しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2015年2月7日土曜日

自然で理想的な粒度分布

手碾きの、しかも粗碾き用に目立てした石臼で碾いたそば粉という限定した範囲での話になりますが、粒度分布のグラフで50メッシュのあたりで極端に少なくなる。
100メッシュ以上から60メッシュあたりまで最初の大きな山があり、50メッシュあたりでぐっと減って、そしてまた40メッシュから30メッシュの間あたりに最初の山より小さなピークがあり、篩で篩い出さない限り、25メッシュとか20メッシュ、10メッシュと漸減してゆく。
メッシュの細かい方の大きい山は、おそらくデンプン主体の粉であろうし、50メッシュを境にして次の山を形成しているのはタンパク質や脂肪などを含んだ、固く繊維質の多い甘皮主体の粉であろう(甘皮にくっついているデンプンも多少は混じっているはず)。
多分、このパターンがそば粉のいちばん自然な形の粒度分布なのではないか。

こういう粉を生粉打ちし、1,3mmくらいに切る。
簡単にはつながらないだろうが、それが理想形かもしれない。

2015年2月6日金曜日

そうか!!

採種するのでなく、その成長や結実の観察をするのが目的であるのなら、同じ畑に何種類の在来種を播種してもいいのだし、一週間おきに一列ずつ播種してみてもいいのだ!!

2015年2月4日水曜日

あまりに辛くて怖い大根

腰痛のためあまり歩き回れないのでお勉強。

様々な大根の辛味成分を測定した、やや古いが貴重なデータを入手。
その結果を見ると、他を引き離して圧倒的に辛いのが京都北山、鷹が峰の辛味大根。
これは伊那の親田大根と同じで、大根とは言うものの蕪のように丸い。
その次に辛いのが何とねずみ大根ではなく「信州地大根」の元となった地大根。

因みにその辛味の数値はといえば、(μmol/100ml)で表わされますが、
スーパーマーケットで普通に売られている「耐病総太り大根」の数値はほぼ200。
「ねずみ大根」が373。
「親田大根」が524。
「信州地大根」が573。
そしてその「信州地大根」の元になった在来種の地大根が774。
京都北山の辛味大根が何と!! 1735。これはあまりに辛味成分が多くて怖い。
というかあまりに辛過ぎて舌が痺れ、蕎麦の味が判らないほどではないかと思える辛味成分ダントツの数値。

ここ何年か「ねずみ大根」を栽培し続けて、昨年は先ず先ず思い通りの「ねずみ大根」が出来たのだけれど、今年はその「信州地大根」の元になった在来種の地大根を栽培してみたいと思っています。

2015年2月2日月曜日

手碾き一尺、甘味がかなり強い

夕方、少し半端な時間があったので手碾き一尺の溶岩臼で奈川在来を碾いてみた。
といっても玄ソバで1kgくらいだったので、粉になったのは700g。
玄碾きはそば殻が混じるのであまり好きではなかったのだが、40目で篩ってもあまり目立たない。ひょっとすると篩は50目でよかったかなと思うくらい、1回碾きできれいに碾けた。
やはり気泡の多い石はよく碾ける。
昨年の12月の初め我が家に貰われて来た時には、師匠が目立てしたままだったので碾いても碾いてもジャリ感があって閉口したが、ようやく尖った部分が無くなっていい感じに碾けるようになってきた。
粉をなめてみると甘味がかなり強い。

この700gの粉は生粉打ちか、外一か、判断しにくい。失敗を恐れず、先ずは50目で篩ってみて生粉打ちかな。
つなぎを使うんだったら、最初からもっと粗い粉にするはずだし……。

2015年1月31日土曜日

電子レンジでチン

ダッタンソバのルチンは水を加えることによってルチン分解酵素が動いてルチンをケルセチンに変えられてしまう。ダッタンソバの苦みはそのケルセチンの苦味であるという。

仮にルチン分解酵素を働けないようにしてしまえば、ルチンがケルセチンに変化することを止められ、苦味も生じなくなる。
ダッタンソバのそば湯を作って飲んでいるが、70度くらいのお湯で溶くと苦味は本のわずかしか出ない。
調べてみると、やはりルチン分解酵素は熱に弱いらしい。市販のダッタンソバ茶などは高温の蒸気で蒸して再乾燥し、殻を剥いたものを焙煎している。
ほかにもマイクロ波も有効であるらしい。
ということで、とりあえずダッタンソバの粉をラップに包んで電子レンジでチンしてみた。出力2kwで1分間というので、家庭用は出力が小さいので3分間チンしてみた。かなり香ばしい香りが漂ってきたが、香ばしいのでお茶にはいいが、蕎麦にするにはどうやら3分間では長すぎた模様、というかタンパク質まで壊れたのではないか。
そのうちに、玄ソバを電子レンジでチンしてから製粉し、蕎麦にしてみよう。

