しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2011年9月20日火曜日

裏技

デジカメでソバの花の短柱花と長柱花のマクロ撮影を試みているが、気に入ったようには撮れない。取り扱い説明書で確認してみると、広角側で3cmまでしか近寄れない。ソバの花は小さいのでそれでは間に合わないのだろう。コンパクトデジカメではなく一眼レフに接写レンズを取り付けなければもっとマクロな写真は撮れないのかと諦めかけたが、デジカメのレンズの前にルーペを置いて撮影するという実に簡単な裏技があるらしいことが判った。そんな単純な方法で気に入ったマクロ写真が撮れるかどうか、明日、確かめてみよう。とにかく、花が開いている今のうちに撮らないと、来年まで機会がありません。

そういえば、玄ソバの水分を計る裏技もネット上で発見した。
先ず、100gの玄ソバを数分ごとに電子レンジにかけてはデジタルはかりで重量を計測、重量が減らなくなったら水分がほぼ抜けたものと考えて、減った重量を100で割る。仮にそれが0,15であったら水分15%でほぼ適正、0,25であったら電子レンジで乾燥させなかった元の玄ソバをさらに天日乾燥をし、それからもう一度100gの玄ソバの水分を電子レンジで飛ばし、重量を計る。
この方法も、ソバを収穫して乾燥する際に試してみよう。
ソバ栽培一年目からずっと乾燥させすぎで、ことに一年目などは製粉会社で水分計にかけられたら11,9%だった。乾燥させすぎはソバの風味を落とすに決まっている。
どうも穀物はだいたい15~16%が適正水分であるらしい。

電子レンジといえば、先ほど、採って来ても誰も食べないミニトマトを電子レンジを使って水分を飛ばし、ドライトマト作りに再チャレンジしてみた。数年前に天日乾燥で試みたが結局カビが出て失敗してしまった。電子レンジでやってみると、すごい簡単だった。このまま真空パックして冷凍庫に入れておくか、オリーブ・オイルに漬けておけばいい。

15号台風がまっすぐこちらに向かっています。
ウァーン・゚・(ノД`)ヽ(゚Д゚ )ナクナ

2011年9月19日月曜日

暴走ソバ2m

しばらく前から書いているが、自家菜園に播いたT在来がとうとうもっとも長いもので高さ2mに達した。手前が少し倒伏しはじめたので、支柱を斜めに立てて支えたが、全体はまだ立っていてそれもまた驚異的だ。
台風15号がこちらに向かって風雨が強くなればきっと転ぶだろうけど。




まだ、午前中に行ったら蜜の匂いが臭く、花盛りの状態だが、このT在来の翌日播いた信濃1号はこんなに実がつきはじめている。


どうもT在来の方が生育日数が長くなりそうなのは、T在来が九州産だからもっと播種を遅らせるべきだったということなのかもしれない。
しかし、T在来とN在来は本当に蜜が臭いが、信濃1号は臭くない。どうしてだろう?

それから、長友大「蕎麦考」の第8章「そばの家庭栽培」という短い文章の書き出しに、「さて、この書物のそばのことわざのところで「そばの赤すね」について書いたが、これはそばの茎が鮮紅色に色づく現象なのである。」と書かれていてさらにこう続けられている。
つまり、そばは肥料の効いているうちは茎に赤みは出ないけれども、肥料不足のそばは茎に鮮やかな赤味が出るので、印象的なあまり「そばの赤すね」と称したのであろう。この茎が赤くなるのは、秋の収穫期のころにもよく見られることなので……
先日の在来種ツアーでもこの赤すねのことが話題になったが、「ストレス」で赤くなるという言葉しか出なかった。長友博士の言を借りれば単純な肥料不足で赤くなることになるが、土壌中に肥料があっても何らかの「ストレス」で肥料が吸収できない場合、これも赤すねの原因となる。
土壌中に肥料があっても吸えない状況は、たとえば旱魃、酸性土壌などが考えられる。
無論、この場合の肥料というのはチッソ肥料のことである。
私のT在来のように野菜を栽培して石灰も肥料も十分入っている畑では肥料が好きなだけ吸えるので2mにもなってまだ茎が青々している。これも困ったことです。
何となくこのそばの「赤すね」の問題とルバーブの茎が赤くなるのならないのという問題と重なっているような気がしますが、これ以上先へ進めないのがしろうとの悲しさです。

2011年9月18日日曜日

ソバに肥料はいらない?

