しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2012年1月9日月曜日

保守点検

本日は暖かい時間に電動石臼の掃除を決行。石臼を上下外して先ずは水洗いし、受け台もきれいに清掃。石臼が乾いたところで、すり合わせをみるために下臼に上臼を重ねて手で回転させてみたら、二ヶ所結構擦れている場所があり、そこを少し削り、さらに周辺部をミニルーター用のダイヤモンドカッターで細い筋をつけた(ビシャンが欲しい)。それからもう一度洗って乾燥。
どうもしかし、製粉中に回転する上臼が下臼と同心円を描かず微妙なずれが認められ、上臼の軸受けの位置が中心から微妙にずれているようなので、メジャーと糸を使って調べてみたら、やはり上臼の軸受けが2~3mmくらいずれている。
これはまずいので、臼を外したついでに修正しておこう。

2012年1月8日日曜日

どこか似ている

ようやく、何とか、今年のソバの播種計画が決まった。
写真左上が食用として花園1号、2号、3号地に播くN在来。右が試食用として菜園の空いている場所30坪ほどに播くK在来。これは189粒しかなかったものを1800gまで増やしたので、更に10kgくらいの収穫をめざす。写真左下はN在来の中から小粒で稜が消えかかって丸くなっているものだけを選抜し、昨年K在来を種子生産用に播いた場所に隔離して播いてみようと考えている。結局、今年も三ヶ所に三種類。ただし昨年信濃1号を播いたN原の畑は耕作しないことにしたので、昨年に比べれば楽であり、その分、集中できる。
写真右下は比較のための「常陸秋そば」。とても大きく見える。


それにしても、これだけ小粒種が多くなると、「たねまきごんべえ」のソバの播種用エンドレス・ベルトの穴を拡張したのがかえってあだになり、播種量が多くなりすぎてしまう。信濃1号ではちょうど良かったのだが。播種時期までにもう一度エンドレス・ベルトを買い換えなければ。

そういえば、「常陸秋そば」について書かれた本を再読していたら、「米そば」といって茨城県でも福島県境に近い大子町周辺で栽培されていた小粒のソバが、普通のソバは20%くらいの結実率であるのに、その「米そば」は結実率が40%くらいで面白かったと書かれていた。
まだその「米そば」は栽培されているのだろうかと思い、ネットで検索してみたがヒットしなかった。やはり「常陸秋そば」に席巻されてしまい、茨城県では在来種は金砂郷在来のほかは全滅してしまったのだろうか。ジーン・バンクにも「米そば」や「大子町在来」というものは見あたらない。
信濃1号に席巻されて、数多くの在来種が消滅した戦後の日本にどこか似ている。

人間の口なんて勝手なもの

12月に20kg碾いて30目で篩ったソバ粉で、性懲りもなく粗碾き十割蕎麦を打ってみた。
60目で篩って網の上に残ったものに先に水をいれ、3分ほどおいてから水回しをスタート。やはり用意した50%の水では足りなかったが、最後にこぼれすぎてややズル玉。



切り終えた段階では「粗碾きにしては前回より細く切れた」と思ったが、 茹でてみたらやはりたたみ目で切れて短めになってしまった。
こうして写真に撮ってみれば、やっぱりまだ相当に下手くそ(泣)。

わが家のアマゾネス二人はもう蕎麦に食傷しているらしいので、まだ代休が残っていて家に居る長男とふたりだけで試食してみた。
噛めば蕎麦の風味がふわっと口腔内に広がるのだが、しかし、どこか気に入らない。短いのが気に入らないのか、ざらついた感じが気に入らないのか? 風味が強すぎて蕎麦に品が無いのが気に入らないのか?
どうも人間の口なんて勝手なものである。
次回はこの30目で篩った粉で二八にしてみるか、それとも40目で篩ってもう少し粒の粗さを下げてみるか、などとまた迷い始めればきりがありません。


2012年1月6日金曜日

何事も練習

昨日のブロア、テストしてみたところ、漏斗を取り付けている穴から風が吹き上がってきて玄ソバが落ちて行くどころか、逆に舞い上がってしまい(ぷふふ)、失敗でした。
漏斗のを取り付けているパイプのわずか先に弁のようなものをつけて、穴を通過したあたりで風と玄ソバが合流するような工夫が必要です。

