しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2012年2月29日水曜日

またまた怪しい類推、蕎麦のPS比

CN比という言葉がある。これは植物体に含まれる炭素/窒素の比率を言う。炭素率とも言う。具体的に例をあげれば、レタスやキャベツなどの葉物野菜はCN比(炭素率)が低い。炭素より窒素が多く、腐るのが早い。他方、葦の茎などはCN比(炭素率)が高い。つまり、繊維質の多いものほど炭素率が高くで腐るのに時間がかかし、繊維質が少ないものほど腐るのが早い。堆肥などを作る時に、野菜くずでは早く腐るが腐植が少ないので堆肥として残る部分が少ない。また葦などは繊維質が多く、炭素が多いのでなかなか腐らないが、腐植部分は多いので、堆肥として土の隙間を作ったりして団粒化を促進するので、根の張りが良くなり、生育が良くなる。
(余談だが、もっと炭素率の高い木材などは粉砕して堆肥作りの際に混ぜたとしても非常に腐りにくい。だから木材はむしろ窯で蒸し焼きにして炭にする方が理に適っている。楢などを焼いた炭よりも備長炭が硬く火力が強いのも、備長炭の原料であるウバメガシの方が楢より炭素率がずっと高いからである)

同じように、ソバの実は内層にデンプン(Starch)、外層にタンパク質(Protein)を多く含んでいる。
デンプンが多いそば粉は、たとえば更科粉のようにコシや喉越し、甘味はあっても香りや蕎麦の味は薄くなる。またタンパク質が多いそば粉は粘りがあり、香り、蕎麦の味は濃いが、うまく打たないともちもちし過ぎたり、下手をすると歯ぬかりする蕎麦になりかねない。
ということで、やはり、タンパク質(Protein)とデンプン(Starch)との理想的な比率があるのではないか。
それが、PS比(Protein/Starch)。
在来種や小粒のソバは、小粒な分だけ内層のデンプンが少なめなのでPS比(タンパク率)が大粒種より高くなり、それで風味が強く感じられる。
ということは、たとえば信濃1号や常陸秋そばのような大粒種であっても、外層粉と内層粉の比率を調整すれば風味を強めに出来るのではないか?
とはいえ、一番粉、二番粉、三番粉という風に碾き分けないで、石臼で一回で碾いてしまう場合などは比率の調整はむずかしい。
しかも、同じ甘皮のタンパク質(Protein)であっても、あまりにきりきり碾いて微粉にしてしまうと風味は寝ぼけた感じになって、薄くなる。むしろざっと粗く碾いた方が香りも味も鮮明にくっきりクリアになる。微粉の甘皮は香り成分をどんどん揮発してしまうが、粗碾きは香りと味がある大きさで固まったまま温存されているので風味が強くなるのである。
ただし、粗碾きになればなるほどつながりにくくなるし、噛んで風味が横溢するようになり、ろくに噛まずにつるつるっと喉越しを楽しむ江戸っ子の蕎麦とは対極の蕎麦になってしまう。
その両方を生かせる蕎麦って打てないでしょうか?
案外、超粗碾きを二八か一九、あるいは十一で打つとバランスがとれたりして。
(何とも怪しい類推……汗々……ただの独り言にすぎませんのでスルーして下さい)

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