長友大著「蕎麦考」(柴田書店・1976年)を夢中で読んでいる。「ソバの科学」(新潮選書・昭和59年)と重複している部分もあるが、二度読んでも刺激的な考察がいっぱいで深夜まで興奮状態が止まらない。
第7章「そばの栄養と調理」に(4)そばの灰分にも興味深い叙述があった。
殻つきのそばの実の灰分は2,74%、殻を剥いだ(つまり「むきみ」)の状態では灰分が2,13%。この差は別段どうということはないのだが、次の記述、
「灰分の組成、つまり、灰分中にもっとも多いのはリン酸で全体の48%を含み、リン酸が約半分を占め、カリは25%でこれについで多く、残りの半分を占めている。ついでマグネシウム、ナトリウム、カルシウム、塩素、酸化鉄、硫黄の順となっている。
この、下線を引いた部分に目が釘付けになった。
実は私も今年度は無肥料ではなく、リン酸とカリ、マグネシウムを含むものを混合して、播種鎮圧後の畝に撒いたのだった。
私は類推でそうしたのだったが、このデータはその裏づけをしてくれている。
ソバに肥料はいらないという言い方はやはり正確ではないのだ。確かにチッソは不要か少量でいいが、少なくとも、タンパク質やでんぷんの豊富なそば粉を得るためには、他のリン酸、カリ、マグネシウム(苦土)などは必要なのである。痩せ地で無肥料栽培で栽培したのでは痩せた秕(シイナ)ばかりで唐箕から飛び出してしまう。
私は三角の実がたんぱくやでんぷんで丸くなってはじけそうな、そういうソバを栽培したいのです。

2011年9月17日土曜日

頭の中でぐるぐる

台風15号がまたまた挙動不審でいやな感じがする。
どうかこちらに来ませんように。

仕事でN原の西の方へ行ったので、当然のように帰路迂回してソバを見廻り。受粉も盛りを過ぎ、薄緑色の灯籠のような実が結構びっしり付いている。このまま雨風の害が無ければすごい豊作のような気がする。そのまま、ついでに二列しか播いてないK在来の様子を見、自宅近くでまた花園1,2,3号地のN在来、自家菜園のT在来も見た。
一番急いでいるのがN在来ですでにかなり黒い粒が目につくようになったが、T在来とK在来はまだ花盛りでうん○臭い蜜の匂いが芬芬としている。
N在来の黒化しているのを百数十粒くらい採取してきて手で揉んで蕚などを取り去り、乾燥させているが、黒化が十二分すぎて真っ黒であり、とてもあのN在来のようには見えない。やはり、場所、気候、土壌などが変わるとソバも変わるのかもしれない。

どうも、先日のツアー以来、ソバ栽培についていくつかの常識が間違っているのではないかというような疑念が生じて、頭の中でぐるぐる廻っている。

夜になって、「ソバの科学」の長友大博士の著書がほかにないかと思って検索したら、「蕎麦考」という本がAMAZONのマーケットプレイスに出品されていたが価格が8,900円で手も足も出ない。と思ってそのページを閉じ、検索ページに戻ったが、何と版元の子会社のライブラリーのページに無料コンテンツとしてpdf版で全文アップされているのを発見。表紙も口絵も全部ある。
ひえ~。ありがたくDLさせていただきました。
A4用紙に見開き2頁ずつ印刷して厚みが1cmあります。内容は少しは「ソバの科学」とダブっているところもありますが、通読する価値は十分あります。

2011年9月16日金曜日

短柱花と長柱花?

ソバには短柱花の株と長柱花の株があるという。短柱花の株の花は長柱花の株の花の花粉を得て受精し、長柱花の株の花は短柱花の株の花の花粉を得て受精し、実をつける。短柱花同士や長柱花同士では受粉しない。なんだか男と女のようでもあり身につまされる。

写真を撮ってみたが良く分からない。

これが短柱花で

これが長柱花?

いや、逆ですね。
上は雄蕊短く雌蕊が長いので長柱花で、下が赤い雄蕊が長く中央の雌蕊が短いので短柱花。それにしても、短柱花と長柱花の雄蕊の色が白だったり赤だったりするのはなぜ?

