しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2012年2月14日火曜日

姑息な閃き

打ち粉が少なくなって来たのでそろそろ買って来ておかなければならないと思っていたが、どうもいつも購入している店で昨年いやなことがあったので、出来れば近づきたくない。ネットで購入するのも面倒だしと思っていて、先ほど入浴中に閃いた。280リットルの専用冷凍庫に前年と前々年のソバ粉が真空パック状態でまだ1kg袋で相当残っている。あれを打ち粉の代用品として使えば、嫌な店に行かなくて済むし、古い在庫の処分にもなる。
そんな古いソバ粉で大丈夫かと言われてしまいそうだが、ガスバリア性のナイロン・ポリ二重袋に脱酸素剤を入れた真空パック状態で冷凍庫に入っているので、酸化も進んでいないし、打ち粉に使うくらいだったら十分ではないか。次回の蕎麦打ちに試してみよう。
ただし、少し篩が粗めなので、細かい篩で篩い直す必要はあるかもしれない。粗いと水分を余計に吸われそう。

2012年2月13日月曜日

蕎麦好きなくせになぜか


後方のほかに左右にアングルを固定し、ホッパーをしっかり支えるようにし、またアルミ製の漏斗の上部に透明アクリル板で作った筒をつけてホッパーとしたが、たまたま上部の内径21cmの漏斗にぴったりの、外径21cmの円筒形の漬物容器を発見。底を切り取ってアルミ製の漏斗に嵌めるとピシッと収まったので、これをホッパーとする。元が漬物容器なので密閉できる蓋があり、なおさら結構です。
もっと長時間運転したい場合はさらに透明アクリル板の筒を差し込めば、大量の碾き割りが投入できる。
これで改造終了。
どうも無愛想なので、お描きソフトでこんな風にホッパーに目と口を描いてみました。



先日、この市内の蕎麦好きで、やはり種から蕎麦を栽培し、石臼ではないが製粉機で製粉されて蕎麦打ちされているある方が、ご自分のブログでたまには他所の蕎麦と思って入った蕎麦屋の蕎麦のことを書かれていた。
ただ量が多くてむやみに固いだけ、風味も何もないと酷評し、蕎麦好きなひとはこのお店に食べに来ないようにとさえ書いておられました。ふう。大丈夫でしょうか。
その話をTさんにしたら、「いや、三店舗あるあの店でも、市内のあそこはまだいちばん固くない方で、ほかの二店舗はもっと固いらしい」と。それは、おそろしい。
観光客中心のお店ですから私はまだ一度も行っておりませんけど。
どうもコシ=固いと思い込んでいるひとが結構いるのか、それとも機械で圧力をかけるので固い麺しか出来ないのか。まあ、滅多に外へ蕎麦を食べに行かない「蕎麦好きなくせになぜか蕎麦屋さんに行くのが苦手」という変わり者には無縁なお話ですが。
そういう蕎麦屋さんでも手打でほんとうにおいしい蕎麦を出す蕎麦屋さんでも、価格があまり違わないのは不思議。

2012年2月12日日曜日

1回碾き試行中

午前中、親戚2軒に1,5kgの蕎麦を打ち、道具が出ているついでに、自分用の30目でふるったソバ粉350gを十割で打ってみました。60目でふるって残ったもの、つまり30目から60目の間の粗い粉が105g。三分の一には達していませんし、多いか少ないか判りませんが、それらを先に吸水させておき、そっとやさしく延していって、今回はうまくつながりました。


しかし、粗碾き十割はほんとうに噛む蕎麦ですね。噛めば甘み、風味はどっと出てきますが、それが強すぎて、ちょっとうっとうしい感じもします。
粗碾きでも細めに切ればいいのかもしれませんが、粗碾き細めは私のようなへたくそには十年早いです。
つるつるっと口に入れて3回噛んでさっと喉に落とす、そういう感じの蕎麦の方が好みなのかもしれませんが、かといって風味がしない蕎麦は嫌ですし、どうもわがままなものです。

昨日ホッパーを大きいものに作り直したので、実際に運転してみる必要があり、在来種にばかり気を取られてすっかり忘れていた「信濃1号」が玄米袋に1袋半ほど残してあるのを思い出しました。
10kgほど磨きをかけ、粉砕機で粗く碾き割ってソバ殻をあらかた排除します。ソバ殻はできるだけ排除した方が、雑味が無くなり味と香り、すなわち風味がより鮮明になるような気がしますので、この頃はソバ殻排除に必死です。
さあ、大割れをホッパーに投入して電源ONです。