また、石臼のもの入れから落ちる玄ソバの量をもう少し増やすとどれだけ粗いものが混じるかのテストをした。
漏斗の下の口ともの入れの上に載せてあるアクリル板に開けた穴とが重なっていっぱいから落ちるようにして、1kgの磨いた玄ソバを碾いてみた。1kgを一回碾き終えるまでに36分。そば殻を振るい出してから30目で篩って、少しだけ残った30目より粗いものをもう一度石臼にかけ、30目で篩った。
その粉を60目で篩って細かい粉と粗い粉を分けてみた。
その結果、60目より細かい粉が366g。60目から30目までの間の粉が334g。合計、ぴったり70%。
しかし、30目で篩ったので粗いといってもざらざらした砂くらいの粒なので、ひょっとすると30目で篩わなくてもいいのかもしれないが、多分、まだ技術が未熟なのでつながらずに短い蕎麦になるでしょう。
何事も練習です。

明日は妻の実家にその兄弟が集合するので、そのために朝食後から1kgほどの蕎麦を打って持たせる予定。無論、こういう場合は安全な二八。

2012年1月5日木曜日

もう一度試行錯誤

本日は性懲りも無くまたブロアを引っ張り出し、昨年の試行錯誤の反省をしながらもう一度テストしてみたいことがあり、テスト装置(というほどのものでもないが)を作った。テストだからボール紙の筒などを使って、まるで小学生の宿題の工作のレベルです。



昨年は、指差しアイコンで示しているブロアの吸い込み口から玄ソバを吸い込ませたので、ブロアの固い樹脂製の羽根に玄ソバが直接当たって砕けるものが多かった。そこで今回は、羽根のすぐ先の風を送り出すパイプ上部に穴をあけて、そこから玄ソバを落とし、ブロアの風圧だけでダンボール箱の向こう側に貼り付けたゴム板に衝突させ、それで皮が剥けないかというテスト。
風圧とゴム板までの距離などを少しずつ変えてゆけば、ある程度皮が剥けるような気がするのだが、まだ砕けたものの方が多くなってしまうか、剥けないものが多くなってしまうか。
いずれにしても、こんなチャチな方法で成功するはずもないし、皮が剥けたものと剥けないものの選別方法も考えていないのですが、ま、仕事に追われる前にもう一度試行錯誤(=愚行錯誤?)して、それですっぱり諦めようということです、むふふ。

2012年1月3日火曜日

新年早々何とも辛気臭い

あまり体を動かさずに飲み食いばかりしているとかえって調子が悪くなりそうなので、今年播種するN在来の種の選別を開始しました。
大きめの拡大鏡を使っての作業です。
できるだけふっくらしているものを選び出してみました。
ただし食用の種を用意するとなると数kgも選別しなければならないので、食用は昨年収穫したものから明らかに交配していると思えるものだけを排除してそれを播くことにし、ふっくらしたものは20g~30gをきっちり種子用として厳選し、それを食用のソバ畑とは別の離れた場所で採種用に播こうと考えています。

ただし昨年採種用に播種したT在来とK在来をどうするか、まだ捨てる決心がつかないのでもう一度蕎麦にして食味を試してみなければなりません。
先の試食ではT在来は×でしたが、K在来は結構風味がしっかりしていたので迷います。あまりに小粒で収量を考えると気が進みませんが、5gから1800g収穫できたのですから捨てるのも惜しいのです。

それにしても拡大鏡を通して覗きこみながらのそばの種の選別って、何とも辛気臭い作業ではあります。なぜなら、食べられるのは再来年になってしまうのですから。
しかし、これらのなかから何とかMysobaを育てたいものですから、何とかがんばりましょう。

左・K在来   右・N在来

あれ? K在来も選別した方がよさそうな……。


2012年1月1日日曜日

あけましておめでとうございます

皆様、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

おだやかな、いい元日でした。
今年は災害の無い年であってほしいと念願します。

2011年12月31日土曜日

今年の年越し蕎麦

先ほど、年越し蕎麦を食べました。


今年は2種盛りで、右がN在来、左が信濃1号。
ちょっと盛りが多すぎて品がありませんでした。
どちらも50メッシュ以上の粉で二八なので、打ち易く喉越しも良かったですが、最近試みている粗碾きに比べると優等生な食感でした。
ただし、蕎麦を噛みしめるとN在来の方がこれぞ蕎麦という風味を感じさせました。
今日まで迷っていましたが、これで来年度も在来種を栽培することに決めました。

それにしても、50メッシュ以上の微粉だけだと物足りないですね。
粒度分布のバランスがよければ、30メッシュくらいがいいのかもしれません。無篩いというのをされている方も居られるようですが、私の場合は「十年早い」でしょう。