2011年9月15日木曜日

異様に背丈を延ばしていて

二日留守にしただけだが、気になって3ヶ所の蕎麦を見回りしてみた。花園とN原は三日前と見かけ上は変わらず、まだ黒化したものもそう目立たない。
ただ、自家菜園に播いたT在来が異様に背丈を延ばしていて驚いてしまった。二日間見学して見て歩いたどのソバもこんなに伸びてはいないが、それでも倒伏していないのは不思議。(カメラを忘れたので明日にでもアップします)
明日以降、今回のソバツアーで感じたこと、考えたことを整理してみようと思っています。




妻の実家から、この春管理機をいただいたお宅に稲わらカッターがあるが要らないかと電話があった。自走式ではないが、カッター自体にはホンダエンジンが載っており、エンジンのかかりはいいという。利用場面は一年に一度くらいだが、いただくことにして、引き取りに行って来た。紛失したらしく無い蝶ねじを購入して来たり、2本あるタイヤの一方がリムからはみ出しているので、ホームセンターで交換用の一輪車のタイヤを購入して来て交換。これで使える状態となった。エンジンはほんとうに一発で始動する。

2011年9月12日月曜日

品種の差で蜜の匂いまで異なる?


N原の信濃1号もだいぶ受粉したらしく、下も上もこんな風なふくらみが見えて来ました。
今年は豊作かも……などと考えながら、ふと気づきました。N原の信濃1号は蜜の匂いが薄いというか、花園1,2,3号地のN在来の蜜のぷーんと鼻を突くあくどい匂いに比べると品がある。品種の差で蜜の匂いまで異なる?



こちらは花園1号地の早播きしたN在来のすでに黒化し始めたものを少し採取。それにしても、標高差のせいか、土の質のせいか、予想していたより粒が大きめ。それから、チッソ肥料は施さなくても、石灰で土壌酸度を矯正してやると、土壌中のチッソの吸収が良くなるのか、結構ソバの草丈が大きくなる。生育が旺盛になってソバが大粒になるのを避けたい場合は、弱酸性のまま栽培した方がいいのかもしれない。

2011年9月10日土曜日

実生のねずみ大根

早朝、自家用野沢菜少々の種まきに行き、作業終了後にふと採種用のねずみ大根の種がこぼれて発芽したものをそのまま間引いて放置しておいたのを思い出した。きちんと播種したねずみ大根はまだ双葉に本葉が一枚出たくらいだが、実生のねずみ大根は見えている部分で直径5cm位になっているものがあったので3本ほど抜いてみた。



肌が汚いのは大根の大敵であるジムシ(キスジノミハムシ)の幼虫に食べられた傷跡。無農薬の証である。
これで、ひとりで食べる蕎麦であれば3回分、から5回分くらいは使えそう。蕎麦屋さんと違ってあまり大きくない方が使い勝手がいい。
3本を観察するに、まだねずみのお尻のような形にはなっていない。どうも、丸葉のものはお尻が丸くならず尖ってしまうようだ。葉の切れ込みが鋭角で深いものを選んでおいて、採取用に植え直すのが良さそう。来年度の採種の際はこのことを忘れないように。

これで、先日打って冷凍してある蕎麦を食べてみよう。



午後、ほんとうに久しぶりに新幹線駅近くのショッピングセンターへでかけた。ふだんは混雑を嫌って足を向けないのだが、久しぶりに行って驚いた。土日の旧商店街はそれこそゴーストタウンで老人の姿さえ見えないのだけど、ここには子どもたちや若者、都会風のお姉さんたちまでガヤガヤしている。スターバックスもここにはあって、何と満席に近い。
妻の勧めで綿パンを一本買ったが裾直しが一時間後だというので、食料品を買うのに付き合って、さらにふたりで書店で時間調整していて、結局以下の2冊を購入してしまった。
「地上の見知らぬ少年」J・M・G・ル・クレジオ 河出書房新社 2800円
「信州蕎麦ごのみ」山口美緒 信濃毎日新聞社 1400円

ル・クレジオの本は発行されたことを知った時から欲しいと思っていたので、よかった。書き出しからして泣かせる。
小説の起源を遡ってゆくと叙事詩に行き当たるというのが実感される小説だ。

追記
訳者あとがきによれば、本書は「海を見たことがなかった少年」と並行して書かれた長編エッセイである、と。
へえ、そうだったんですか。
小説であれエッセイであれ、ル・クレジオの思考や感性の動くままに書かれたエクリチュールであることに間違いはない。ジャンル分けなど無意味な領域の、純度が極めて高いエクリチュールではある