今回は粗碾きではなくつながりやすい微粉でしかも風味を失わないソバ粉を目ざして1回碾きをめざしています。
ホッパーからの投入量を少なめにして運転してみましたが、碾けたものを60目(約50メッシュ)のふるいにかけてみたら少しのソバ殻とサナゴだけで、あっさり一回碾きが出来ました。1回碾き、ほぼ成功です。
いつもふるったソバ粉を指先につけてなめてみるんですが、信濃1号でも結構甘みがあるし、ナッツのようなそばの風味も十分に感じられます。いい感じの粉です。これだとよほど水回しを乱暴にしない限り、誰でも十割でつながって、ひょっとすると二八でもおいしい蕎麦になりそうな気がします。碾き方次第で、信濃1号もばかにしたものでもないですね。
この次はこの粉で打ってみます。

それから、連続自動運転のためにホッパーを大きくしましたが、ホッパーにたくさん入れるためには、ホッパーをしっかり支える支柱を両側に立てた方がいいようです。
それにしても1回碾きは時間がかかります。
計測したら、一時間でソバ粉にして1,6kgが碾けました。1回碾きだからこれくらいが妥当かもしれません。
この臼は直径30cmですが、もう少し径が大きい臼が欲しいような気もします。

2012年2月11日土曜日

自動運転時間延長計画

朝食後、家の前の道路を自動車が走ってゆくので道に出てみたら、あれ、初午際の歩行者天国ではなくて、交通規制はわが家より50mくらい先からになっていました。
ついにホコ天区域外!! 
長年の交通規制から解放されてやれやれ、さっそく車に乗ってホームセンターへ行き、アルミ製で上部の内径21cmの漏斗などを購入し帰宅。何とか容量の大きいホッパーを作り上げて石臼に取り付けました。
5kgは無理でも3kgくらいは入るような気がします。
とはいえ、ただ形が大きくなっただけで、原理的にはもっとも原始的なやり方でに物入れに蕎麦の実を落としていて、小学校高学年レベルの工作ですが、これで自動運転させている時間が1時間以上、ひょっとすると2時間くらいに延びてくれたらいいのですが、さて。
いずれにしても、玄碾きはめったにしないつもりで、粗く碾き割ってそば殻を徹底的に排除したものを石臼で碾きます。それも出来れば1回碾き。

右がこれまでのホッパー。左が新しいホッパー。これで2時間自動運転出来るかな?



2012年2月10日金曜日

ウァーン・゚・(ノД`)ヽ(゚Д゚ )ナクナョ~

ホームセンターへ寄ったついでに、アルミ製の上部内径21cmの漏斗とプラスティック製の小さい漏斗を買った。
明日は家の前の道路が歩行者天国になってしまい、終日自動車での出入りが出来ないので、家で石臼のホッパーをもっと大きいものに付け替えようと考えてのこと。
今のプラスティック製の漏斗だけでは30分~40分くらいしか自動運転させていられなくて、その都度行ってホッパーに蕎麦を足さなければならない。何とか一時間か一時間半くらい自動運転させていられるホッパーにしたい。
ただし、重くなるのでホッパーをしっかり支える工夫が必要になる。

 一太郎承2012の発売日なので、早速バージョン・アップ版のダウンロード版をネットで購入手続きをし、ダウンロード&インストールした。
 その上で文芸誌のレイアウトで作成してあった一太郎ファイルを呼び出し、epub形式で保存してみた。ただし、考えてみたらepubファイルを読めるリーダーも無いし、ましてiPadも無し、iPhoneもスマートフォンも持っていない。
 そこで、探したらepub3.0対応の無料のリーダーがあったので、さらにダウンロード&インストールして、変換したepubファイルを開いてみた。
 あれ? フォントがきたない。というか、普通のMSゴシック。これではどうも。フォントの埋め込みが出来ていないのか? ただ表示されていないだけなのか? タイトル用のヒラギノ明朝w7はきれいに表示されているが、本文がザラザラしたMSゴシック。古いXPはやめて新しいパソコンにしなさいということか、iPadかスマートフォンを買いなさいということか。ちなみにepubではなくpdfで書き出ししたらきれいだし、ファイルサイズもあまり変わりなしでがっくり。ウァーン・゚・(ノД`)ヽ(゚Д゚ )ナクナョ~
 ま、もう少し研究してみよう。

