しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2011年12月31日土曜日

今年の年越し蕎麦

先ほど、年越し蕎麦を食べました。


今年は2種盛りで、右がN在来、左が信濃1号。
ちょっと盛りが多すぎて品がありませんでした。
どちらも50メッシュ以上の粉で二八なので、打ち易く喉越しも良かったですが、最近試みている粗碾きに比べると優等生な食感でした。
ただし、蕎麦を噛みしめるとN在来の方がこれぞ蕎麦という風味を感じさせました。
今日まで迷っていましたが、これで来年度も在来種を栽培することに決めました。

それにしても、50メッシュ以上の微粉だけだと物足りないですね。
粒度分布のバランスがよければ、30メッシュくらいがいいのかもしれません。無篩いというのをされている方も居られるようですが、私の場合は「十年早い」でしょう。

皆様、良いお年を。

2011年12月30日金曜日

困りました

朝食後、家庭菜園用に借りている畑の持ち主に600g、同人誌の春の号に寄稿していただいた方に500g、2回蕎麦を打った。地主にはお歳暮に蕎麦を載せてお届けし、寄稿していただいた方には宅急便で明日の午前指定で発送した。どちらも二度目なので茹で方など説明は無しで、ねずみ大根を添えた。
ほかにもお送りしたい方があるのだが、宅配便で翌々日配達の地域だと、蕎麦が腐敗したり切れてボロボロになるのではないかという危惧が先に立ってしまう。案ずるよりも一度試行してみたらいいんですが。

明日は二男が帰省するので、彼のためにまた少し打つ予定。自分で茹でるので十割でいこうと思うが、打ってから茹でるまで5時間くらい時間差が生じるので粗碾きは無理だろう。
先日打った粗碾きの十割も当日は良かったが、余った一人前を翌日茹でたらみごとに切れました、(ーー;)
まだ、十割だからおいしいのか、粗碾きだからおいしいのか、甘皮も碾きこんだ全粒粉だからおいしいのか、在来の小粒種だからおいしいのか、まったく判断がつきません。
ですから、来年度、どの種を播くのか、それもまだ決まりません。困りました。

2011年12月28日水曜日

製粉が面白い

代休を消化するために早めに帰省した息子のために、昼食用に蕎麦を打った。妻と母は最近食傷気味であるらしいので、息子と自分の二人分のみ。
先日石臼碾きして30目の篩をかけたソバ粉を40目でもう一度篩いなおし、篩から落ちた40目以上を二八で打った。それでも60目や80目に比べればまだ粗い砂状の粉が混じっているせいか、加水率はあっさり50%を超えたが、ズル玉にはならず、それでいて結構薄く伸すことが出来、また切りも包丁に粘りつかずにきれいに細切りすることが出来た。
しかも、茹でてみると田舎そばの黒味は無く、かすかに鶯色した透明感のある蕎麦になった。製粉の際に、最初の碾き割りの段階で徹底的にそば殻を排除したため、ぬきみから碾いた蕎麦に似て来た。
30日と31日、あちらこちらにお届けする蕎麦を打つことになるが、宅配便で送るケースもあるのでほぼ今日のような二八、または九一で打つことになるが、甘皮を十分碾きこんであるので、風味はかなり保持できる。

ソバ粉に粗碾きが混じると加水率が多くなることを、最近、意識的に身を以って経験することが出来て良かった。
製粉会社や製粉所に製粉を委託したソバ粉や、直売所や道の駅などで販売されているソバ粉は60メッシュ以上の細かい粉が多いが、ああいうソバ粉と石臼であえて粗碾きも混じっている粒度分布の広いソバ粉とでは、加水率も加水の方法も異なってくる。
この頃、製粉が面白い。

2011年12月26日月曜日

一瞬のうちに探しているものが

午前中ずっと車を走らせていたが、どうも目が変で、以前もブログに書いたお宅の庭の踏み石となった石臼7個のほかに、とある石材店の工場の軒下に二個の石臼を発見してブレーキをかけ、少しバックしてそこを良く見るとやはり石臼だったので、車から降りて石臼のそばに歩いて行った。ほぼ同じ大きさの上臼と下臼で、目はやや減っている感じがする。
すると工場の人らしいひとが出て来たので、思わず、
「この石臼は売り物ですか?」と叫んでしまった。
「あ、おれ、ここの人間じゃないので、分からないです。この家、留守のことが多いしな」
いつもズボンのポケットに巻尺を忍ばせている私は直径を計測した。35cm。
たまたまこの道を通るので、いつか誰かいたら寄って訊ねてみよう。
さらに同じ集落を通過中に、庭に石臼が上下重ねて置かれているのを目撃。ただし、かなり稚拙な作りであるのが一目瞭然なので、ブレーキは踏まず。

