しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2012年2月29日水曜日

またまた怪しい類推、蕎麦のPS比

CN比という言葉がある。これは植物体に含まれる炭素/窒素の比率を言う。炭素率とも言う。具体的に例をあげれば、レタスやキャベツなどの葉物野菜はCN比(炭素率)が低い。炭素より窒素が多く、腐るのが早い。他方、葦の茎などはCN比(炭素率)が高い。つまり、繊維質の多いものほど炭素率が高くで腐るのに時間がかかし、繊維質が少ないものほど腐るのが早い。堆肥などを作る時に、野菜くずでは早く腐るが腐植が少ないので堆肥として残る部分が少ない。また葦などは繊維質が多く、炭素が多いのでなかなか腐らないが、腐植部分は多いので、堆肥として土の隙間を作ったりして団粒化を促進するので、根の張りが良くなり、生育が良くなる。
(余談だが、もっと炭素率の高い木材などは粉砕して堆肥作りの際に混ぜたとしても非常に腐りにくい。だから木材はむしろ窯で蒸し焼きにして炭にする方が理に適っている。楢などを焼いた炭よりも備長炭が硬く火力が強いのも、備長炭の原料であるウバメガシの方が楢より炭素率がずっと高いからである)

同じように、ソバの実は内層にデンプン(Starch)、外層にタンパク質(Protein)を多く含んでいる。
デンプンが多いそば粉は、たとえば更科粉のようにコシや喉越し、甘味はあっても香りや蕎麦の味は薄くなる。またタンパク質が多いそば粉は粘りがあり、香り、蕎麦の味は濃いが、うまく打たないともちもちし過ぎたり、下手をすると歯ぬかりする蕎麦になりかねない。
ということで、やはり、タンパク質(Protein)とデンプン(Starch)との理想的な比率があるのではないか。
それが、PS比(Protein/Starch)。
在来種や小粒のソバは、小粒な分だけ内層のデンプンが少なめなのでPS比(タンパク率)が大粒種より高くなり、それで風味が強く感じられる。
ということは、たとえば信濃1号や常陸秋そばのような大粒種であっても、外層粉と内層粉の比率を調整すれば風味を強めに出来るのではないか?
とはいえ、一番粉、二番粉、三番粉という風に碾き分けないで、石臼で一回で碾いてしまう場合などは比率の調整はむずかしい。
しかも、同じ甘皮のタンパク質(Protein)であっても、あまりにきりきり碾いて微粉にしてしまうと風味は寝ぼけた感じになって、薄くなる。むしろざっと粗く碾いた方が香りも味も鮮明にくっきりクリアになる。微粉の甘皮は香り成分をどんどん揮発してしまうが、粗碾きは香りと味がある大きさで固まったまま温存されているので風味が強くなるのである。
ただし、粗碾きになればなるほどつながりにくくなるし、噛んで風味が横溢するようになり、ろくに噛まずにつるつるっと喉越しを楽しむ江戸っ子の蕎麦とは対極の蕎麦になってしまう。
その両方を生かせる蕎麦って打てないでしょうか?
案外、超粗碾きを二八か一九、あるいは十一で打つとバランスがとれたりして。
(何とも怪しい類推……汗々……ただの独り言にすぎませんのでスルーして下さい)

2012年2月27日月曜日

延命策

ある伝票入力ソフトをダウンロードし、インストールしようとしたら、すでにインストールされている販売管理ソフトや会計ソフトといっしょにインストールされたらしいデータベースが競合してしまって、インストールできないことが判明。
しかたなく妻のノートPCに入れようとしたら、安く買った古いパソコンなのでメモリが不足でインストールできません、と。
それじゃ諦めるかと思ったが、メモリの増設という手もあると思い、検索した。適合するメモリがあった。メーカー直販価格が一万円ちょっと越えているものが、三千数百円・送料無料。
ということで即刻オーダー。これで動きが遅くていらいらしていた妻も少しはストレスが軽くなるだろうし、パソコンの延命策にもなる。