 ことのついでに、Windows Vista以降についているというメイリオというフォントをMSのウェブからダウンロードしてこのXPにインストールし、ブラウザでのフォントをMSゴシックではなくメイリオに指定し直したら、おお、MSゴシックより読みやすい感じ。Vistaや7の皆様は自然にこんな風にきれいなフォントなのでしたか。

2012年2月9日木曜日

ソバの退化と進化に関するどこまでも非科学的類推

様々な在来種のデータをながめていて、実に興味深いのはその粒の大きさや形の差異である。
かたや1000粒で20gに満たないソバがあるかと思えば、その倍近いソバもある。早い話が同じソバでありながら猛烈な小粒と猛烈な大粒が存在する。無論、大粒といってもコルヒチン処理して出来た信州大粒や宮崎大粒のことではなく、普通に大粒、小粒なソバに限定しての話なのだが、私はこう類推してしまう。
先ずは小粒種。これは多分、狭い場所で交雑することもなく同じ玄ソバを7~8年、あるいは10年以上作り返してゆくと、自然に小粒化する。これは収量という視点からは一種の退化であるが、小粒はおいしいという視点からは進化である。
他方、同様に同じ玄ソバを作り返している場合でも、広い場所で交雑しやすい環境にあり、しかも栽培者が収量を多くしたいがために、次年度に播種するための玄ソバを意識的に大粒を選抜しては播くといった操作を続けていくと、多分そのソバは大粒化してゆく。そうやって収量が多くなれば、収量という視点からは進化、味が大味にあるという点では退化ということになる。

江戸風のデンプンが多くコシや喉越しを重視する蕎麦打ちであれば大粒のソバ、風味を重視する蕎麦ならば小粒のソバ。方向性からいうと反対方向に分かれる。

ほかにも土壌の肥沃度、痩せ度、気温および標高、日射量などの条件で変化してゆき、かくしてそれぞれの土地ごとに微妙に個性の異なるソバとなってゆく(と、どこまでも非科学的な類推ではあります)。

2012年2月8日水曜日

もう少し厳密に

不意にソバの実の成分について知りたくなったので、デンプン、たんぱく、脂肪酸、酵素などについて書かれた文章を読み始めたが、理系のひとの文章は何とも読みにくい。
またある政府機関のウェブからダウンロードしたエクセルファイルを開いてみているが、 すべての品種に 1000粒重、リットル重などのデータが記載されていないのが残念。
1000粒重は1000粒の重さを表わし、数字が大きいほど大粒、小さいほど小粒という判断が出来る。リットル重は容量1リットルで重さがどれだけあるかを表わしているので、数字が大きいほど実が充実していると判断できる(粒の大小で隙間の差があるので、厳密に比例しているとはいえないが)。このリットル重が計測されないのか、書きこまれているのが少なすぎる(泣)。
タンパク質の項もあるがその数値が記載されているのはほんとうにわずか。ここに含有タンパク質の数値がすべて記載されていたら、どの種類が旨いか不味いか、一目瞭然ではありませんか。
各県の農業試験場の皆様にもう少し厳密にデータを取っていただけたらなあ。(ただのひとりごとですw)

拡大鏡片手に、マイ小そばともいえる種子をようやく50g選抜した。これをさらに厳密に選抜して25gにして、それを今年K在来を採種用に播種した場所に隔離して栽培してみて、どんな実がつくかを検証してみたい。それで播いた種と同じ形質の実が収穫できればいよいよMyソバの誕生になるし、ルバーブの種のように百粒が百粒、形質の違う実になったら、MYソバ育成は断念しよう。

2012年2月7日火曜日

何とも臭くて不味い蕎麦に関する非科学的類推

うまいはずのソバがこれほど段違いに不味いのは初めてだった。
昨年、栽培したソバのうちのT在来がそうだった。
春に栽培した馬鈴薯を収穫した後地に播種したせいか、播種時期が早すぎたせいか、とにかく草丈2mまで伸びてついにはそれぞれが隣の畝のソバに寄りかかり、倒伏してしまった。
その上、いつまでも花が咲くばかりで実がつかない。

