶色に枯れた葉よりも、6月の若い葉の方が、表の緑の部分と裏の白い茸毛の分離が簡単である。
 あ、そうか、しまった。どうせフードプロセッサーを買うのなら、プロの調理師たちが使う業務用のものをリサイクル・ショップで探せば良かった。もっと容量が大きいしパワーも強いはず。厨房用品はリサイクルショップのメイン商品だから探せば必ず見つかるに決まっている。あ~あ。


 今夜はこの程度で作業終了。
 それにしても、この状態から緑色の部分をすべて取り除き、真っ白な茸毛だけに精製するのは至難のわざであります。最後は鍋で8時間も煮て、さらに水を用いて不純物を洗い流すのだけれど......

2008年6月10日火曜日

人生はささやかでジャンクな虚構

 この頃すっかりソバの自家製粉実現に夢中な私は、市内に機械・工具専門のリサイクルショップがあることを耳にしたので、外回りの仕事の出かける振りをして、早速、行って見た。
 プレハブの事務所が入り口に置かれ、その奥の、倒産した小さな町工場の屋内に様々な中古機械や工具が並べられていた。
「モーターはありませんか?」
「あるよ」
 どこか映画の中で見たことがあるような風貌の主人があっさり答え、続けて訊いた。
「何馬力?」
「一馬力」
「あ、あるよ」
 彼の後をついてゆくと、棚の上に大小様々な中古モーターが並べられていて、彼は足元のコンテナに足をかけ、棚の上のいくつかのモーターのプレートを確認し、それから棚の上ではなく、足元のダンボール箱を乱暴に破るようにして開いた。保証票の上部1/4くらいが鼠に齧られたようにギザギザに欠けていた。
「これ、新品だけど16,000円」
「え、中古品は無いですか?」
「そこに一個あるけど12,000円だから、こっちの方が得だよ。なんたってこっちは新品だから」
 新品といったって未使用の新古品というやつで、生産された年月はだいぶ前のものなのだろうし、保証票が鼠に食われているような代物であるから格別に安いのでもなく、むしろ妥当な価格であろうから、少しは値切ってもいいはずだ。
「少しは安くなりませんか?」
「今メーカーから仕入れる新品だと5~6万するからね、16,000円は安いと思うよ。何に使うの?」
 話題を逸らして来た。
「製粉機にセットするんですよ」
「製粉機?」
「ソバを製粉するんです。」
「ああ、おれも蕎麦打ちますよ。〇〇製粉のソバ粉は買う度に風味に当たりはずれがあるので、××蕎麦の石臼挽きのソバ粉を買ってね。こんな商売、70になったらやめて、東京に戻って蕎麦屋をやろうと思っているんですよ。夜中に電動の石臼でゆっくりソバ粉を挽いて、それで数十人前の蕎麦を打って、売り切ったら暖簾を下ろしてね、そういう蕎麦屋をやりたいです」
 わたしは70歳になってから商売として人のために蕎麦打ちをする気になれません、と言おうとして私は口をつぐみ、話題を少し滑らせた。
「石臼って一時間に2~3kgしか挽けませんよね」
「そうだね、電動石臼も熱で風味を損なわないために昔の手回しと同じ回転で回すんだから、仕方ないよね。」
 彼の携帯電話の着信メロディが鳴った。森田童子の《みんな夢でありました》だ。笑えた。
 彼が建物外に出て電話の相手と話している間、私は彼の商品を見て回った。使い古された工具が多く、金額の張る機械類は少ない。これで食えるのか? と思った。
 以前からあればいいなと思っていたエア・コンプレッサーの中古が五台ほど並んでいた。微妙に中古な価格設定で、中古を買った方がいいのか、新品の安いのを価格ドットコムで探した方がいいのか判断に苦しんでしまう。その横に置かれているのは、なぜか、私同様に時代の間尺に合わなくなったみたいなB4サイズのコピー用紙のやや色褪せた箱が五箱。この組み合わせ、なんだか微妙に、人生はささやかでジャンクな虚構にすぎないのかもしれない、と思わせてくれるのでした。
 そういえば、このリサイクル・ショップの主人の風貌が誰に似ているか、思い出しそうで思い出せない。思い出せそうで、その一歩手前でまた忘却の彼方に引き戻されてしまう。
 私は彼が破いた段ボール箱の前に再び立ち、モーターに張り付けられた定格を記したプレートを見た。すると定格出力が1KWと刻まれているではないか。1馬力は750W=0,75KWであるはずなのに......。
「どうも済みません。孫から電話がかかってくると長くて困っちゃうんだよね。あ、どうします、モーター」
「これ、750Wじゃなくて1KWじゃないですか」
「あ、ああ、たいした違いじゃないよ。むしろ若干の余裕があっていいんだ」
「そうですか......」
 私は、彼の憎めない風貌と口調に負けてその新古品のモーターを買い、帰宅した。そして製粉機のメーカーにメールを入れた。
「私、貴社の製粉機AV-1型機を導入しようと考えておりますが、手持ちのモーターが規格の750Wではなく1000Wです。これでAV-1型機を動かすのには無理がありますか?」
「K社お客様係担当のO沢です。当社製品について、お問い合わせありがとうございます。弊社ではA1型の場合、750Wモーターを取り付けおり、それ以上になると、シャフトの耐久性等もあり付けておりません。 従ってお勧めは出来ませんが、稼働させることは可能であります。以上、ご検討下さいますよう宜しくお願い申し上げます」 