2012年2月26日日曜日

自分の勘で測って近づいてゆく

製粉の仕方について再考させられ、目からうろこが何枚も落ちる事態が発生した。
これまで、粗碾きでなく微粉であっても、ある程度甘皮を碾きこめば風味のある蕎麦になると甘く考えていたのだが、どうもそうではないらしい。
つまり、蕎麦の風味、ことに香りは一種の揮発性のエーテルのようなものであるから、微粉にすればするほど、製粉した時点から香り成分は揮発して失われてしまう。
(だからこそ、「碾きたて」が重要視されて来たのだった!!)
(そういえば、蕎麦を栽培した一年目に製粉会社に製粉を委託で出して戻ってきたそば粉が、妙に色が白くて粒子が細かくて、蕎麦打ち未熟な自分でもあっさり十割でつながったのだけど、何とも風味の薄い蕎麦で、一瞬中国産のそば粉とすり替えられたかと思ったくらいだったし、それで「これではどんなに苦心してソバを栽培しても、製粉も自分でしなければ意味が無い」と考え、自家製粉というドン・キ・ホーテ的行動に突っ走ったのだった)
他方、粗碾きはといえば、内層のデンプン質はあっさり微粉になってしまうが、風味成分の多い外層の甘皮部分は細かくなりにくい。そのために風味成分は粗い粒子のなかに封じ込められ、温存されているのだ。
だから、粗碾きのそば粉で打たれた蕎麦は味も香りもくっきりと濃くなる。
そう思い至れば、現在、最前衛を走っているプロ・アマの打ち手がこぞって「粗碾き」にこだわるのも十分どころか十二分に腑に落ちる。

などと類推しながら、ここ数日、石臼に関する本を再読するのと超粗碾きのそば粉の打ち方についての検索を続けた。
すると40目のふるいが欲しくなった。前回30目を買った時に40目にするか30目にするか迷った挙句に30目にしたのだったが、やはり40目も必要な気がする。40目は径の小さいものは自家製粉を始めた時に購入してあることはあるのだが、これは蕎麦を打つ前にソバ粉を篩うために使っていて、製粉にはやはりもっと径の大きいものが必要。近いうちに40目の尺二寸を買って来よう。

現有のふるいは、100目、80目、60目、40目(8寸)、30目だが、今になって判ったことは、100目、80目のような細かいふるいは不要だったということ。
石臼で碾くと細かいのから粗いのまで分布が広いので、細かいふるいで篩うのは意味が無いというか、そば粉は粒子が細かければ細かいほど風味が薄くなるということが身にしみて体感出来た。

理想は、先に雑味や色黒の原因であるそば殻を徹底的に排除しておいて、それから石臼にかける。それをふるいにかけて、二度碾き、三度碾きしなくて済むような、石臼一回碾きのそば粉。それも粗くても30目のふるいにかける必要がない程度に。
実にアバウトな出来の石臼であるし、理科系ではないから正確な投入量の制御は不可能で、となるとそれは自分の勘で測って近づいてゆくほかないのだけれど。

2012年2月25日土曜日

種自体は固定種

ひょんな場所からカボチャの種が出て来た。昨年の初秋にさるツアーで行った農家のおじさんから一本ずついただいた灰緑色の、丸くなく長いカボチャの種。食べた時においしかったので種を洗って乾燥させて封筒に入れておいた。
今年、これを播いて栽培してみようと思う。ネットで検索すると宿儺かぼちゃ、飛騨かぼちゃ、丹生川かぼちゃなどと形質がそっくり。「宿儺かぼちゃ」と「飛騨かぼちゃ」は商標登録されているらしいが、種自体は固定種で種苗登録はされていないのか、どうか。
著作権とおんなじで自分で個人的に栽培して食べる分には問題ないだろう。

2012年2月23日木曜日

今日はなんだか

凹むことばかり。石臼は入手し損ねるし、ある方に上げたそば粉も誰にどんな風に打たれ、どんな風にゆでられたのか、ずいぶん無残な結果だったらしい。一種の討ち死にである。
やはりよそに出すのはやめておこう。十年早い。