  

2015年1月29日木曜日

風味のある蕎麦、考察その1

このところずっとつなぎなしの生粉打ちを続けながら、ソバの実あるいはそれを製粉したそば粉、あるいはそれを打った蕎麦の風味の元について考えていた。
ソバの実やそば粉の中身=成分構成は案外単純である。
そのあらかたは米や麦などの穀物同様に「デンプン」。
つづいて「タンパク質」、そして「「脂質」。
たったこれだけであの蕎麦の風味や滋味が表出される。
(多分、蕎麦の甘味は「デンプン」、それ以外の蕎麦の風味は「タンパク質」、そして蕎麦の香りは「脂質」、その揮発成分に含まれている!!)

ここ数年栽培してきたいろいろな在来種のソバだが、それらを製粉して混ぜ物なしで生粉打ちしてみると、風味の濃い在来種、風味が薄いが甘味の強い在来種など、結構、個性が判るようになってきた。
その差異はどこから来るか?
それはその玄ソバが含有する「デンプン」と「タンパク質」の比率に拠っている。

同じソバなのに何故「デンプン・タンパク:比」が異なるのか?
いや、いわゆる在来種の違いだけでなく、標高、緯度、土壌の違い、畑の肥沃度、土壌酸度、はたまた同じ畑でもその気候によって毎年「デンプン・タンパク:比」が異なり、それゆえ風味も異なってしまう。
蕎麦の風味はタンパク質が多い甘皮部分に含まれているらしい。
とうことはタンパク質が多い玄ソバを作れば風味の強い蕎麦を打つことが出来る。

ソバの「デンプン」は茎や葉の「光合成」能力が強いほどたくさん生成される。
では「タンパク質」はどうか?
タンパク質の前身はアミノ酸である。
ではアミノ酸の前身は?
アンモニアである。

ということはつまり、よほど残留チッソの多い畑でない限り、倒伏を恐れて無肥料とか無チッソでソバを栽培してはならないということだ。
これまで栽培して風味が弱くてがっかりしたソバは、倒伏を恐れる(=刈り取りしやすい)あまり、チッソをやらなかったり控えたからではないか。
またある産地のソバ畑はスギナがびっしり生えていた。スギナが生えている畑は酸性土壌である、酸性土壌はチッソ(アンモニア)の吸収を妨げるのでタンパク質の生成も少なくなる。


2015年1月28日水曜日

ただそれだけ

加水率58~60%という驚異的な加水率の生粉打ちの蕎麦店が昨年末で突然閉店してしまった。
私など暖簾をくぐれない高級店であったが、閉店は残念。

ということで、このところ自分にずっと生粉打ちを課していて、うんざりするほど生粉打ちしている。
そうやって少しだけ分かったことは、生粉打ちの方が加水、延し、切り、茹での微妙な差が直截に現れるということ。
二八だとその差の幅が結構広くてごまかしが利くが、そば粉と水だけの生粉打ちはわずかのずれで食感、風味、コシ、のど越し、すべてが変って来る。

蕎麦打ちを始めた頃から不審だったのが、蕎麦打ちの指導書に必ず書かれている「捏ね」を金科玉条とする考え方。
それもつまり小麦粉をつなぎにするからこそであって、そば粉100%の場合はむしろ力に捏ねるのは禁忌なのだった。
生粉打ちに必要なのは、必要十分な「水」!! 
ただそれだけ。


生粉打ち・マイブーム

腰痛のため、2週間ほどあまり動かないでいましたが、今週初めから30分ほどウォーキングしています。舗装道路は硬くてきついので、川の堤防沿いの未舗装の道を歩いています。川の水面を動く鴨や白鷺などを眺めたり、ソバを叩くのにちょうど良さそうな二又の木の枝を発見したり、車での移動が普通の目には別世界です。


このところずっとつなぎの小麦粉を使わない生粉打ち、十割蕎麦です。
きちんと水を吸わせればつながることを再確認しました。
しかも生粉打ちの方が風味が際立ちます。
いくつもの在来種を生粉打ちしてみましたが、風味の差が歴然とします。たんぱく質の多い玄ソバ、デンプン質の勝った玄ソバ、個性がはっきり舌で感じられます。
ますます、楽しくなって来ました。
これまでの生粉打ち用の粉は安全のため50目で篩いましたが、そろそろ40目に移行してみようかなと考えています。