2011年9月9日金曜日

ソバ機械刈りのチャンス


あいかわらず他の種類に比べて蕾、花の数がかなり少ないT在来。データを見てもそんなに生育日数が長い訳でもないので、播種時期がちょっと早かったか。


こちらはN原の信濃1号。お行儀良く立っていて草丈もほどほどなので、見ているうちにバインダー(稲刈り機)で刈れそうな気がしてきた。我が家のは二条刈りなので妻の実家にある一条刈りを借りてきて、試みに機械刈りしてみたいような気がする。黒化率60~70%くらいでまだ霜にあわない内なら脱粒も少なめで済むかもしれない。このように倒伏せずに立っている年でなければテストできないのだから、やってみるべきだろう。
ちなみに花園1,2,3号地のN在来も播種時期が早すぎたか、多雨が影響したか、猛烈に草丈が伸びて、私の目線と同じ高さどころか、私の身長と変わらない位置に花が咲いている株もたまたまある。長いにもかかわらず倒伏はそんなにしていないが、長いので刈りにくいのは事実。ちょっとここは苦労するかもしれない。
台風12号が接近中に咲いた花はまったく受精せず、実がついていない花房が見受けられるが、ここは花房数や花数はすごい数なので収量は心配しなくても良さそうな気がする。


以下はソバ畑のお客様たち。
ソバの花の蜜の匂いって、独特ですね。ソバの花の蜂蜜、売っていても買わないかもしれない。



つながりトンボがつながりながら蜜を吸ってます、何と器用な。



ようやくミツバチ。花園のソバ畑にはミツバチが少なく、N原にはミツバチが多い。


2011年9月6日火曜日

狂っております

カメラを持ってゆくのを忘れたが、自家菜園のジャガイモの跡地に播種したT在来の花が、相変わらず蕾の形成が遅くて考え込んでしまった。西日本のものであるからそうかもしれませんが。ついでに別の場所のK在来も見に廻ったが、こちらはもともと播種が遅かった上に水稲育苗用のビニールハウス内で水分が少ないせいでかなり遅れていたのだけれど、蕾が見えて来た。これも西日本のもので、採種用として入手出来た289粒を一粒ずつ播いたものなので、食用に出来るほど収穫出来ないはず。だが、一度100gでも200gでも蕎麦にして試食できればという願望はある。
いったい、289粒からどれだけ収穫できるのだろう。昨年、N原では2,5kgくらい播種して173kg獲れた。乾燥して減ったとして160kg÷2,5=64倍。すると3kgくらいは獲れそうだが、あいにくと土が山の赤砂混じりの酸性気味の土なのでその半分くらいに見ておいた方が良さそう。葉の色が黄緑色で茎の成長もやや貧弱なのは、どう考えても土がやや酸性気味のためだろう。いまさら遅いが、気休めでもいいから根元に少し粉の苦土石灰でも散布して土寄せしておこう。
それにしても4ヶ所に4種類というのは狂っておりますが、4種類すべて石臼で同じ製粉工程で粉にして篩いをかけて、蕎麦にして食べ比べしてみたいと思っています。(来年は2種類くらいにいたします)。

あるのも忘れていたRhubarb Wineを思い出し、少し飲んでみた。酸味も、混ぜた柑橘の苦みも、アルコールもきつい。また忘れてしまってずっと寝かせておけば良くなるものかどうか。

2011年9月5日月曜日

ソバを栽培する者には至福の時

午前10時頃、Tさんから電話があった。一昨日、昨日と二日続けてN原のソバ畑を見に行って来たとのことで、倒れていないし今年のソバは見事だとやや興奮気味。やはり蕎麦を打つ床屋のYさんがこのソバ畑を羨ましがっているという。
そういえば9月1日に見回りに行ったきり、何となく少しは倒伏しているような気がして今日まで行って見なかったのだった。Tさんとの通話を終えてから車を走らせてN原に行ってみた。



畝間にびっしりハキダメ菊が発芽しているが、ソバがここまで生長してしまえばハキダメ菊には負けないでしょうね。



9月1日よりまた花が賑やかになり、畝間も盛んな分枝によってだいぶ塞がって来ました。管理機で除草土寄せをするには90cmでなく80cmの方がいいかと思っていましたが、分枝が盛んで畝間が塞がれば90cmでもいいかなとも考えます。
昨年までは悪戦苦闘でしたが、5年目にしてようやく先ず先ずのソバ畑になってきたような気がします。これで明日あたりから天候が良くなってミツバチほかの昆虫たちがたくさん集まって来てくれればいいのですが。
これからしばらくの間は花が満開でソバを栽培する者には至福の時です。