めげずに、夕食用に自分だけの蕎麦を打つ。同じ在来種の60目と30目をどちらも十割で打ち、食べ比べ。
60目の方は楽に打てて細く切れたが、30目の方は優しく延していってもやや厚めで太めに仕上がり、なおかつ10cm、15cmくらいのものが多い。
ただし汁につけずに食べてみると、30目は噛むたびに蕎麦の味が噴出するが、60目はおとなしいというか、マイルド。
味が濃いのはいいが、問題点は30目の食感。30目をもっと薄く延して細く切れたらいいのだけど。それか、もうちょっと甘皮をセーブするような碾き方をする?
総合点からいうとどうも二八の方がバランスがいいような気がしてしまうが、次回は30目を用いて1:9か1:10で試してみよう。

2012年2月22日水曜日

原始的製粉装置

007シリーズ6作目のDr`No(いいえ博士=否定博士?)とか、何とか博士の異常な情熱とか、何事かに集中している人間は尋常の閾値をあっさり超えてしまって、常人の目には狂人としか認識されないかもしれません。

石臼をもうひとつほしいと思っています。
電動化した直径30cmの安原石の石臼はともかく、祖父の時代から極貧だったわが家伝来のおんぼろ石臼と、妻の実家から拉致してきた、気泡が多いにもかかわらず安原石よりも硬い33cmの下臼と、私にソバを栽培してみようと決断させたTさんの庭で岩松の盆栽の台に成り下がっていた33cmの、明らかに安原石と判る下臼と、都合三組の石臼があるのですが、もうひとつ石臼がほしいのです。
ほんとうは電動化した30cmは手碾き用にして、電動臼はもっと直径が大きくて、安山岩というより溶岩といっていくらい火山ガスが抜けた気泡がびっしりな石を素材にした臼が欲しいのです。
私が石臼の素材として花崗岩とか御影石といった深成岩ではなく安山岩あるいは溶岩に求めたり、新品ではなく江戸から戦前までに作られたものにこだわるのは、緻密さよりもむしろざらついてドレッシングする必要がない石の粗さを求めているからです。火山岩のザラザラした間隙をくぐりぬけてこそ、植物学的には穀物の範疇にも入らず、一種の雑草の種としか言いようの無い玄ソバが、日本人が愛してやまない蕎麦に変容するのです。
それも効率的なロール式や金臼式の製粉機ではなく、一時間に1kgしか碾けない、何とも悠長で時代の尻尾にもついていけないような原始的製粉装置である石臼によって。

2012年2月21日火曜日

打ち粉も自家製

15日に書いた、「冷凍庫の真空パック袋入りだが古いそば粉」を開封して粉をなめてみたら、変な味も異臭もしない。そこで、ふるって打ち粉の代わりにするという案を実行してみた。
特に市販の打ち粉は使わず、友(共?)粉というか、そば粉を打ち粉として使っているひともいるらしいが、そのままではやや粗いので60目でふるってみた。
篩の上に残った粗いものの半分は石臼で碾き、蕎麦打ちの際に少し混ぜてみるつもり。残りの半分はそばがき用、粗碾き用に使うことにして、粗いまま再度ガスバリア袋に封入した。
そしてその打ち粉代わりの粉を打ち粉にして、蕎麦を打ってみた。市販の打ち粉よりも麺体へなじんでしまう感じがしたが、使用感が悪いというほどではない。
ところがである、蕎麦を茹でて食べてからいつものように残った汁に蕎麦湯を注いで飲んで驚いた。うまい。蕎麦のあじが実に濃厚でおいしいのです。市販の打ち粉ではこんな風に濃い風味を感じたことがありません。そういえば、昔の蕎麦湯はこうでした!!
(市販の打ち粉はどうしてあんなに無味なんでしょう)
ということで、今年からは市販の打ち粉を使うのはやめて、打ち粉も自家製にすることにしました。要するに蕎麦打ち用よりもさらに微粉にすればいいのです。