2008年6月5日木曜日

山は霧

 早朝、oyamabokuchi自生地へ行って生育状況の偵察。平地は曇りだったが、山は霧のため視界不良。
 まだ早いかなと思っていたが、結構、葉が大きくなっていたので一株あたり2枚を採取。しかも一ヶ所は予想していたより広い範囲に群生していることが判明。こんなに取れたら畑で栽培しなくてもよさそうなものを。
 すべて陰干しにして精製に備える。

2008年6月3日火曜日

この地上に自分以外誰もいないという錯覚

 雨なので、朝から、もう一ヶ月以上も処理できずにたまっていたデスクワークをしていたが、どうにも落ち着かない。午後になって、カッパ持参で山へ。
 往路30分。
 滞在30分。 

こんなすごい場所に迷い込んで、総毛立ちました、(これ全部山葵!!)

 種のサンプルを採取(これを発芽させるのは難易度がかなり高そう)。
 お醤油漬けの材料を少々採取(先ほど製造終了、明日から食べられます)。
 帰路も30分で、合計一時間半のお休み。
 むしろ雨降りの日に山へ行った方が、誰もいなくて静かでいい。
 この地上に自分以外誰もいないという錯覚は、つかの間であっても気分がいいものだ

2008年6月2日月曜日

ああ忙しい

 ネット・オークションで、家庭用100V電源で使える単相モーターの0,75KWのものを探したが、なかなか見つからない。工場などで使う三相200Vのものは掃いて捨てるほどあるが。三月、半年、日を置いてじっと検索し続けるか? それともとっとと諦める? 製粉業を営むわけじゃなし、あまりに本格的過ぎるような気もするので、もうちょっと家庭用にふさわしい機械に落ち着くかもしれない。
 あとは真空パック機と、脱酸素材の検索。どちらもあまり高くなく、簡単に入手できるはず。

 T屋さんが、自分がオヤマボクチを植える畑に幅155cmの黒マルチを二列張り、その隣にもう一列、私のために張ったから植えろという。好意を無にしてはいけないので、夕方、余ったまま水遣りをしていた苗を車に載せて現地へ出動。T屋さんが奥さんとふたりで植えている隣で、二条植えにしたら2×33本=66本植えられた。
 自分が借りた専用畑の方に150本植えたので合計すると200本を超えている。T屋さんはおよそ120本ほど。
 何だかなあ、ふたりともちょっと頭がヘンかもしれない。私などは自前の製粉機を設置しようとしているのだから、まったく常軌を逸している。