皆様、良いお年を。

2011年12月30日金曜日

困りました

朝食後、家庭菜園用に借りている畑の持ち主に600g、同人誌の春の号に寄稿していただいた方に500g、2回蕎麦を打った。地主にはお歳暮に蕎麦を載せてお届けし、寄稿していただいた方には宅急便で明日の午前指定で発送した。どちらも二度目なので茹で方など説明は無しで、ねずみ大根を添えた。
ほかにもお送りしたい方があるのだが、宅配便で翌々日配達の地域だと、蕎麦が腐敗したり切れてボロボロになるのではないかという危惧が先に立ってしまう。案ずるよりも一度試行してみたらいいんですが。

明日は二男が帰省するので、彼のためにまた少し打つ予定。自分で茹でるので十割でいこうと思うが、打ってから茹でるまで5時間くらい時間差が生じるので粗碾きは無理だろう。
先日打った粗碾きの十割も当日は良かったが、余った一人前を翌日茹でたらみごとに切れました、(ーー;)
まだ、十割だからおいしいのか、粗碾きだからおいしいのか、甘皮も碾きこんだ全粒粉だからおいしいのか、在来の小粒種だからおいしいのか、まったく判断がつきません。
ですから、来年度、どの種を播くのか、それもまだ決まりません。困りました。

2011年12月28日水曜日

製粉が面白い

代休を消化するために早めに帰省した息子のために、昼食用に蕎麦を打った。妻と母は最近食傷気味であるらしいので、息子と自分の二人分のみ。
先日石臼碾きして30目の篩をかけたソバ粉を40目でもう一度篩いなおし、篩から落ちた40目以上を二八で打った。それでも60目や80目に比べればまだ粗い砂状の粉が混じっているせいか、加水率はあっさり50%を超えたが、ズル玉にはならず、それでいて結構薄く伸すことが出来、また切りも包丁に粘りつかずにきれいに細切りすることが出来た。
しかも、茹でてみると田舎そばの黒味は無く、かすかに鶯色した透明感のある蕎麦になった。製粉の際に、最初の碾き割りの段階で徹底的にそば殻を排除したため、ぬきみから碾いた蕎麦に似て来た。
30日と31日、あちらこちらにお届けする蕎麦を打つことになるが、宅配便で送るケースもあるのでほぼ今日のような二八、または九一で打つことになるが、甘皮を十分碾きこんであるので、風味はかなり保持できる。

ソバ粉に粗碾きが混じると加水率が多くなることを、最近、意識的に身を以って経験することが出来て良かった。
製粉会社や製粉所に製粉を委託したソバ粉や、直売所や道の駅などで販売されているソバ粉は60メッシュ以上の細かい粉が多いが、ああいうソバ粉と石臼であえて粗碾きも混じっている粒度分布の広いソバ粉とでは、加水率も加水の方法も異なってくる。
この頃、製粉が面白い。

2011年12月26日月曜日

一瞬のうちに探しているものが

午前中ずっと車を走らせていたが、どうも目が変で、以前もブログに書いたお宅の庭の踏み石となった石臼7個のほかに、とある石材店の工場の軒下に二個の石臼を発見してブレーキをかけ、少しバックしてそこを良く見るとやはり石臼だったので、車から降りて石臼のそばに歩いて行った。ほぼ同じ大きさの上臼と下臼で、目はやや減っている感じがする。
すると工場の人らしいひとが出て来たので、思わず、
「この石臼は売り物ですか?」と叫んでしまった。
「あ、おれ、ここの人間じゃないので、分からないです。この家、留守のことが多いしな」
いつもズボンのポケットに巻尺を忍ばせている私は直径を計測した。35cm。
たまたまこの道を通るので、いつか誰かいたら寄って訊ねてみよう。
さらに同じ集落を通過中に、庭に石臼が上下重ねて置かれているのを目撃。ただし、かなり稚拙な作りであるのが一目瞭然なので、ブレーキは踏まず。

それにしても、関心のあるものは自然と目に飛び込んで来るというのは、かつてオヤマボクチを探して山道を走らせている時にも経験したことだが、面白いものだ。
視力が鍛えられるというか、とにかく一瞬のうちに探しているものが目に入って来るのである。