2012年2月20日月曜日

柔らかい、硬い、ふわふわ、サラサラ

近所の蕎麦好きなお兄さんにうっかり石臼の話をしたら、地元の安原石(安山岩)の石臼なんか柔らかくて石の粉がそば粉に混じってしまうと笑われた。いくら柔らかい安山岩でも、一定時間空碾きでも続けない限り、物入れにソバが落ちている間は石の粉など碾きはしない。
石臼についていろいろ検索、勉強してみると、一方には硬い花崗岩、御影石製の石臼があり、その対極には溶岩やその一種である安山岩から作られた石臼が存在する。
硬く緻密な石 vs 柔らかく気泡の多い溶岩やその一種である安山岩。
そのどちらがソバ粉の製粉に向いているか? そこが良く判らない。緻密で硬い深成岩などより、多少柔らかくても気泡が多くてゴツゴツしている石の方がタタキやビシャンで叩いて粗面にする手間が省けていいのではないかと思いもする。ザラザラした石の面の方が玄碾きであれば皮の剥けもいいだろうし、粉にもなりやすいのではないか。しかも多孔質で気泡が多いので熱が上がりにくい。ただし、石臼としての見てくれは無骨で花崗岩や御影石の石臼のように洗練された感じはしない。

ということで、蟻巣石という過去に山梨県で産出したらしい、その名の通り細かい気泡の多い石で作られた石臼がいいといわれているが、ネットで検索する限りでは蟻巣石が山梨県のどこで採掘され、どんな石なのか、まったく姿が見えてこない。
あちこちの蕎麦店で蟻巣石の石臼を使って製粉しているという情報はあるが、どうもこれがほんとうの蟻巣石かと納得出来るような石臼が、通常の検索でも画像検索でも浮かび上がって来ない。山梨県産ではなく、新蟻巣石と称されているものばかりのような気がする。どうも気泡が小さすぎるような気がするのだが、あれが蟻巣石なのか。
ネットで検索しても埒があかないので、図書館に行って調べてみることにします。

そういえば、昨年、石臼で手碾きしているプロの方の蕎麦をいただく機会に恵まれたので、「石臼で碾いたそば粉はふわふわしていますよね」と言ったら、怪訝な顔をされた。
そのプロの方は石臼で碾いたそば粉しか知らず、ロール式や金臼式の製粉機で製粉されたそば粉を知らないから比較のしようがなかったのかもしれませんが、ほんとうに石臼で碾いたそば粉はふわふわしているのです。ロール式や金臼式の製粉機を通過したそば粉はサラサラしていますが、石臼で上手に碾かれたそば粉は粗いのや細かいのが繊維のように入り混じっている上に、空気も含んでいて、それでふわふわしているのです。
それを握るとぎゅっと締まって形が崩れない。
そういうそば粉に私はなりたい。あ、間違えました(宮澤賢治じゃあるまいし)。
そういうそば粉を私は碾きたい。
安山岩にしては硬く、なおかつ細かい気泡がびっしりで、面がザラザラしている石臼、どこかに転がっていないかな、と思いつつ、毎日車を運転しています。
以前、オヤマボクチを探していた時に、慣れると瞬時に、山道の切通しの斜面に群生しているのがオヤマボクチか山蕗か判断できたものですが、今も車を運転しながら農家の庭先の物干し台の重石になっていたり、不要になった庭石の山のなかに置かれていたりする石臼にぱっと視線が行きます。いちばん悲しいのは庭に踏み石として埋め込まれている石臼を目にした時です。そういう場合、私は踏み石にされた石臼の上を歩かないようにきわめて意識的に避け、埋められた石臼の来歴に思いを馳せながら、歩きます。
かつてその家の累代の者たちの「食」を支えた石臼たちが、今やただの庭の踏み石として老残をさらしている、そんな風にしか見えない私の方がよほどどうかしているんでしょうね。

2012年2月18日土曜日

真夏においしい蕎麦

明日のピンポイント天気予報、最高気温0度、最低気温-13度。

こんなに大地が凍みていても、枯れずにいる赤茎系Rhubarb(ルーバーブ)の若い芽。実に感心してしまいます。ちなみに緑茎系は完全に枯れてしまって生きている芽はまったく見当たりません。

