しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2012年3月18日日曜日

気温と蕎麦の風味

口ほどにもなく蕎麦を打つのがへたくそな私ですが、これまでに数回、自分の打った蕎麦に満足した時がありました。こんなおいしい蕎麦が打てて、食べることが出来て、これを至福と言わずに何というのだろう、みたいな。
いちばん近くは、今年の2月下旬に、高校時代の旧友3名との蕎麦会のために打った蕎麦。噛み心地、喉越し、そして何よりも風味が雑味が排除されて実にピュアで、噛んで舌から鼻に抜けてゆく蕎麦の味と香りが実にはっきりしていて、官能的でさえあった。
 なぜか、ああいう蕎麦がコンスタントに打てない。
 それは単に私の蕎麦打ちの技術が下手なだけでなく、気温が大いに関係しているのではないかと類推される。
 寒中というか、厳寒の頃に蕎麦はもっとも風味を強くするのではないか。
 ちなみに真夏は蕎麦が打ちにくく、しかも風味も情けないほど薄くなってしまう。
 打ち難さは加水の問題だと判ったので、この夏にはクリア出来そうだし、風味の問題も粉ではなく玄ソバのまま「低温無酸素状態」で保管し、直前に石臼製粉することでクリアできそうな気がします。

 それからもうひとつ。
 在来種は確かに風味が濃いが、歩留まりはやはり玄ソバ換算で65~70%に留めるべきで、それ以上の歩留まりも可能だが、それをすると開花期の在来種のソバの花の蜜の匂いに似た香りが混入してしまう。あの、堆肥臭いような、うんこ臭いような、もやもや、むうっとした匂いが蕎麦の香りの周囲にまとわりついてしまう。
 ということで、そば殻を徹底的に排除すべきなのと同じくらい、在来種は甘皮をすべて碾きこんではいけない。5%は捨てましょう(と類推せざるを得ないのでした……)

2012年3月17日土曜日

記事引越し

本日、こちらに別URLを取得し、記事をすべて引越ししてタイトルも変更した上でブログを続行することにしました。
希少な読者の皆様、<m(__)m>

2012年3月16日金曜日

いよいよ春

 3月2日に播種したRhubarb。



発芽直後はみな同じに見えるが、それから一週間ほど日光にさらされると、こうして茎の色がそれぞれ異なって来る。
栴檀は双葉より芳しというが、赤いRhubarbは双葉より赤い。
ほんのり赤いの、根元からほぼ薄緑色のもの、かなり赤いの。
このなかから特に赤いものだけを残して、育苗用ポットに仮植して更に観察。
この後、3月13日にふた箱、今日16日にひと箱播いたので、もう1000粒以上播いた計算。とにかくどんどん播いて赤いのを選抜するのみ。

2012年3月13日火曜日

下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる

先日、先に育苗トレーひと箱に播いたRhubarbがほぼ発芽。ただし、採種時期が早すぎたのか、発芽率がかなり悪い。見た目、70%あるかないかというところ。購入した種だと95%くらいは発芽するので、かなり数字が悪い。未熟な種が多いのだろう。
今日、さらにふた箱播種。ひと箱に300以上播種してあるので、これで1000粒くらいは播いた計算。
とにかくどんどん播いて、そして見込みの無いものは間引き、たとえ100本に1本でも赤いものを残して育苗ポットに仮植する。

2012年3月7日水曜日

公開設定変更

ある事情から、本日より、このブログは自分以外非公開という設定に変更。
ウェブ上の個人的な蕎麦に関する記録帖ということに。

2012年3月4日日曜日

それでも構いませんが

野菜くずを菜園の隅の掘った穴に捨てに行ったついでに、ルーバーブの株を見たら前回よりも新しい芽が増えていた。いよいよ萌芽が始まる。今月後半は株分けや植え替えに好適な時期だが、赤茎系はまだ株分けできない。早くても来年か。
昨日は、昨年たくさん採取できた赤茎系の種を400粒くらい育苗箱ひと箱に播種し、水稲育苗用で今はまだ空いているビニールハウス内にトンネルを作ってそのなかに置いた。発芽したらまた播いてというように反復して播いて、双葉から本葉一枚出たくらいの大きさの内にその形質や特性を判断し、ダメなものは抜く。残して育苗ポットに移植するのは、おそらく100本に1本。それを本葉5枚くらいまで育てながらさらに見込みの薄そうなものは捨てる。
そうして残ったものを菜園に植えてみるが、それでも一年後にはダメで抜いてしまうものがある。欲しいと思っているような株は10000本に1本か、もっと少ない確率かもしれないので、目的を果たせないうちに死んでしまう可能性がある。ま、それでも構いませんが。