2011年12月24日土曜日

30目のそば粉で練習

今日は妻が実家へ行くというので、蕎麦打ち開始。
慣れない人に十割を茹でさせるのは心配なので、先日碾いて30目で篩ったそば粉を二八で打ってみようと思い、6人家族なので内二八で1kg。
ちょっと粗いのが心配なので、ある方のアドバイス通り、40目で篩って残った30目と40目の間の甘皮を篩い出し、事前に加水量のなかから適量の水を分けてそこに漬けておき、40目以上の粉とつなぎの中力粉を混ぜ、水回しを開始し、そぼろ状になったところへ、水を吸った30目と40目の間の甘皮を混ぜ、更に水回しを続行。
ただし、やはり、60目くらいの篩を通ったものだと47%位の水で済むものが、粗い粒があるとそれでは足りず、55%くらいでもまだズル玉にはならず、延しに力が必要となった。
怪我の功名というか、そのおかげでややもすると包丁に切ったばかりの蕎麦が粘りついて踊るのだが、そうにはならず切りやすかった。
道具を出したついでに市内に暮らす弟のために外二八で600gを打つ。
こうして続いて打つと調子が出て来る。

それにしても、やはり篩は40目で留めておいた方がいいのかもしれない。ことに、自分だけで食べる蕎麦は30目でいいとしても、そうでない場合は40目とか60目。製粉所の粉に比べればこれでもまだ粗いのだけど。

そういえば、自作1枚目の小間板の枕の高さが2cmで、その後でもっと大きな2枚目を作ったのだったが、それは枕の高さが2,5cm。
たった5mmの差だが、2,5cmだとどうしても切り幅が広くなってしまう。
そこで、蕎麦打ち終了後、カンナで枕を削って同じ2cmに修正した。まだまだ切りが下手なので、今のところは2cmくらいがいちばんいい感じです。

そうそう、返しが終わってしまったので、早めに作っておかなければ。寒いし、これからは結構使うだろうから1,8ℓくらい作っておこう。

2011年12月22日木曜日

またまた、鶏なんばん

今日の夕食は、母親はばあさん仲間と外食、妻は低血圧でめまい吐き気ということで、ひとりさびしく(嘘々、ひとり楽しく)十割蕎麦で鴨なんばんならぬ、鶏なんばん。近所の家から時々、ダシ取り用の削ったカツオブシの袋を複数回いただいてたくさんあるので、しっかりとダシを取り、返しとあわせて味を調整し、下仁田ネギと鶏肉で温かい蕎麦にした。
ゆで立てだと温かくてもちゃんと蕎麦の味がしますので、おいしい。
妻には、お餅があったので寝たまま食べることが出来るように、焼いて海苔を巻いたのとインスタントのクリームスープを届けておきました。
おや、夜になったら治ったんですか。つくづく、夜型人間ですね。

2011年12月21日水曜日

2011年、極めて私的な回顧と反省

今年は私のソバ栽培歴でも記念すべき年だった。
昨年まではソバといえば当県農試が世に送った「信濃1号」を播種するのが当然だったが、今年は「信濃1号」の他に何と在来種を3種、計4種類のソバを4ヶ所に播種栽培した。
それはもうほとんど狂気の沙汰。
そしてようやく3種類の在来種を自分で石臼で碾いて、自分で打って、自分で茹でて、食べてみた。
その結果、どれもおいしいし、どれも微粉にすればつながりやすいが風味は弱くなり、粗碾きにすればつながりにくいが風味は強くなることが、うすうす判って来た。
となると、蕎麦の味の差が品種の差なのか、刈り取り時期や脱穀・乾燥・製粉の仕方の相違なのかが判別出来なくなって来てしまう。
それから、小粒であるがゆえにデンプン:タンパク比がタンパク寄りゆえに風味が強い在来種と、たとえばそれに対立する悪役としての改良種、その代表である「信濃1号」との風味の比較であるが、むしろ「信濃1号」には在来種の蕎麦を食べた時に感じる泥臭さは感じられず、むしろ洗練されてピュアな蕎麦の風味といったものを感じないでもない。ソバの風味ほどその感受が難しいものはない。
それにつけても思い出されるのは、旱魃でソバが大不作だった一昨年の「信濃1号」が、水回しの際に立ち上がる香りといい、茹で上げてざるの上から箸で手繰り上げた蕎麦から漂って来た「蕎麦の匂い」です。
蕎麦会の席で思わず蕎麦を摘んだ箸を持ったまま椅子から立ち上がり、「蕎麦の香りがする!」と叫んだ同級生M君。
そうそう、一昨年の蕎麦はほんとうに風味満点でした。と思えば「信濃1号」もまんざら捨てたものでもないような気がしてきます。
どうも蕎麦は品種だけではなく、その年の気候にも左右され、栽培の仕方、刈り取り時期、乾燥の仕方、製粉の仕方、蕎麦の打ち方などにも左右されるのですね。
ふう~、来年もがんばろうと思うのですが、来年はどのソバを播いたらいいんでしょう??