それにしても、関心のあるものは自然と目に飛び込んで来るというのは、かつてオヤマボクチを探して山道を走らせている時にも経験したことだが、面白いものだ。
視力が鍛えられるというか、とにかく一瞬のうちに探しているものが目に入って来るのである。

2011年12月24日土曜日

30目のそば粉で練習

今日は妻が実家へ行くというので、蕎麦打ち開始。
慣れない人に十割を茹でさせるのは心配なので、先日碾いて30目で篩ったそば粉を二八で打ってみようと思い、6人家族なので内二八で1kg。
ちょっと粗いのが心配なので、ある方のアドバイス通り、40目で篩って残った30目と40目の間の甘皮を篩い出し、事前に加水量のなかから適量の水を分けてそこに漬けておき、40目以上の粉とつなぎの中力粉を混ぜ、水回しを開始し、そぼろ状になったところへ、水を吸った30目と40目の間の甘皮を混ぜ、更に水回しを続行。
ただし、やはり、60目くらいの篩を通ったものだと47%位の水で済むものが、粗い粒があるとそれでは足りず、55%くらいでもまだズル玉にはならず、延しに力が必要となった。
怪我の功名というか、そのおかげでややもすると包丁に切ったばかりの蕎麦が粘りついて踊るのだが、そうにはならず切りやすかった。
道具を出したついでに市内に暮らす弟のために外二八で600gを打つ。
こうして続いて打つと調子が出て来る。

それにしても、やはり篩は40目で留めておいた方がいいのかもしれない。ことに、自分だけで食べる蕎麦は30目でいいとしても、そうでない場合は40目とか60目。製粉所の粉に比べればこれでもまだ粗いのだけど。

そういえば、自作1枚目の小間板の枕の高さが2cmで、その後でもっと大きな2枚目を作ったのだったが、それは枕の高さが2,5cm。
たった5mmの差だが、2,5cmだとどうしても切り幅が広くなってしまう。
そこで、蕎麦打ち終了後、カンナで枕を削って同じ2cmに修正した。まだまだ切りが下手なので、今のところは2cmくらいがいちばんいい感じです。

そうそう、返しが終わってしまったので、早めに作っておかなければ。寒いし、これからは結構使うだろうから1,8ℓくらい作っておこう。

2011年12月22日木曜日

またまた、鶏なんばん

今日の夕食は、母親はばあさん仲間と外食、妻は低血圧でめまい吐き気ということで、ひとりさびしく(嘘々、ひとり楽しく)十割蕎麦で鴨なんばんならぬ、鶏なんばん。近所の家から時々、ダシ取り用の削ったカツオブシの袋を複数回いただいてたくさんあるので、しっかりとダシを取り、返しとあわせて味を調整し、下仁田ネギと鶏肉で温かい蕎麦にした。
ゆで立てだと温かくてもちゃんと蕎麦の味がしますので、おいしい。
妻には、お餅があったので寝たまま食べることが出来るように、焼いて海苔を巻いたのとインスタントのクリームスープを届けておきました。
おや、夜になったら治ったんですか。つくづく、夜型人間ですね。