2012年3月3日土曜日

自分への戒め

蕎麦の香りに関する25年ほど前の研究報告を読んでいた。かんじんな試験データがすべて英語表記なので、久しぶりに辞書片手にデータを読み解こうと苦心惨憺。
試験データからヘキサナールとかノナナールという揮発成分が蕎麦の香りを特徴づける重要な成分と記されているのだが、しかもこれらの成分が製粉後のたった二日で500という数値が350、400という数値が250まで減少してしまい、さらに10日目にはほぼ半減しているのには驚いた。香り成分は揮発成分であるから空気に触れているとどんどん揮発していってしまうということらしい。
やはり、製粉したら一分でも五分でも早くに密閉容器に入れて酸素から遮断するか、蕎麦にして食べてしまうのがいいということになる。やむをえず時間を置く場合には、やはりガスバリア袋に脱酸素剤とともに封入、それを低温保管するのが、最善でなくても次善の策。
それから、内層粉はある程度微粉でも構わないが、外層粉はやはり50メッシュ以上には碾かないで、出来るだけ粗碾きにしておく方が、香り成分の揮発が防げる。
微粉から粗碾きまで、粒度分布が広いそば粉がよろしいようで、私が試みた外層粉も時間をかけて細かく碾くというのは、やはり香りが飛んでしまうのでよろしくないことが判りました。
しかし、それだけじゃない、ふるいにかけて振動させる、あの揺さぶり自体がソバの香りの揮発成分を飛ばしてしまうような気がします。二度碾き、三度碾きしてその度にふるいにかけるなどというのはもっとも避けるべきで、ゆっくりと、一度で粒度分布の広い碾き方をし、それを30目くらいの篩でそっとふるう。なんだか神経戦ですね。
蕎麦を初めて栽培し、製粉を委託に出して戻って来たそば粉が、色白で微粉で打ちやすい粉ではあったが風味がかなり薄かった。さらに市内の個人の精米所で蕎麦の製粉をしているところがあって、そこで碾いた普通のそば粉と寒ざらしのそば粉を、別の人からいただいたことがあるが、これも色白、微粉でムチャクチャ打ちやすく、しかし風味の薄い蕎麦であった。
こうなると、ソバの品種や産地がどうのこうのという以前に、製粉や製粉後の保管の仕方をきちんとすべきだろう。そこからソバの品種や産地、栽培方法について考えていかないと、いつまでも風味の薄い蕎麦しか打てない、口に入らないということになる(という自分への戒め)。

2012年3月2日金曜日

ダッタンそば、再び

たまたま忘れることもあるが、いまだにダッタンそばの粉をお湯に溶いたものをマグカップに一杯飲んでいる。ダッタンそば茶というものが販売されているが、それよりダッタンそば粉を溶いて飲む方が効率的であろうと「ダッタンそば湯」にして飲み始めた。もうほぼ一年くらいになる。
たまたま、一昨年ある都道府県で開かれたソバセミナーの資料に目を通していたら、ダッタンそばについての講演が記録されていた。
すでに知られていることだが、ダッタンそばはソバの100倍もルチンを含有しているというが、水に触れるとルチン分解酵素の働きでルチンが苦味のあるケルセチンに変化してしまう。
ルチンがケルセチンになろうが効能は失われないので構わないが、とにかく、水に溶くと
苦くて飲めない。沸騰したお湯に溶くとダマが出来てしまう。いちばんいいのはどうやら80℃くらいのお湯で溶くと、溶けもいいし苦味もあまり出ない。要するに熱処理するとルチン分解酵素が失活するらしい。

昨年はダッタンそばの栽培は大失敗して発芽したもの1本という惨憺たる結果だったが、今年も少なくとも自分が一年間飲用するだけの粉が出来るくらいの栽培はしてみよう。一年間で数kgあればいいので、玄で5~6kgくらいも収穫できればいい。
種は1dlもあればいいだろう。もう購入先は決まっている。

2012年3月1日木曜日

九割方

蕎麦の香りに関する論文などを収集、大事なものはファイル保存したうえでプリントアウト。ソバ粉の揮発成分をガスクロマトグラフィで同定した論文も発見。
そういった研究者の読解困難な論文とは別に、ある蕎麦屋さんがブログでこんな風に簡潔に書かれていて、体中の力が抜けました。
先ず先ず、製粉の方法が九割方、明確になってきました。
となればますます、もっといい石臼が欲しい。
しかし、そのいい石臼というのがどういう石臼なのか、ハムレットではないが、それが難しい。

