しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2015年1月29日木曜日

風味のある蕎麦、考察その1

このところずっとつなぎなしの生粉打ちを続けながら、ソバの実あるいはそれを製粉したそば粉、あるいはそれを打った蕎麦の風味の元について考えていた。
ソバの実やそば粉の中身=成分構成は案外単純である。
そのあらかたは米や麦などの穀物同様に「デンプン」。
つづいて「タンパク質」、そして「「脂質」。
たったこれだけであの蕎麦の風味や滋味が表出される。
(多分、蕎麦の甘味は「デンプン」、それ以外の蕎麦の風味は「タンパク質」、そして蕎麦の香りは「脂質」、その揮発成分に含まれている!!)

ここ数年栽培してきたいろいろな在来種のソバだが、それらを製粉して混ぜ物なしで生粉打ちしてみると、風味の濃い在来種、風味が薄いが甘味の強い在来種など、結構、個性が判るようになってきた。
その差異はどこから来るか?
それはその玄ソバが含有する「デンプン」と「タンパク質」の比率に拠っている。

同じソバなのに何故「デンプン・タンパク:比」が異なるのか?
いや、いわゆる在来種の違いだけでなく、標高、緯度、土壌の違い、畑の肥沃度、土壌酸度、はたまた同じ畑でもその気候によって毎年「デンプン・タンパク:比」が異なり、それゆえ風味も異なってしまう。
蕎麦の風味はタンパク質が多い甘皮部分に含まれているらしい。
とうことはタンパク質が多い玄ソバを作れば風味の強い蕎麦を打つことが出来る。

ソバの「デンプン」は茎や葉の「光合成」能力が強いほどたくさん生成される。
では「タンパク質」はどうか?
タンパク質の前身はアミノ酸である。
ではアミノ酸の前身は?
アンモニアである。

ということはつまり、よほど残留チッソの多い畑でない限り、倒伏を恐れて無肥料とか無チッソでソバを栽培してはならないということだ。
これまで栽培して風味が弱くてがっかりしたソバは、倒伏を恐れる(=刈り取りしやすい)あまり、チッソをやらなかったり控えたからではないか。
またある産地のソバ畑はスギナがびっしり生えていた。スギナが生えている畑は酸性土壌である、酸性土壌はチッソ(アンモニア)の吸収を妨げるのでタンパク質の生成も少なくなる。


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