2011年12月21日水曜日

2011年、極めて私的な回顧と反省

今年は私のソバ栽培歴でも記念すべき年だった。
昨年まではソバといえば当県農試が世に送った「信濃1号」を播種するのが当然だったが、今年は「信濃1号」の他に何と在来種を3種、計4種類のソバを4ヶ所に播種栽培した。
それはもうほとんど狂気の沙汰。
そしてようやく3種類の在来種を自分で石臼で碾いて、自分で打って、自分で茹でて、食べてみた。
その結果、どれもおいしいし、どれも微粉にすればつながりやすいが風味は弱くなり、粗碾きにすればつながりにくいが風味は強くなることが、うすうす判って来た。
となると、蕎麦の味の差が品種の差なのか、刈り取り時期や脱穀・乾燥・製粉の仕方の相違なのかが判別出来なくなって来てしまう。
それから、小粒であるがゆえにデンプン:タンパク比がタンパク寄りゆえに風味が強い在来種と、たとえばそれに対立する悪役としての改良種、その代表である「信濃1号」との風味の比較であるが、むしろ「信濃1号」には在来種の蕎麦を食べた時に感じる泥臭さは感じられず、むしろ洗練されてピュアな蕎麦の風味といったものを感じないでもない。ソバの風味ほどその感受が難しいものはない。
それにつけても思い出されるのは、旱魃でソバが大不作だった一昨年の「信濃1号」が、水回しの際に立ち上がる香りといい、茹で上げてざるの上から箸で手繰り上げた蕎麦から漂って来た「蕎麦の匂い」です。
蕎麦会の席で思わず蕎麦を摘んだ箸を持ったまま椅子から立ち上がり、「蕎麦の香りがする!」と叫んだ同級生M君。
そうそう、一昨年の蕎麦はほんとうに風味満点でした。と思えば「信濃1号」もまんざら捨てたものでもないような気がしてきます。
どうも蕎麦は品種だけではなく、その年の気候にも左右され、栽培の仕方、刈り取り時期、乾燥の仕方、製粉の仕方、蕎麦の打ち方などにも左右されるのですね。
ふう~、来年もがんばろうと思うのですが、来年はどのソバを播いたらいいんでしょう??

2011年12月20日火曜日

菜園の変わりもの、2種

もうすっかり片付いてしまって用事はないのだが、 通りがかりに自家菜園に寄ってみた。


すっかり枯れてしまったオヤマボクチのにぎやかな種たち。



そして緑茎系はすっかり凍み枯れてしまったのに、寒さに強いのか、未だに異様に元気な赤いルバーブ。

これから4月まではただただ凍みるだけで、ここに来る用事も野菜くずを捨てに来るほかには無く、運動不足が懸念されます。
今日はまたある程度まとまって芹が生えている場所も確認して来ました。25日頃に、年末年始用に必要なだけ採取しようと思っています。

2011年12月19日月曜日

石臼二題

先日、仕事であるお宅を訪ねた際に、先代の方が石材店を営んでおられたので、石臼の話題を出した。餅つき用の石臼はあったが、欲しいという人がいたので上げてしまったとのことで、碾き臼は無いという話だった。
そして私が、なかなか上下揃った石臼が無いと言うと、使わなくなった石臼を上下いっしょに置いておくのは縁起が良くないという言い伝えがあり、いっしょには置かない。そのためにやがてどちらかが行方不明になり、上下バラバラの石臼ばかりになるのだという。
ふうむ、初めて耳にする言い伝えですが、さて?

わが家の菩提寺がある場所はかつては安山岩の産地であって、その名残で今でも石材店が多いのだが、たまたま車でそれら石材店の前を通りかかると、墓石やら灯籠などの製品が陳列されている端や奥の方に、丸い円柱がいくつか置かれていることがある。材質は御影石やきめの細かい安山岩などと思うが、正確には判らない。
以前は気にも留めなかったが、石臼に興味を持ってから、その形が気にかかって仕方ない。
たとえばこの写真の2匹の蛙の台になっている石とか。



それから、この工場の軒下とか。ここは数が結構あります。


直径は目測だが30cmくらいから40cmくらいあり、高さも50cmとか60cmくらいある。それを眺めていると、正円の柱であるからそれを13cmとか15cmとかにスライスしてもらい、さらに下臼用に中心に2cmくらいの丸い穴をあけてもらえば、そのまま石臼を自作出来そうな気がしてくるのです。
ただし、どうもその円柱がどうも墓石の納骨する部分を円柱形にくりぬいたものであるような気がして、石材店のひとに少々声がかけにくいのですが、おそらく不用品であろうと思うので、一度、意を決して訊ねてみたいと思っています。

2011年12月18日日曜日

来年度どのソバを播くか

今年栽培したN在来を一度碾き割って、ソバ殻を篩って風で飛ばして98%くらい除去して、残った大割れ、小割れなどを手製の電動石臼で一回碾きをし、それを30目(約25メッシュ)の篩にかけたそば粉で、十割、水のみの加水で打ってみました。

写真が下手なせいか、こうして見るとあまりおいしそうに見えませんが、噛むと紛々と味、香り、甘みが広がって来て、小学生の頃に父の生家に行ってはご馳走になった蕎麦の味を思い出しました。
粗碾きはすすっても噛んでもおいしい蕎麦ですが、もう少し細くきれいに切れたら、すすっただけでも蕎麦の風味が口の中駆けめぐることでしょう。
夏から秋の間、汗と埃にまみれて傍目にはバカかと思えるような苦労をしましたが、いやいや、今夜はしあわせです。