こちらはすっかり冬枯れしているオヤマボクチ。もう不要なので

寒いので自分だけの蕎麦を打とうと思ったら家族の分も要求されたので、仕方なくまた二八蕎麦。しかも彼女らはこの時期は温かい蕎麦に決まっているのでやや太めにした(泣)。


打った蕎麦を、100円ショップで購入したパスタケースに入れてみた。円筒形の立てるパスタケースが多いなか、縦置きも横置きも出来てフタで密閉できるこのケースは、自分の分だけ蕎麦を翌日まで冷蔵庫に保存できるので気に入りました。
三つ重ねて、三階建ての蕎麦(それにしても太い。この頃、年のせいか太い蕎麦や噛む蕎麦が苦手になって来ました。細くて、啜り上げるだけで蕎麦の「香り」が鼻に抜ける蕎麦がいいですね。あとは3回噛んで「味」と「コシ」と「喉越し」が感じられる蕎麦。


一番下のケースは冷蔵庫に入れておいて、明日、ひとりでざる蕎麦、あるいはねずみ大根をたっぷりおろして越前おろし蕎麦。
真夏の暑~い日にキュッと冷やしたおろし蕎麦!! 今年こそは真夏においしい蕎麦を打たなければ。残る玄ソバを厳重に管理しよう。

2012年2月16日木曜日

江戸っ子ではないけれど、二八と十割のはざまに挟まれて

この頃、自宅やスーパーマーケットあるいはネットで、小麦粉の成分表示ばかり見ている。
今、自宅にある中力粉2種類は、
「タンパク質9.0%、脂肪2%、炭水化物74,3%」
「タンパク質9,0%、脂肪1,6%、炭水化物75%]
と、あまり変わりないことが判った。
ネットで業務用の蕎麦つなぎ専用という小麦粉もあるが、それはタンパク質が10,8%とか、もっとタンパク質が多いつなぎ粉も存在する。どうも強力粉に近い。
強力粉はタンパク質が多いので、蕎麦のつながりだけ考えれば強力粉がいいに決まっている。ただし、つながりすぎて蕎麦が硬くなりすぎる。硬い=コシではないので、強力粉は避けたい。
第一、蕎麦を噛んだら小麦粉の味が少しでも感じられてしまうのは困る。それなら卵水の方がましか。以前、従姉の家の貸し店舗で蕎麦屋さんが営業していたことがあって、蕎麦は八十代のおばあさんが打っていて、評判が良くて繁盛していた。やがてそのおばあさんが亡くなって蕎麦店は打ち手を失って閉店した。
最近になって従姉が言うには、そのおばあさんはつなぎに卵を使っていた、と。
ふうむ。

まあ、しかし、つなぎ(混ぜ物)は無い方がいいに決まっております。しかし、私のような下手な蕎麦打ちには十割=生粉打ちは結構難しい。
粉を微粉にすればぐっとつながりやすくはなるらしいが、そうすると風味は薄くなるらしい。らしい、らしいと曖昧な表現になってしまいますが、自分で実際に微粉のそば粉を打って食べてみたことがないので、風味が薄くなるのかどうか、実証したことがありません。
ただし、ソバを栽培した一年目に製粉会社に製粉を委託に出しましたが、還って来たそば粉はとても色が白くて微粉で、蕎麦打ち一年生でもあっさりと十割でつながりました。でも風味=味と香りが実に希薄で、落胆しました。
この落胆が、自分でソバを栽培栽培するだけでなく、自分で製粉もしなければダメなんだというドン・キ・ホーテ的発想を生んだのでした。

そういう微粉系そば粉に一種の幻滅を覚えてしまった私の関心は、短絡的に、最近人気の「粗碾き」に向かってしまいました。
蕎麦打ちの基本も身につかないうちに「粗碾き」に手を出すなんて罰当たりも甚だしいですが、最初は失敗した「粗碾き」も、ネット上でプロの方のアドバイスをいただいたら何とちゃんとつながり、やや太めながらも「粗碾き蕎麦」が打てたのでした。
ただし、欣喜雀躍して茹でて試食したその「粗碾き蕎麦」、細打ちの蕎麦のようにつるつるっと啜り込んで数回噛んで風味を感じ、すぐに飲み込んで喉越しを楽しむ、そんな感じの蕎麦ではありませんでした。
確かに、噛めば噛むほどに蕎麦の風味=味と香りが口中に充満するのは判るのですが、それがじきに鬱陶しくなって来るのです。