そういえば、またルーバーブの種を播く時期が迫って来ている。
倉庫内にしまった種を探し出してきた。千にひとつ、万にひとつ、あるいはもっと希少な株を探し出すために、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるとばかりに、今年は播いて播いて播きまくります。育苗箱に播種して、双葉から本葉3枚くらいまでの間に、多分、首まで赤いだろうと思えるものだけを選抜、他は容赦なく捨てる覚悟。
それにつけても、人間て勝手ですね。自分に都合の良い形質のものを1つ見つけるために、他の999、あるいは9999を捨てるんです。  何だかな……。

2012年2月29日水曜日

またまた怪しい類推、蕎麦のPS比

CN比という言葉がある。これは植物体に含まれる炭素/窒素の比率を言う。炭素率とも言う。具体的に例をあげれば、レタスやキャベツなどの葉物野菜はCN比(炭素率)が低い。炭素より窒素が多く、腐るのが早い。他方、葦の茎などはCN比(炭素率)が高い。つまり、繊維質の多いものほど炭素率が高くで腐るのに時間がかかし、繊維質が少ないものほど腐るのが早い。堆肥などを作る時に、野菜くずでは早く腐るが腐植が少ないので堆肥として残る部分が少ない。また葦などは繊維質が多く、炭素が多いのでなかなか腐らないが、腐植部分は多いので、堆肥として土の隙間を作ったりして団粒化を促進するので、根の張りが良くなり、生育が良くなる。
(余談だが、もっと炭素率の高い木材などは粉砕して堆肥作りの際に混ぜたとしても非常に腐りにくい。だから木材はむしろ窯で蒸し焼きにして炭にする方が理に適っている。楢などを焼いた炭よりも備長炭が硬く火力が強いのも、備長炭の原料であるウバメガシの方が楢より炭素率がずっと高いからである)

同じように、ソバの実は内層にデンプン(Starch)、外層にタンパク質(Protein)を多く含んでいる。
デンプンが多いそば粉は、たとえば更科粉のようにコシや喉越し、甘味はあっても香りや蕎麦の味は薄くなる。またタンパク質が多いそば粉は粘りがあり、香り、蕎麦の味は濃いが、うまく打たないともちもちし過ぎたり、下手をすると歯ぬかりする蕎麦になりかねない。
ということで、やはり、タンパク質(Protein)とデンプン(Starch)との理想的な比率があるのではないか。
それが、PS比(Protein/Starch)。
在来種や小粒のソバは、小粒な分だけ内層のデンプンが少なめなのでPS比(タンパク率)が大粒種より高くなり、それで風味が強く感じられる。
ということは、たとえば信濃1号や常陸秋そばのような大粒種であっても、外層粉と内層粉の比率を調整すれば風味を強めに出来るのではないか?
とはいえ、一番粉、二番粉、三番粉という風に碾き分けないで、石臼で一回で碾いてしまう場合などは比率の調整はむずかしい。
しかも、同じ甘皮のタンパク質(Protein)であっても、あまりにきりきり碾いて微粉にしてしまうと風味は寝ぼけた感じになって、薄くなる。むしろざっと粗く碾いた方が香りも味も鮮明にくっきりクリアになる。微粉の甘皮は香り成分をどんどん揮発してしまうが、粗碾きは香りと味がある大きさで固まったまま温存されているので風味が強くなるのである。
ただし、粗碾きになればなるほどつながりにくくなるし、噛んで風味が横溢するようになり、ろくに噛まずにつるつるっと喉越しを楽しむ江戸っ子の蕎麦とは対極の蕎麦になってしまう。
その両方を生かせる蕎麦って打てないでしょうか?
案外、超粗碾きを二八か一九、あるいは十一で打つとバランスがとれたりして。
(何とも怪しい類推……汗々……ただの独り言にすぎませんのでスルーして下さい)

2012年2月27日月曜日

延命策

ある伝票入力ソフトをダウンロードし、インストールしようとしたら、すでにインストールされている販売管理ソフトや会計ソフトといっしょにインストールされたらしいデータベースが競合してしまって、インストールできないことが判明。
しかたなく妻のノートPCに入れようとしたら、安く買った古いパソコンなのでメモリが不足でインストールできません、と。
それじゃ諦めるかと思ったが、メモリの増設という手もあると思い、検索した。適合するメモリがあった。メーカー直販価格が一万円ちょっと越えているものが、三千数百円・送料無料。
ということで即刻オーダー。これで動きが遅くていらいらしていた妻も少しはストレスが軽くなるだろうし、パソコンの延命策にもなる。

