しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2012年3月3日土曜日

自分への戒め

蕎麦の香りに関する25年ほど前の研究報告を読んでいた。かんじんな試験データがすべて英語表記なので、久しぶりに辞書片手にデータを読み解こうと苦心惨憺。
試験データからヘキサナールとかノナナールという揮発成分が蕎麦の香りを特徴づける重要な成分と記されているのだが、しかもこれらの成分が製粉後のたった二日で500という数値が350、400という数値が250まで減少してしまい、さらに10日目にはほぼ半減しているのには驚いた。香り成分は揮発成分であるから空気に触れているとどんどん揮発していってしまうということらしい。
やはり、製粉したら一分でも五分でも早くに密閉容器に入れて酸素から遮断するか、蕎麦にして食べてしまうのがいいということになる。やむをえず時間を置く場合には、やはりガスバリア袋に脱酸素剤とともに封入、それを低温保管するのが、最善でなくても次善の策。
それから、内層粉はある程度微粉でも構わないが、外層粉はやはり50メッシュ以上には碾かないで、出来るだけ粗碾きにしておく方が、香り成分の揮発が防げる。
微粉から粗碾きまで、粒度分布が広いそば粉がよろしいようで、私が試みた外層粉も時間をかけて細かく碾くというのは、やはり香りが飛んでしまうのでよろしくないことが判りました。
しかし、それだけじゃない、ふるいにかけて振動させる、あの揺さぶり自体がソバの香りの揮発成分を飛ばしてしまうような気がします。二度碾き、三度碾きしてその度にふるいにかけるなどというのはもっとも避けるべきで、ゆっくりと、一度で粒度分布の広い碾き方をし、それを30目くらいの篩でそっとふるう。なんだか神経戦ですね。
蕎麦を初めて栽培し、製粉を委託に出して戻って来たそば粉が、色白で微粉で打ちやすい粉ではあったが風味がかなり薄かった。さらに市内の個人の精米所で蕎麦の製粉をしているところがあって、そこで碾いた普通のそば粉と寒ざらしのそば粉を、別の人からいただいたことがあるが、これも色白、微粉でムチャクチャ打ちやすく、しかし風味の薄い蕎麦であった。
こうなると、ソバの品種や産地がどうのこうのという以前に、製粉や製粉後の保管の仕方をきちんとすべきだろう。そこからソバの品種や産地、栽培方法について考えていかないと、いつまでも風味の薄い蕎麦しか打てない、口に入らないということになる(という自分への戒め)。

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