あ、接写してみたら、結構白い粒々が見えますね。なるほど、この粒々な感じが30目(24メッシュ)以内。よく目に焼きつけておきます。

蕎麦打ちは下手なので、先ずはこれくらいの粗碾きで練習を続けてみます。
ちなみに、この粉1kgを60目の篩にかけてみたら、60目より粗い粒は180g残りました。つまり60目から30目までの間の粒子が全体の18%ということですが、これが、多いのか、まだ少ないのかは粗碾き蕎麦初心者なので判りません。
やはり、粗碾きが混じると加水量が多くなり、どうしても固めになってしまい、苦戦しました。もうちょっと薄く、細く切りたかったのですが、固くて薄く伸せませんでした。そのためか、蕎麦自体もやや固めでした。もう少し柔らかく、それでいてコシがあるように打たなくてはいけません。加水収量の時点では適正な吸水だと判断しても、少しこねている間、それからまとめあがった時点で意外と固くなってしまいました。喩えはよくありませんが、急に態度が冷たくなった女性みたいな感じ? ^_^; 次回はもう少し柔らかめにしてみよう。
あるいは、ズル玉気味に加水して、ひとつにまとまったらビニール袋に入れて数分くらいおいて粗い粒への水の浸透を待ち、それから練りに入った方がいいかもしれません。十割は捏ねないといいますが、ほんとうに捏ねるというより練るという感じでよさそうです。力を入れて捏ねなくてもまとまって来て艶も出てきます。

とにかく、この冬の間に回数を打って粗碾き蕎麦のこつを身につけなければ。
粉は十分すぎるほどあります。

道具を出したついでに、これからT在来とK在来も300gずつ、打ってみます。こちらは60目で篩ってしまったので、もう少し楽に打てると思います。
自分で茹でて自分で食べるというのは、じっくり食べ比べすることができずタイヘンです。
いずれにしても、打ち比べして、食べ比べして、それで来年度どのソバを播くか決まりますので緊張します。





引き続いて、T在来・碾き割後電動石臼にて2回碾き・60目で篩ったそば粉を300g。加水率50%でかなりのズル玉になったが、伸しやすい。
やはり、微粉に近いほど加水は少なくなり、粗いほど多くなるんですね。

さらに、K在来・少量なのでいきなり玄ソバのまま電動石臼(1分間15回転)で2回碾き、40目で篩ったそば粉を300g。加水率56,66%でも延しに入ったら固くて慎重に延すが、あまり薄くはならず。

左・T在来60目(48メッシュ)   右・K在来玄碾き40目(32メッシュ)

T在来60目

K在来、玄碾き40目

食べた感想は、T在来は苦味・えぐみが強いというデータを見て期待していたのだが、その割りに平凡というか、決して不味い訳ではないがおとなしい。これは多分、60目で篩ったのとひき割りも含めると3回製粉機と石臼を通っているため風味が落ちたのかもしれない。
K在来は玄碾きのせいでそば殻が目立つが、在来種のソバの花の蜜の匂いを思い起こさせるような独特の臭みを一瞬だけ感じた(幻想というか幻臭?)。噛むと味と香りは結構ある。
結局、本日強行して3種も打ったなかで、最初の碾き割り後1回石臼を通して30目で篩ったN在来がいちばんうまかった。
と考えていて、うまかった順番は30目、40目、60目と粗い方がおいしいという結果になってしまっているのに気がつきました。
粗碾きで、しかも出来るだけ石臼を碾き割後1回通すだけの方がおいしい、という感想。