● その原因
1 チッソ分が多すぎた。
2 西日本の品種であるから播種時期を一週間か十日遅らせるべきであった。

それでも霜が降りるまで刈り取りを遅らせたら、21坪で8kgの収穫があった。
その県の農業技術センターのT在来に関する色調、食味などの検査結果では、他の比較品種に比べれば味覚センサーによる苦味、苦味コク、旨味、旨味コク、渋み、渋み刺激などの数値が抜群に良い。ことに苦味と苦味コクが強い。これが粉になると甘皮のあたりの強いナッツのような風味になるのだと期待していた。

ほどほどに乾燥してきたので1kgほどを製粉し、早速蕎麦にして食べてみた。
しかし、最後まで食べられなかった。
風味を感じるとか、味わうとかいう蕎麦ではなかった。
何か、もやもやと臭いのである。こんなに臭くて不味い蕎麦は生まれて初めてである。
その悪臭はすぐに9月の花盛りの在来種のソバの花から放たれる蜜の匂いを思い出させた。
一昨年まで信濃1号しか栽培しなかったので知らなかったが、在来種のソバの花の蜜の匂いは繊維だけでなくタンパク質を含んでいるような、堆肥臭いような、うんこ臭いような匂いがもやもや発散されることを、9月になって気づいたのだったが、あのソバの蜜の匂いに近いものが、蕎麦を噛むたびに口の中でもや~と生じて鼻に抜けてゆくので、かなりの蕎麦好きなのに、ざるの上の蕎麦すべてを食べられなかった。

その原因をずっと考えていた。
1 花が咲いても実にならないのは、まだ日照時間が長いことや高温が続いていることが原因で、それを避けるためにはもっと標高の高い場所で栽培するか、播種時期を1週間~10日くらい遅くする。
1 チッソが過剰のため、ソバの植物体に吸収され、本来はアミノ酸やタンパク質に変わる硝酸、亜硝酸、アンモニアなどのチッソ分の同化作用が間に合わず、硝酸や亜硝酸などの未消化チッソのまま残存していて、それらが悪臭のもととなっている。(ただのしろうとの類推です)

ということで、ことに西南暖地のソバを播く場合は、播種時期を遅らせること。
そしてどのソバにも共通することだが、実がつきはじめる頃には茎が栄養が切れて「赤すね」になる程度の軽い飢餓状態にしておいた方が、チッソの同化作用がきちんと行われて内にデンプン、外にタンパク質がぎっしりつまったソバの実となる。
気温が暖かかったり、水分が多かったり、もともとチッソ分が多かったりすると、茎や葉は霜に遭うころまで営々と葉緑素いっぱいの緑色で栄養生長を主体にしていて、実をつける生殖生長に切り替わらない。
甘いトマトを栽培するのに水と肥料をぎりぎりまで制限する。ソバも同じことで、栄養をぎりぎり制限されたり、気温が低かったり標高が高かったり、旱魃で栄養が吸収できないとせっせと少ない栄養を同化してデンプンやタンパク質に変えてゆく。
そういえば、旱魃でソバが不作になり大騒ぎになった三、四年前のソバは、香りも味も純で明瞭で実に蕎麦がうまかった。
蕎麦会でM君がひとくち蕎麦をすすり上げて、いきなり椅子から立ち上がり、「蕎麦の香りがする!」と叫んだ、あの年だ。
不作の年の蕎麦の方がおいしいのかも。

早播きとチッソ過多の蕎麦は、栄養生長が盛んになりすぎ、すんなり生殖生長に移行できないので実のつきも悪いし、風味も悪い。
山の天辺の、赤土でスギナが群生するような痩せ地の蕎麦は早くに生殖生長を始めるので実にデンプン、タンパクがぎっしり詰まり、旨い。
今年のソバ栽培では、風味がすっきり際立つ蕎麦をめざして、これらのことに留意しよう。

2012年2月6日月曜日

……と思ってがんばろう

いよいよ日が迫っているので、決算書作成のために会計ソフトに昨年度分の入出金データを入力開始。
どんなに小規模で売り上げが少なくても利益が少なくても、決算書と申告書は出さない訳にはいかない。ネットでの申告もだいぶ増えているらしいが、ちょっと気が乗らない。

しかし、机だと足元が寒いし、こたつにパソコンを移動させると今度は足が温まって眠くなる。そうでなくても、もともとがただ数字をい打ち込んでゆくという単調な作業なので眠くなって当然です。
こういう仕事、いちばん苦手です。
早く終了させて、蕎麦を打ちたい(……と思ってがんばろう)。