私が理想としているのは、多分、数回(多分3回)噛んで蕎麦の風味を感じられ、それをごっくんと喉に落として、つるっとした喉越しを感じる蕎麦なのです。
ということは、最初から「そば殻」を排除した「ぬき」から製粉されたそば粉で打たれた蕎麦、あるいは玄碾きであっても徹底的にそば殻などの「雑味」を排除したそば粉で打たれた蕎麦。
といって、しろうとが脱皮機を備えるのは困難なのだけど、そうか(閃いた)、脱皮機を備えている本職の蕎麦屋さんと懇意になって脱皮していただくという選択肢もあった!!

2012年2月15日水曜日

またまたアホな試行(多分錯誤)

冷凍庫から三年物のソバ粉が封入された真空パック袋を取り出し、鋏を入れて封を切り、親指と人差し指でソバ粉を挟んで舌の上に載せてみたら、異臭も何もなく、ちゃんとソバの風味も感じられた。念のため、お湯を沸かして少量をそばがきにして試食してみても違和感のある味も匂いもしなかった。
ということで、数袋、口を切って、60メッシュの篩でふるって落ちたものを打ち粉として使用することにした。篩上に残ったものを面白半分に石臼にかけ、それをもう一度60メッシュでふるった。それをまた指先につけてなめてみると、立派に微粉な甘皮粉の変身しているではありませんか。面白いので、これはこれでガスバリア袋に封入し、石臼にかけないままのものもガスバリア袋に封入。これらを在来種ではなく信濃1号に適度に調合して蕎麦にしてみたらどんな蕎麦になるか? またまたアホな試行ではありますけど。
粗い甘皮部分と、微粉な甘皮粉と、同じ甘皮ですが粒子の違いがどんな味に違いになるか、それも検証してみたいような気もしますが、それをするには古い粉ではまずいので、玄ソバで試してみなければなりません。

2012年2月14日火曜日

姑息な閃き

打ち粉が少なくなって来たのでそろそろ買って来ておかなければならないと思っていたが、どうもいつも購入している店で昨年いやなことがあったので、出来れば近づきたくない。ネットで購入するのも面倒だしと思っていて、先ほど入浴中に閃いた。280リットルの専用冷凍庫に前年と前々年のソバ粉が真空パック状態でまだ1kg袋で相当残っている。あれを打ち粉の代用品として使えば、嫌な店に行かなくて済むし、古い在庫の処分にもなる。
そんな古いソバ粉で大丈夫かと言われてしまいそうだが、ガスバリア性のナイロン・ポリ二重袋に脱酸素剤を入れた真空パック状態で冷凍庫に入っているので、酸化も進んでいないし、打ち粉に使うくらいだったら十分ではないか。次回の蕎麦打ちに試してみよう。
ただし、少し篩が粗めなので、細かい篩で篩い直す必要はあるかもしれない。粗いと水分を余計に吸われそう。

2012年2月13日月曜日

蕎麦好きなくせになぜか


後方のほかに左右にアングルを固定し、ホッパーをしっかり支えるようにし、またアルミ製の漏斗の上部に透明アクリル板で作った筒をつけてホッパーとしたが、たまたま上部の内径21cmの漏斗にぴったりの、外径21cmの円筒形の漬物容器を発見。底を切り取ってアルミ製の漏斗に嵌めるとピシッと収まったので、これをホッパーとする。元が漬物容器なので密閉できる蓋があり、なおさら結構です。
もっと長時間運転したい場合はさらに透明アクリル板の筒を差し込めば、大量の碾き割りが投入できる。
これで改造終了。
どうも無愛想なので、お描きソフトでこんな風にホッパーに目と口を描いてみました。