2011年12月17日土曜日

今日碾いたそば粉

製粉の道具を倉庫内に広げてしまったついでに、自分のN在来も20kg碾いておくことにした。そうすれば3月頃まで好きなだけ蕎麦が打てる。
製粉機で割れを作り、ハナ粉を篩い、そば殻を排除してから、自作電動石臼で一回碾きをめざした。ただし、いつもの60目(約48メッシュ)ではなく、もう少し粗い篩いでなければ一回碾きはとても無理なので、石臼のホッパーいっぱいにすると一時間は自動運転していてくれるので、その間に篩を買いに走った。めざす篩の棚の前に立つと、尺二寸(36cm)の40目、30目が並んでいた。すでに尺二寸の100目、80目、60目、17目と、七寸(21cm)の40目、60目、100目を持っているので、40目も30目も欲しいと思ったが、一度に二つ買うのもためらわれ、悩んだ末に30目を購入。30目で篩ってうまくつながらなかったら二八にすればつながるだろうし、それから40目を買ってもいい。
ということで、30目を買って帰宅。早速、石臼で碾けたものを30目で振るってみた。すると、ほとんどが篩いを通って落ちて行き、篩上に残っているのはそば殻少々と紙のようにペラペラになった甘皮が少々残るだけで、これはもう捨てればいい。60目、80目になれば手で篩うのはかなり困難で、そのために電動篩い機まで作ったのだったが、30目だと尺二寸を径の合うプラスティック桶の中に嵌め込んで両手で揺するだけで、さあーっと篩い落ちてしまい、電動篩い機は不要である。
これまで、そば粉が粗いとつながらないという先入観のために80目や60目で篩うことしか考えていなかったが、なーんだ、30目でも十分いいそば粉になるじゃありませんか。目からウロコが落ちました。
昨日の依頼された製粉のように、一番粉、二番粉、三番粉などと3回も碾くよりは、やはり一回で碾いた方が粉に加わるストレスが少なくていいに決まっている。

ということで、割れを作った後の本碾きは1回で済むことになり、ほぼ狙い通りになった。指先で粉を摘んで舌の上に載せてみると、おおおおおおお、やはり製粉の仕方でこんなに違ってくるのかと驚いた。すごい風味です。微粉から30目ぎりぎりの粒まで結構粒度の分布は広い感じで、手で握ってみてもそう砂のようなざらざらした感じはしないで、しっとりしている。
今日碾いたそば粉はかなり期待して良さそうです。

だとすれば、あまりソバの種類にこだわらなくても、製粉の仕方を工夫する方がよいのだろうか。いやいや、品種の選定や刈り取り、脱穀、乾燥まで含めた耕種もおろそかには出来ないし、玄ソバの管理保管や製粉、蕎麦打ち、どれもベストな方法を探して行って、総合的に、ほんとうにおいしい蕎麦をめざすべきだろう(なんちゃって)。

2011年12月16日金曜日

利き蕎麦ならぬ、利きソバ粉

午前中、仕事で出かけている間に、Tさんの知人でやはり蕎麦を打つYさんから電話があったといい、電話番号が書かれていたので、こちらから電話してみた。Tさんから事前に話はあったが、ソバを製粉してほしいということだった。毎年製粉を依頼している製粉会社が、小口の製粉を交換方式にしたり、量が少ない場合は割高になるように改悪されたので、それを嫌ってのことだった。
玄ソバが37~38kgくらいあるというが、素人が空いた時間に製粉するには20kg以内がいいのでその旨伝えると、とりあえず1袋、18kgを軽トラに載せて持って来た。
それで、午後になってとりあえず磨きだけしておこうかと循環式精米機にかけたが、磨きあがってピカピカ光っているはずの玄ソバの顔色がはなはだよろしくない。異様に光が鈍く精彩を欠いているのである。
ひょっとするとこれは、今年収穫されたソバではないのではないか、とピンと来た。
そのまま碾き割って、ハナ粉を篩い出しておいて、それから唐箕にかけてそば殻と割れを分離。続けて製粉機にかけて一番粉を採ってみた。一番粉はもともとサラサラきしきししているので良く判らないが、どうもかなり乾燥している模様。
(こういう時に水分計があればいいのだが、来年以降、余裕があったら買い揃えたい)
それから一番粉を採った残りを電動石臼にかけたが、ホッパーいっぱいにして一時間くらいは自動運転させておいて、補給と篩いをつづけながら碾きつづけ、先ほどようやく碾き終えた。二番粉を指先で摘んで舌の上に載せてみた。やはり水分が少なすぎて、口の中の水分が粉に奪われてしまい、ソバの風味が薄い。
三番粉を碾きはじめ、また指先に摘んで舌の上に載せてみた。ようやくナッツのような風味が感じられたが、それにしても口の中の水分が奪われて、それから風味が立ち現れるので妙なタイムラグがあり、今年のソバの甘皮に比べれば風味は6割くらいかもしれない。
私が自分でそば粉を碾いていて、いちばん楽しいのが、この三番粉、つまり甘皮の部分の芬芬たるナッツのような味と香りをこうしてそのまま味わう瞬間だ。
そうそう、自分で粉にしてみないと、一番粉、二番粉、三番粉の違いなんて判らないだろうけど、これ、結構大事なことかもしれない。いわば、利き蕎麦ならぬ、利きソバ粉である。

