長柱花は3本のめしべが長いので撮るのに楽ですが、短柱花はめしべが小さくてうまく写らず、たくさん撮影したなかからようやくめしべが写っているのを探し出しました。
咲いた花すべては受粉しません。
つまり、そばは肥料の効いているうちは茎に赤みは出ないけれども、肥料不足のそばは茎に鮮やかな赤味が出るので、印象的なあまり「そばの赤すね」と称したのであろう。この茎が赤くなるのは、秋の収穫期のころにもよく見られることなので……先日の在来種ツアーでもこの赤すねのことが話題になったが、「ストレス」で赤くなるという言葉しか出なかった。長友博士の言を借りれば単純な肥料不足で赤くなることになるが、土壌中に肥料があっても何らかの「ストレス」で肥料が吸収できない場合、これも赤すねの原因となる。
「灰分の組成、つまり、灰分中にもっとも多いのはリン酸で全体の48%を含み、リン酸が約半分を占め、カリは25%でこれについで多く、残りの半分を占めている。ついでマグネシウム、ナトリウム、カルシウム、塩素、酸化鉄、硫黄の順となっている。この、下線を引いた部分に目が釘付けになった。
もうひとつ、「どの程度まで」粉にするかというのは、歩留まりの問題である。甘皮はタンパク質を主成分としているが、繊維質も含んでいる。そこで、ほとんど粉にしてしまった場合は口あたり、歯ざわりが悪くなり、かつ、腹が張って消化に手間取ることになる。また、へたの目くそとも言うべき部分、一般に気がつかぬ部分が砕けて、粉が茶色になり、ホシも増えて食味を殺ぐ。
ともかく、甘皮を望ましい形で粉にすることはたいへんな難問である。そして結局は石臼で手碾きして望ましい粉を得られていることを書いて、この段落を締めくくられています。