2012年2月26日日曜日

自分の勘で測って近づいてゆく

製粉の仕方について再考させられ、目からうろこが何枚も落ちる事態が発生した。
これまで、粗碾きでなく微粉であっても、ある程度甘皮を碾きこめば風味のある蕎麦になると甘く考えていたのだが、どうもそうではないらしい。
つまり、蕎麦の風味、ことに香りは一種の揮発性のエーテルのようなものであるから、微粉にすればするほど、製粉した時点から香り成分は揮発して失われてしまう。
(だからこそ、「碾きたて」が重要視されて来たのだった!!)
(そういえば、蕎麦を栽培した一年目に製粉会社に製粉を委託で出して戻ってきたそば粉が、妙に色が白くて粒子が細かくて、蕎麦打ち未熟な自分でもあっさり十割でつながったのだけど、何とも風味の薄い蕎麦で、一瞬中国産のそば粉とすり替えられたかと思ったくらいだったし、それで「これではどんなに苦心してソバを栽培しても、製粉も自分でしなければ意味が無い」と考え、自家製粉というドン・キ・ホーテ的行動に突っ走ったのだった)
他方、粗碾きはといえば、内層のデンプン質はあっさり微粉になってしまうが、風味成分の多い外層の甘皮部分は細かくなりにくい。そのために風味成分は粗い粒子のなかに封じ込められ、温存されているのだ。
だから、粗碾きのそば粉で打たれた蕎麦は味も香りもくっきりと濃くなる。
そう思い至れば、現在、最前衛を走っているプロ・アマの打ち手がこぞって「粗碾き」にこだわるのも十分どころか十二分に腑に落ちる。

などと類推しながら、ここ数日、石臼に関する本を再読するのと超粗碾きのそば粉の打ち方についての検索を続けた。
すると40目のふるいが欲しくなった。前回30目を買った時に40目にするか30目にするか迷った挙句に30目にしたのだったが、やはり40目も必要な気がする。40目は径の小さいものは自家製粉を始めた時に購入してあることはあるのだが、これは蕎麦を打つ前にソバ粉を篩うために使っていて、製粉にはやはりもっと径の大きいものが必要。近いうちに40目の尺二寸を買って来よう。

現有のふるいは、100目、80目、60目、40目(8寸)、30目だが、今になって判ったことは、100目、80目のような細かいふるいは不要だったということ。
石臼で碾くと細かいのから粗いのまで分布が広いので、細かいふるいで篩うのは意味が無いというか、そば粉は粒子が細かければ細かいほど風味が薄くなるということが身にしみて体感出来た。

理想は、先に雑味や色黒の原因であるそば殻を徹底的に排除しておいて、それから石臼にかける。それをふるいにかけて、二度碾き、三度碾きしなくて済むような、石臼一回碾きのそば粉。それも粗くても30目のふるいにかける必要がない程度に。
実にアバウトな出来の石臼であるし、理科系ではないから正確な投入量の制御は不可能で、となるとそれは自分の勘で測って近づいてゆくほかないのだけれど。

2012年2月25日土曜日

種自体は固定種

ひょんな場所からカボチャの種が出て来た。昨年の初秋にさるツアーで行った農家のおじさんから一本ずついただいた灰緑色の、丸くなく長いカボチャの種。食べた時においしかったので種を洗って乾燥させて封筒に入れておいた。
今年、これを播いて栽培してみようと思う。ネットで検索すると宿儺かぼちゃ、飛騨かぼちゃ、丹生川かぼちゃなどと形質がそっくり。「宿儺かぼちゃ」と「飛騨かぼちゃ」は商標登録されているらしいが、種自体は固定種で種苗登録はされていないのか、どうか。
著作権とおんなじで自分で個人的に栽培して食べる分には問題ないだろう。

2012年2月23日木曜日

今日はなんだか

凹むことばかり。石臼は入手し損ねるし、ある方に上げたそば粉も誰にどんな風に打たれ、どんな風にゆでられたのか、ずいぶん無残な結果だったらしい。一種の討ち死にである。
やはりよそに出すのはやめておこう。十年早い。

めげずに、夕食用に自分だけの蕎麦を打つ。同じ在来種の60目と30目をどちらも十割で打ち、食べ比べ。
60目の方は楽に打てて細く切れたが、30目の方は優しく延していってもやや厚めで太めに仕上がり、なおかつ10cm、15cmくらいのものが多い。
ただし汁につけずに食べてみると、30目は噛むたびに蕎麦の味が噴出するが、60目はおとなしいというか、マイルド。
味が濃いのはいいが、問題点は30目の食感。30目をもっと薄く延して細く切れたらいいのだけど。それか、もうちょっと甘皮をセーブするような碾き方をする?
総合点からいうとどうも二八の方がバランスがいいような気がしてしまうが、次回は30目を用いて1:9か1:10で試してみよう。