それにしても、これは間違いなく「昨年の玄ソバ」、あるいは間違っても「乾燥過度な玄ソバ」であろう。
Yさん、なぜ、「昨年の玄ソバです」と言わずに置いて行ったのだろう。隠したって判りますよw。
とはいえ、こういうそば粉はどんな蕎麦になるのだろう? 
ちょっと結果を知りたくないような、知りたいような。

2011年12月14日水曜日

先ずは40目くらいで

年末年始を控えて少し倉庫の中を整理する必要があったので、並行して石臼でK在来を玄ソバで550g碾いた。採種用で1800gしか収穫できなかったので、これくらいしか粉に出来ない。ほんとうに試食用である。
量が少ない上に超小粒で碾き割りするのも面倒なので、直接、玄から碾いた。殻取り以外の精選用の篩を40目しか使わなかった。そのせいかホシというか皮の砕けたものがいつもより多い(脱皮機というもの、何とか自作できないだろうか……ウァーン・゚・(ノД`)ヽ(゚Д゚ )アホ~
やはり碾き割りしてそば殻を排除してから石臼にかける方が良い。

一回ではうまく篩う自信がなく、二回碾いて395gの粉が取れた。歩留まりの多いソバ粉、嫌いではないが、歩留まりは71,18%でちょっと多すぎ。

40目だと30メッシュを少し越えているはずだが、砂のような感じはするものの超粗碾きという感じではない。やはり30目(24メッシュ)の篩も欲しい。大量に製粉する時には使わないで、自分用に粗く碾く時だけ必要なので、安く小さい7寸(21cm)の篩でいい。
ひょっとすると殻取り用の20目(16メッシュ)でもいいのかな? 水さえ吸わせればいけるようなきもするのだが、前回は見事に失敗した。
まあ、先ずは40目くらいで修行してからです。

2011年12月13日火曜日

大いに迷う

晴れていたので、来年度の種を選別するためにN在来を塩水選してみた。
それでもルーペで観察するとその形状も均一ではなく、大きいの小さいの、尖ったの丸みを帯びているもの、こんなに変化に富んでいるものかと驚いてしまう。これではまた手で選別しなければダメじゃないかと思える。
それから、手早くと思ったが結構吸水してしまうもので、だいぶ膨らんでしまったように見える。また何日か天日乾燥しなければならない。

しかし、こんな雑な選別方法ではダメかもしれない。むしろ、50粒とか100粒くらい、形質の似た種を拾い出し、それを食用とは別の場所に隔離して栽培する方法の方が良いのかもしれない。
と同時に、そういう作為無しで雑多な形質のまま作り続けてゆくのもひとつの考えだし、と大いに迷う。
第一、まだT在来とK在来を蕎麦にして食べてみてないのだから、ほんとうは来年度の主力がどれなのかさえ決まっていない。

2011年12月12日月曜日

もっと粗めに碾いてもつながる?

どうやら凍っていた土が融けたらしいので、午後、Tさんのトラクターを借り出して、N在来を栽培した花園1,2,3号地をもう一度耕した。11月下旬に一度耕したが、毎週末に雨が降るような秋だったので土の水分が十分すぎて雑草が枯れなくて青々と復活再生していた。このままにしておくと春の早い段階から雑草が勢い良くなりそうなので、もう一度耕して越年しそうな雑草を根絶しておくのが目的。
これで来年春までトラクターを借りることはないので、Tさんにお礼をしなければ。

それから来年度のために数箇所、蕎麦栽培の適地を探したが、標高の高い高冷地はレタス、キャベツなどの結球野菜の栽培が盛んで残留チッソが多く、ソバが徒長、倒伏しそうでOUT、また山奥の耕作放棄地はソバ栽培地としてのロケーションはいいのだが、鹿とイノシシが多くてOUT。イノシシはともかく、鹿は収穫間際に集団でやって来て、ソバの実をバリバリ食べてしまうので、落ち着いてソバを栽培できない。結局、案外、市街地に近い耕作放棄地が候補地に上がってくることになるが、ソバ畑として周囲のロケーションは悪くなる。ロケーションでソバを栽培するのではないから、ある程度は仕方ないか。

蕎麦を知人宅に届けるために一週間の間に2回ほど続けてN在来で蕎麦を打ったが、やはりこれまでの信濃1号よりずっと強い粘りを感じる。
ということは、自分用のそば粉は「もっと粗めに碾いてもつながる」ということではないか。
この冬は、粗碾きの粉を碾いて打つ研究をしてみよう。

2011年12月10日土曜日

寒!