2012年2月5日日曜日

凹と凸

これまではブラウザはSleipnirをインストールし、そこにRSSリーダーとしてHeadline Readerを組み込んで、それなりに快適なネット生活をして来ましたが、最近どうも固まるようになって来ました。
原因はほかにあるのかもしれませんが、すでにGoogle ChromeはBloggerの書き込み用にインストールしてあるので、そこにGoogle Readerを組み込み、Headline Readerからエクスポートしたフィード・データをGoogle Readerにインポートしました。これで、どちらかがアウトでも大丈夫。
Google Readerのキーワード登録がまだのみこめない、凹。


大阪在住のFacebook友達の方が希望されたのでソバ粉をお送りしたら、今日届いて早速打たれて、もう茹で上がった蕎麦の写真がアップされた。
私のような自己流の下手と違って、きれいでおいしそうな蕎麦でほっとしました。凸。

2012年2月4日土曜日

エージレス

ソバ粉とともにガスバリア袋に封入するエージレスが終わってしまったので、ネットで探して注文。ネットだと小口販売があるので助かります。5000個なんて要りませんから。
100個入りが二つで、酸素を100cc吸着するタイプのを注文。だいぶ価格が安いですが大丈夫? あれって消費期限のようなものはあるのだろうか?

2012年2月3日金曜日

ソバ栽培に関するどこまでも非科学的類推

昨年の秋、おいしいと評判のソバを栽培している畑のいくつかを巡るという至福の小旅行を経験できたのだったが、それらの山上のソバ畑を見学して共通して驚いたことがあった。
それは、どの畑もソバの足元に他の雑草ではなく「スギナ」がびっしりと群生していることだった。
「スギナ」は土壌のPH(土壌酸性度)の指標になる植物であって、スギナが生えている畑は普通の野菜はすくすく生長しない。
酸性だとうまくチッソやカリなどの陽イオンの成分が吸収出来ないし、火山灰土壌が特徴の日本の酸性土壌に多いアルミナ(アルミニウムの酸化物)がマイナスイオンの燐酸分を固定して作物が吸収出来なくしてしまう。。ところがどっこい、ソバはアルミナや他の陽イオンに固定されてしまって吸収できないはずの燐酸を、根から分泌する有機酸で溶かして吸収するし、人間でいえば炭水化物に相当するチッソ肥料もそんなにたくさん必要としない。
そういう栄養が多いと、ソバは茎や葉を伸ばすという栄養生長に専念するばかりで、花を咲かせ、受粉して実をつけるという生殖生長をしなくなる。
人間も植物も、栄養十分な形で生物学的に満たされていると、どうも子孫を残すという意味での生殖生長がおろそかになってしまうようだ。
ソバはことにそうであるらしくて、実は私が昨年、自家用野菜を作るために石灰を撒いて土壌酸度を中性に近づけ、なおかつチッソ・燐酸・カリを含む肥料を十分に散布した菜園のばれいしょを栽培した後地に「対馬ソバ」を播いたところ、いつまでもいつまでも茎や葉が成長しつづけ、ついにはその高さ2mにもなって倒伏し、収量が幾らも無かった。しかも製粉してみたらおいしいはずの「対馬ソバ」が鼻につくような悪臭がし、しかもたまらなく不味かった。
これは「対馬ソバ」のせいではなくて、私の肥培管理の拙さが原因であるとしか考えられない。

そうか、ソバはそもそも痩せ地で短期間に栽培出来る「救荒作物」であった。

ソバは栄養十分な畑ではなく、荒地で育ってこそ充実した種実を残すのだった。
「ソバの赤すね」という。秋になるとソバの茎はアントシアニンを生成して赤くなる。その原因を「ストレス」という言葉で説明する人がいた。
人間の病気も「ストレス」原因といわれることがある。
でもちょっと、待って下さい。
具体的にどういうストレスが生じ、それがどのような作用をして病気、あるいは「ソバの赤すね」という症状を引きおこすのでしょうか。
「ソバの赤すね」は、おそらくソバが栄養生長から生殖生長に転換しようとしている証明なのではないでしょうか。
一種の栄養飢餓状態に陥ってこそ、ソバは充実した実(子孫)を残そうとするのだが、十分な栄養は望むべくもない。
そういう、飢餓寸前のぎりぎりの栄養状態のソバこそが、デンプンやタンパク質でパンパンに詰まった実を残すのかも知れない。