2011年9月4日日曜日

そんな完璧主義は無理ですけど

気温30度以上の暑い日に氷水でキュッとしめた蕎麦を食べたいと思って、7月、8月に3回蕎麦を打って3回とも失敗した。そんなに加水を多くした覚えは無いのだが柔らかすぎで、すっかり自信喪失したままだった。
だいたい、何が下手といって、ソバを栽培することより、玄ソバを製粉することより、何より蕎麦打ちが下手なのは自覚していたが、延すことが出来ないソバの固まりを捨てる屈辱というもの、結構大きい。舌を噛むか首を吊って死んでしまいたいくらいでありますが、今日はたまたま妻も母も外出して誰もいないので、恥かきついでにもう一度、播種して余った信濃1号を電動石臼で製粉し、粗碾きだと失敗するに決まっているので80目で篩った粉で打ってみた。それも加水は40%を一気に加水し、以後は数回に分けてチビチビ加水。最終的には多分45%くらいだがそれでもちょっと柔らかかったので、夏の蕎麦打ちの怖さを実感。
一応は切れずにコシのある蕎麦になりました。
辛い大根が無いのが切なかったですし、玄ソバの保管もいい加減だったので新蕎麦ほどの香り、風味は望めませんが、真夏の蕎麦としては先ず先ずこんなものではないでしょうか。
水回しの時にぷーんと香り立つ新蕎麦が待ち遠しいですが、そのためには刈り取り適期を逸しないこと、乾燥しすぎないこと、上手に製粉すること。
そういえば、手打そばの神様みたいなひとの本に「甘皮の果たす大事な役割」という段落があるのですが、私がそば粉の製粉でいちばん知りたいことが「私流の奥の手を加えて」とだけ書かれ、その実際が明かされていないのです。ご本人もここで3回「私流の奥の手」という言葉を繰り返したことの言い訳をこの段落の終わりで言われていますので、まあ、この先は自分で考え、試みてみなさいということなのでしょう。

もうひとつ、「どの程度まで」粉にするかというのは、歩留まりの問題である。甘皮はタンパク質を主成分としているが、繊維質も含んでいる。そこで、ほとんど粉にしてしまった場合は口あたり、歯ざわりが悪くなり、かつ、腹が張って消化に手間取ることになる。また、へたの目くそとも言うべき部分、一般に気がつかぬ部分が砕けて、粉が茶色になり、ホシも増えて食味を殺ぐ。
ともかく、甘皮を望ましい形で粉にすることはたいへんな難問である。
そして結局は石臼で手碾きして望ましい粉を得られていることを書いて、この段落を締めくくられています。
そういえば、今年になってようやく古い在来の石臼を電動化して粉に碾くことを始めた私のいちばんの実感は、石臼碾きのそば粉は素敵にふわふしているということでした。同じ60目なり80目の篩いで篩っているのですから、石臼碾きであれ、製粉会社のロール碾きであれ、金臼式の簡易製粉機であれ同じはずなのですが、実際に石臼でゆっくり1分間に15回転くらいで碾いたそば粉はふんわりしてたっぷり空気をふくんでおり、しかもその微粒子同志が両手をつないでスクラムを組んでいるようにさえ思え、ロール碾きや金臼で製粉された粉とは明らかに異なる、「至上のそば粉」のようにさえ思えて来るのです。
それも多分、種を播かれた時から刈り取り、脱穀、乾燥、そして製粉、蕎麦打ち、そのすべての工程が完璧になされて……そんな完璧主義無理ですけど……。

2011年9月2日金曜日

安物買いの銭失い

仕事で外出したついでに、ある工具を探そうとホームセンターへ寄ってふらふら棚を見て歩いていて、こんなものが目に入った。


「超硬鋼」!! 両刃タタキの先端と同じではありませんか。両刃タタキと違って片刃、幅が28mmとやや狭いこと、重さも軽いのが難点だが、両刃タタキは2万円近い。それに比べたら2千数百円と安い。
年寄りの言う「安物買いの銭失い」という言葉が脳裏をかすめたが、目をつむって購入。
帰宅後、電動化した石臼を叩いてみた。溝と溝の間に筋を付けて面を荒らす程度のことは出来るようだ。こつこつ叩いて上臼の面を叩き終えてしまった。これでますます石臼の性能アップか。ただし、あまり粉が細かくなりすぎるのもどうかと思うが、石臼は甘皮専用にするかもしれないので、細かい方がいいといえばいい。

2011年9月1日木曜日

見廻り

台風が来る前にソバ畑の見廻りにでかけたが、ふと気がついた。

  
T在来 8月3日播種


信濃1号 8月4日播種。


一日遅く播いた信濃1号の方が花が咲き始めているのに、T在来はまだ蕾がちょこっと見えるだけ。おそらくT在来の方が生育日数が長いのだろう。


7月29日播種の花園ソバファームのN在来は大満開。すごい花の数です。

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これが台風で倒されるのはつらい。