今朝7時過ぎの浅間山です。


この寒さが影響した訳ではないだろうが、今日の午後になって「ネットワークケーブルが接続されていません」と表示されて、インターネットに接続できなくなった。
LANケーブルがLANポートにきちんと差し込まれているにもかかわらずである。
しかも妻のパソコンや私の古いデスクトップはちゃんとつながっているので、このパソコンにだけ問題があることということです。
LANケーブルのどこかが断線したかと、別の二本のLANケーブルにも差し替えてみたがつながらない。どうもLANポート自体に不具合が生じているらしい。
再起動やら、静電気の排除など、いろいろ試したがダメだった。
仕方なく、USB・LANアダプタというものを購入して来た。一方がUSB、他方がLANポートという形のアダプタで価格1980円。
一応、CD-Rでソフトをインストールしてこのアダプタをハードとして認識させ、さっそくLANケーブルをUSBポートから接続した。
おお、ネットにつながりました。
また、このXPパソコンが生き延びました、(^_^.)

2011年12月8日木曜日

この固く気泡の多い石で

昨日、神保町の古書店より届いた、みわしげお著「石臼の謎」という本を先ほどまで読んでいて、読了した。
この本はまず1975年に初版、1977年に新装版、そして1994年に版元の名が変わって「増補 石臼の謎」として発行されている。たまたま私が入手したのは1977年の新装版である。Amazonのマーケットプレイスに5冊出品されているうちの1冊は1977年版の増補であるらしいが8000円である。出来れば増補の方が欲しかったが、神保町の古書店のは2500円であったので価格に負けた。
ただし、一応これだけの知識を得ておけば今後の石臼捜索や目立ての際には大いに役立つ。
そろそろ放置したままの33cmの石臼のすり合わせ作業も再開したいとも考えているので。
それにしても今日も用あって妻の実家に行ったが、↓この33cmの下臼の相手である上臼、どこかに無いかな。



この地元の安原石よりずっと固く気泡の多い、どこ産か判らない石臼でソバを碾いてみたいのですが、相手の上臼が無いことにはどうも。
別の臼でと加工を始めたのですが、すり合わせとふくみの調整が、難しくて放置していました。

2011年12月6日火曜日

過度の期待はしない


一昨日ネットで注文した本が、本日配達された。あるいは新本ではこの一冊が最後かもしれない。定価1260円だが、古書がすでに1980円と2890円。

早速読み始めたが、どこか理系のひとの文章は読みにくい。
もう一冊、明日にも同じ著者の本が届くはずだが、必ずしも私が知りたいことが書かれているとは限らないので、過度の期待はしないようにしておこう。
やはり自分で試行錯誤してゆくほかないのだろう。

2011年12月4日日曜日

これでいいのかな

朝のうちにN商事のIさんに約束していた蕎麦を1kg打った。午後3時に受け取りに来る約束だが、他の作業のため、早めに片付けた。
その後、一昨夜パンクしたままずっと放置してあったタイヤを外し、そのついでに、3台のタイヤをすべてノーマルからスタッドレスに交換。空気圧を調整するためにコンプレッサーを出したので、そのまたついでに自作の電動石臼とか電動篩い機とか、製粉関係の道具をエアで掃除。篩なども洗うと厄介なのでエアで吹き飛ばしておく。しかし、エアコンプレッサーでの掃除はただ吹き飛ばすだけなので、自分や周囲の物に粉が舞い散って、これでいいのかな、(ーー;)

石臼に関する本を探していたが、なかなか見つからず、たまたま見つかると7000円、8000円といった価格で手も足も出ない。
その上、古書しか無いと思っていたある本がショッピングサイトに新本の在庫があって、そんなはずはないとは思ったがオーダーをぶつけてみたら、案の定、数日してから在庫がありませんというメールが入った。めげずに他のサイトを検索したら、また新本の在庫ありの常時があって、しつこい性格なのでまたオーダーしてみた。すると今日、「ご注文いただいた商品が、予定より早くお届けできることになりましたのでお知らせいたします」というメールが着信。まさか!! 本当にそうだったらうれしいのだけど、さて???