先日、この市内の蕎麦好きで、やはり種から蕎麦を栽培し、石臼ではないが製粉機で製粉されて蕎麦打ちされているある方が、ご自分のブログでたまには他所の蕎麦と思って入った蕎麦屋の蕎麦のことを書かれていた。
ただ量が多くてむやみに固いだけ、風味も何もないと酷評し、蕎麦好きなひとはこのお店に食べに来ないようにとさえ書いておられました。ふう。大丈夫でしょうか。
その話をTさんにしたら、「いや、三店舗あるあの店でも、市内のあそこはまだいちばん固くない方で、ほかの二店舗はもっと固いらしい」と。それは、おそろしい。
観光客中心のお店ですから私はまだ一度も行っておりませんけど。
どうもコシ=固いと思い込んでいるひとが結構いるのか、それとも機械で圧力をかけるので固い麺しか出来ないのか。まあ、滅多に外へ蕎麦を食べに行かない「蕎麦好きなくせになぜか蕎麦屋さんに行くのが苦手」という変わり者には無縁なお話ですが。
そういう蕎麦屋さんでも手打でほんとうにおいしい蕎麦を出す蕎麦屋さんでも、価格があまり違わないのは不思議。

2012年2月12日日曜日

1回碾き試行中

午前中、親戚2軒に1,5kgの蕎麦を打ち、道具が出ているついでに、自分用の30目でふるったソバ粉350gを十割で打ってみました。60目でふるって残ったもの、つまり30目から60目の間の粗い粉が105g。三分の一には達していませんし、多いか少ないか判りませんが、それらを先に吸水させておき、そっとやさしく延していって、今回はうまくつながりました。


しかし、粗碾き十割はほんとうに噛む蕎麦ですね。噛めば甘み、風味はどっと出てきますが、それが強すぎて、ちょっとうっとうしい感じもします。
粗碾きでも細めに切ればいいのかもしれませんが、粗碾き細めは私のようなへたくそには十年早いです。
つるつるっと口に入れて3回噛んでさっと喉に落とす、そういう感じの蕎麦の方が好みなのかもしれませんが、かといって風味がしない蕎麦は嫌ですし、どうもわがままなものです。

昨日ホッパーを大きいものに作り直したので、実際に運転してみる必要があり、在来種にばかり気を取られてすっかり忘れていた「信濃1号」が玄米袋に1袋半ほど残してあるのを思い出しました。
10kgほど磨きをかけ、粉砕機で粗く碾き割ってソバ殻をあらかた排除します。ソバ殻はできるだけ排除した方が、雑味が無くなり味と香り、すなわち風味がより鮮明になるような気がしますので、この頃はソバ殻排除に必死です。
さあ、大割れをホッパーに投入して電源ONです。


今回は粗碾きではなくつながりやすい微粉でしかも風味を失わないソバ粉を目ざして1回碾きをめざしています。
ホッパーからの投入量を少なめにして運転してみましたが、碾けたものを60目(約50メッシュ)のふるいにかけてみたら少しのソバ殻とサナゴだけで、あっさり一回碾きが出来ました。1回碾き、ほぼ成功です。
いつもふるったソバ粉を指先につけてなめてみるんですが、信濃1号でも結構甘みがあるし、ナッツのようなそばの風味も十分に感じられます。いい感じの粉です。これだとよほど水回しを乱暴にしない限り、誰でも十割でつながって、ひょっとすると二八でもおいしい蕎麦になりそうな気がします。碾き方次第で、信濃1号もばかにしたものでもないですね。
この次はこの粉で打ってみます。

それから、連続自動運転のためにホッパーを大きくしましたが、ホッパーにたくさん入れるためには、ホッパーをしっかり支える支柱を両側に立てた方がいいようです。
それにしても1回碾きは時間がかかります。
計測したら、一時間でソバ粉にして1,6kgが碾けました。1回碾きだからこれくらいが妥当かもしれません。
この臼は直径30cmですが、もう少し径が大きい臼が欲しいような気もします。