しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2011年9月18日日曜日

ソバに肥料はいらない?

長友大著「蕎麦考」(柴田書店・1976年)を夢中で読んでいる。「ソバの科学」(新潮選書・昭和59年)と重複している部分もあるが、二度読んでも刺激的な考察がいっぱいで深夜まで興奮状態が止まらない。
第7章「そばの栄養と調理」に(4)そばの灰分にも興味深い叙述があった。
殻つきのそばの実の灰分は2,74%、殻を剥いだ(つまり「むきみ」)の状態では灰分が2,13%。この差は別段どうということはないのだが、次の記述、
「灰分の組成、つまり、灰分中にもっとも多いのはリン酸で全体の48%を含み、リン酸が約半分を占め、カリは25%でこれについで多く、残りの半分を占めている。ついでマグネシウム、ナトリウム、カルシウム、塩素、酸化鉄、硫黄の順となっている。
この、下線を引いた部分に目が釘付けになった。
実は私も今年度は無肥料ではなく、リン酸とカリ、マグネシウムを含むものを混合して、播種鎮圧後の畝に撒いたのだった。
私は類推でそうしたのだったが、このデータはその裏づけをしてくれている。
ソバに肥料はいらないという言い方はやはり正確ではないのだ。確かにチッソは不要か少量でいいが、少なくとも、タンパク質やでんぷんの豊富なそば粉を得るためには、他のリン酸、カリ、マグネシウム(苦土)などは必要なのである。痩せ地で無肥料栽培で栽培したのでは痩せた秕(シイナ)ばかりで唐箕から飛び出してしまう。
私は三角の実がたんぱくやでんぷんで丸くなってはじけそうな、そういうソバを栽培したいのです。

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