2011年12月3日土曜日

昨夜の反省、今年の反省

昨夜の蕎麦会は、女性二人男性四人だったが、1,2kg打って(一人前を家に残して)生舟に入れて行った蕎麦をすべて食べ終えたので、まずまずほっとした。
アルコール無しの清く正しい蕎麦会でした。それでは盛り上がりに欠けるかな思っていましたが、猛烈な寒さだったので熱い冬瓜のあんかけが好評だったし、蕎麦を中心に会話も弾み、まずまず楽しい蕎麦会になりました。
ただし、勝手知らない他人の家のキッチンなので、大きな鍋があると聞いていたのにそれほど大きくも無く、うちのガス台は火力が強いと言っていたのに、いざ点火してみたら我が家のガスレンジより弱くてなかなか沸騰してこないのには参りました。かといって一人前ずつ6回茹でるのも面倒なので2人前ずつ茹でましたが、ちょっと苦しかった。
しかも茹でてみると思ったより麺が太かった。いちばん太いのはどうも2mm近くあったのではないか。
いつまで経っても切るのが下手のままなのは、本職のように毎日切っていないから仕方ないかもしれませんが、やはり1,3mmくらいの、太すぎず細すぎない蕎麦をつるっと口の中に入れたいです。
やや太いのが玉に瑕でしたが、のど越し、コシ、も先ず先ずで、風味もまあ欲を言えばきりがないというか、あまり風味を求めると苦味やえぐみも生じてしまうので、まあ、こんなものでしょう。10月2日だか3日の寒気でソバの葉が部分的に凍みたことがあったので、今年の蕎麦に特上の風味を求めるつもりはありませんが。
どうも旱魃で不作だった一昨年の蕎麦の方が風味が強くておいしかったような気がします。実(種)を付ける作物というのは、素人考えですが、ひょっとすると実入りの頃には栄養状態が100/100ではなく、むしろ70/100くらいの方がいいのかもしれない。ソバというのは無限花序で栄養成長と生殖成長をある期間並行して行っていますが、末期にはやや栄養が切れて赤すねになる方が生殖成長に傾いて、充実した種子を残すことに集中できるのではないか。ふふ、ソバたちから見れば、人間の勝手な考えでありますが、そういえば、トマトなども水分や栄養分を抑制した方が甘く味のあるトマトになるということだし。

二十時頃に解散となったが、車に乗って走り始めてすぐに右後輪のタイヤがパンクしているのに気づいた。気づいたが、気温が零度近くまで低下していて寒いので、そのままそっとずるずる家まで走らせて帰宅。タイヤはの処置は翌日ということで、そのまま家に入り、そして眠った。
そして今朝、目覚めたら何と舌の先に口内炎が出来ていて、朝食を食べても痛い、喋っても痛い
。何だ、ひとにソバをご馳走してそのお返しが口内炎とは神様もひどいじゃないですか。
そういえば「試して合点」とかいう番組で口内炎には塗り薬より嗽薬が効くというのを見た記憶があったので、嗽薬で嗽をし、口の中を漱いでみた。すると、ほんとうに効いて痛みも薄くなり、赤味も薄くなって来た。よかった、喋っても大丈夫。

2011年12月1日木曜日

いよいよ、下手の蕎麦好き

夕方、明日の蕎麦会の段取りの打ち合わせのためTさん宅へ。話しながら窓の外を見ているとちらちら雪(霙)が舞っていた。天気予報に当地域深夜に雪ダルマのマークがあった。まだノーマルタイヤなので困ります。
自分でも蕎麦を打つといっていたTさんだが、結局その気は無さそうで私が1kgほど打つことになった。辛汁も私ということになったが、返しを作ってあるので出汁をとるだけ。Tさんは相変わらず「てんぷら」と言っているが、私は冷たいざる蕎麦にてんぷらは不要。
お酒無しの蕎麦会にてんぷらだけじゃあまりにさびしいので、ふと物置に冬瓜が一個転がっているのを思い出し、冬瓜のあんかけ・柚子風味を作っていこうと思った。いい干しえびが無いのでひき肉のそぼろあんかけ。
蕎麦はTさんが二八党だし、他の客に蕎麦にうるさい人もいないようだし、ひとの家のキッチンで十割を茹でて失敗するのも嫌なので、当然二八とする。信濃1号は製粉したものはすべてひとに上げてしまったので、自分用のN在来。

そういえば、しばらく前に16目で篩ったかなり粗いのが混じった十割を試みてみごとに玉砕したが、あんな感じの粗碾きを二八で打ってみたら結構いけるかもしれないと、ふと思った。
早く、試してみたいが、そのためにはまた石臼で少量を碾かなくてはならない。日曜日、仕事は休みだが、Iさんにも二八蕎麦を打ってあげることになっているので、どうか。