2015年1月25日日曜日

ソバ不作の理由


上のグラフはわが市の昨年度の降水量と日照時間をまとめたもの。
8月初め、ソバの種を播いてすぐに台風11号が来て100mmの降水があって発芽不全になったのは承知していたが、興味深いのは日照時間。8月は平年より日照時間がぐっと少なく、9月の中旬から下旬にかけては日照時間が平年より異常に多い。
ソバの開花結実のためには平年(緑色の点線)のように少しずつ短くなってゆく方がいい。平年の9月末から10月初めにかけてぐっと日照時間が少ないのは、秋雨前線によって曇りや雨の日が多いからだが、それがソバのためにはかえっていいのかもしれない。
昨年の8月9月の降水量と日照時間をじっと眺めていると、ソバ不作の理由が見えて来ます。

2015年1月20日火曜日

ドレッシング(荒らし方)について

同じ石臼と言っても、花崗岩・御影石・あるいは水成岩など緻密で硬い石と、安山岩、熔結凝灰岩、溶岩など多孔質の石臼とでは目立ての方法は同じではないと思う。
ことに溝の広い・狭い、浅い・深いの差は別にして、溝と溝の間、いわゆるLandと呼ばれる部分のドレッシング(荒らし方)も異なると思うのだが、一般的にはタタキで溝と平行に細かい筋をつけることだと考えられているようだ。
それは緻密で硬い石にあてはまるのかもしれないが、多孔質の石では必ずしも適切なドレッシング方法ではないのではないか? と思う。
多孔質の石では、それがあてはまらない。 

2015年1月19日月曜日

何とか外れました

腰が怪しいので電動化は夏以降とあきらめていましたが、何とか、上臼の軸受けも外れました。
右が先に外した下臼の軸。
左が外すのが難しかった上臼の軸受け。こちらは石材用の接着剤でばっちり固められていて簡単には外れないので、やはり電ドルに細めの刃をつけて周囲を少しずつ根気良く削ってゆき、ようやく外れました。穴が大きくならないようにぎりぎりの場所を削ったので、軸受けの外側も表面が削れて荒れています。
さすがは本職の仕事、しっかりした部材で作られていて、少々手こずりました。
これで、上臼に電動用のシャフトを受ける軸受けを付け、台を製作すれば、もうホッパーは1号機と同じ材料で製作済みだし、あとは形になるのが早い。
ただし、腰の調子如何でどうなるか分からない。
まあ、秋の新ソバ収穫の時期までに作ればいいくらいにのんびり構えていることにします。

  

2015年1月17日土曜日

味見は明日

気まぐれでダッタンソバ。
右は普通ソバの十一(外一)、真ん中がダッタンソバ6:普通ソバ4:薄力粉2、左がダッタンソバ10に薄力粉2。
以前、ダッタンソバ5:普通ソバ5:中力粉2で麺になったことがあったので、打ちやすさ(打ちにくさ)と麺にしての出来具合や風味、食感などを確認するための試み。

やはり、割合が多い方が黄色味が一層強い。
また6:4はひび割れもなく伸せたが外二の方はだいぶそっとやさしく伸さないと切れたりひび割れしそうな感じだった。


一応、切ることは出来たが、疲れたので、味見は明日。

2015年1月16日金曜日

今日も生粉打ち

今日も生粉打ちの練習。
一応40メッシュより粗いものは排除してあるが、風味、甘味はまずまず。
30メッシュでもいけるのかなと思わないでもないが、生粉打ちでも太いのは嫌なので、細打ちにするためにはやはり40メッシュかと。
それと、30メッシュと40メッシュの間には出来た蕎麦の風味と食感に、たかが10メッシュの差とはいえないくらい大きな差が出てくる。
それじゃ35メッシュはどうかという思いもあるが、もうちょっと40メッシュ寄りかもしれない。

それにしても生粉打ちは水だけでつなげる訳なので、その加水の仕方が実に難しいし、微妙。
40メッシュでも生粉打ちにしてはまだ粗いので、とにかく加水にひと工夫もふた工夫も要る。

次回は5%か10%、薄力粉だけを使ってどんな感じになるかテストしてみたい。

2015年1月14日水曜日

切りそろえが良くないのはご愛嬌

歩くとふくらはぎがどんどん痛くなる、「間歇跛行」という腰痛から来る症状が現れまして、ここ何日か、引きこもり生活をしておりますが、歩かなければ痛くならないので、今日もまた生粉打ちの練習。失敗が多いですが、今日はつながりました。
切りそろえが良くないのはご愛嬌。



やはり40メッシュにすれば楽につながりますし、のど越しも断然良くなります。
香りも、案外ピュアな感じで判りやすくなりました。
これで粗碾き卒業かも知れません。