どちらかといえば酸性気味の土壌。
根が耐水性に欠けているので、水田はだめ。出来れば緩やかに傾斜した畑。
石灰や肥料分はできるだけ少なめ。
気温は低め=標高が高い=あるいは低地であれば播種時期をぎりぎり遅くする。

今年は、このことを念頭から忘れないようにしてソバを栽培する場所を準備しよう。

さらに、刈り取りは黒化率70%を目標にし、乾燥している間は雨に遭わせない。
脱穀後の乾燥はほどほどにして、水分16%~15%にとどめ、決して過乾燥にしない。
などなど、結構ソバ栽培のハードルは高い。

2012年2月2日木曜日

Be,or ,not to be ? That's the matter!

とにかく寒く、戸外での仕事がきついので、午後は昨日預かったYさんの玄ソバの製粉作業をすることにした。
先ずは製粉機で粗く碾き割って、50メッシュより細かい粉を篩い出した後、そば殻を篩とブロアを使って徹底的に排除。ブロアにはスピードコントローラを接続して風量を微妙に調整し、そば殻だけが箕の外へ吹き出し、甘皮などは残るように細心の作業をする。(それにつけても、やはり脱皮機が欲しい!!)
そうやってそば殻がほとんど無くなった大割れ、小割れをもう一度、金臼式の製粉機にかけ、50メッシュで篩う。こちらはどちらかといえばデンプン主体の粉。
その50メッシュの篩上に残ったものを、次は電動石臼のホッパーに入れる。こちらは外層粉というか、固い甘皮主体のタンパク質部分なので石臼で投入量を少なくして碾きこまなければならない。
自動運転で一時間置きくらいに様子を見に行って、ホッパーに追加するのを繰り返し、21時頃にそれらをまた50メッシュで篩って、ようやく作業終了。
どうもおいしいソバ粉にするためには時間がかかるので、あまりひとの製粉は引き受けない方が良さそうですが、今回はたまたま、またひとのソバ粉なので80目(65メッシュ)くらいで篩って上げなければいけない。ですが、電動篩をセットするのが面倒で手で篩うことにしたので、手で50メッシュの篩でで篩った。正直言って、人力で80目(65メッシュ)篩うのは落ちなくてつらいのです。
それと、出来れば製粉会社みたいにムチャクチャ微粉にすると風味が損なわれてしまうので(自分のソバ粉は25メッシュで篩いますが)、50メッシュがぎりぎりの妥協点なのです。

そこで素朴な疑問;
粗いから風味が出るのか? 
それとも甘皮を碾きこむから風味が出るのか?
それが問題だ。

Be,or, not to be ? That's the matter!

2012年2月1日水曜日

久々のオヤマボクチ蕎麦

12月にソバを製粉してあげたYさんが、今日、また軽トラで玄そばを一袋持ってきた。21kgくらいある。量が多いが、これも前回同様かなり過乾燥な感じで、風味が心配。
しかも信濃1号にしても妙に大粒。大粒を選んで播種しているのだろうか? 怪しい在来種ばかり播いている私とは方向が反対だ。
こちらが時間的余裕のある時でいいというので製粉を引き受けた。
そしてニコニコしながら手土産の手打蕎麦を差し出した。Tさんから聞いたところではYさんのはオヤマボクチをわずかに使った十割蕎麦であるらしい。
夕食に家族とは別メニューでYさんの蕎麦を茹でて食べてみた。やはりオヤマボクチが入っているのは間違いなく、腰がかなり強いというか、固いというか……、乱暴に扱っても切れない。それに切り方が下手な私よりさらに幅の広い、狭いの差が激しい。これは手打ちを印象付けるための意識的戦略なのか、天然自然に下手なのか、見当がつきません。
オヤマボクチが入っていたらやはりもう少し薄く細くしないと、つい噛む回数が多くなってしまいます。あまりいつまでも噛まなくてはいけない蕎麦は厭ですね。
それから噛むと味は出てくるんですが、すすった時に鼻腔にぬけてゆく香りがほとんど感じられない。これは、ムチャクチャ捏ねてしまうオヤマボクチ蕎麦の宿命なのかもしれません。
かつてさんざんオヤマボクチと苦闘しましたが、今の私はオヤマボクチを使う必要性をまったく感じません。

そういえば、私も信濃1号が玄ソバで三十数kgくらい残っている。ほかの在来種を食べているので、信濃1号まで手が回らないけど、さてどうしよう?