しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。
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2014年1月7日火曜日

栽培し難いソバ

「こそば」というのか、師匠たちが言う「こそばのこそば」というべきなのか、とにかく残留窒素が多い畑で栽培したために百数十坪で17kgしか収穫はなかったが、とりあえず少々試食用に製粉したものを、今日の夕方打って試食してみました。
30メッシュの篩上にわずか残る程度のそば粉を、一応、つなぎ無しで打って、下手な私にしてはかなり細切りです。



慣れない細切り十割なのでちょっと茹で過ぎになってしまったのが、ズーム写真でよく判ります。まだ水が切れないうちに写真を撮ったので、余分に光っておりますし、写真の撮り方ももう少し勉強しなくては!!

風味は「こそば」なので普通のソバよりは強く感じました。
しかし、かなり栽培し難いソバではありますので、今年はどうしようかな。

個人的には奈川在来がいちばん好きですね。


2013年10月26日土曜日

試食結果

昨日の新蕎麦、昼に試食してみましたが、やはりちょっと粗過ぎなのとそば殻が混じりすぎておいしくなかったです。
写真を撮るの、忘れました。
玄ソバをいきなり石臼にかける玄碾きの蕎麦は、手軽ではありますがどうもダメですね。田舎臭い風味というか、やはりそば殻の風味が混じります。
やはり、そば殻は極力排除すべきです。
最善は丸ぬきですが、脱皮機が高いし一度で済まずに面倒。
ということで、粗く碾き割ってそば殻を排除し、それから石臼にかけるというこれまでのやり方が次善の方法と納得。
粗碾きも30メッシュ止まりかなと思います。

2013年8月23日金曜日

十割蕎麦苦手症候群、克服

昼食後から静かに降り始めた雨だったが、夕方になって断続的にソバの茎に負担がかかりそうな激しい降り方が続いた。
いかに土寄せしたばかりとはいえ、ソバの茎はまだ若く柔らかいので冷や冷やです。
静かにそっと降って欲しいなどと思うのはソバ吉の勝手なエゴに過ぎないが、それでも静かに降って欲しい。

夕方、もっとも苦手な粗挽きの生粉打ちの研究。
そば粉と水しか使わないのだからシンプルこの上ないが、粗挽きはとにかくつながらない(と思っていた)。
もともと、このあたりの農家のおばあさんたちは生粉打ちなどせず、二八でしかも最初に少量のお湯をつかうというやり方が伝統的で、子供の頃から蕎麦は二八だった。だから何となく二八の食感が蕎麦の食感としてすり込まれていた。
しかし、一応十割の蕎麦も打てた方がいいに決まっているので、決行。
粗挽きと言ってもどれくらいかと篩い出してみたら、32メッシュ~25メッシュが13%。

ということで、水回しに少し工夫をしてスタート。
あまりこね回すのは好きではないのでほどほどで伸してみたが、ほとんどひび割れしないのには驚き。なるほど、蕎麦は水でつながるのだということを身を以って体感。


ということで、やや麺がピシッとしていなかったり、ちょいと切り幅にむらがありますが、何とかつながりました。
それにしても、生粉打ちの蕎麦は茹で加減も食べるタイミングもむずかしい。
それから気温が高い夏に常温で蕎麦を食べると蕎麦の匂いがきつくなりすぎるので、空調で室温を下げた部屋で食べる方がいいかもしれません(信州の旧式な省エネ住宅に暮らしていてエアコンもないものですから……汗々)




2013年7月29日月曜日

今夜も怪しく



以前中古で購入したまま放ってあった手動の粉砕器で遊んでみました。国産品ではなく、Corn Millと書かれていますから、本来はとうもろこしの粉砕に用いるものかと思いますが、早い話がおおよその穀物は粉砕できるようです。
磨いた玄ソバを、先ずはそば殻が外れる程度にネジを緩め、ハンドルを回します。
それを25メッシュのふるいにかけ、さらに風で飛ばして粗いものだけもう一度粉砕、ふるいがけしました。
出来たのが下の写真。30分くらいで150g。何とも非効率的です。


それで、この粉を同じ在来種の40メッシュのそば粉に1/3混ぜ、蕎麦を打ってみました。


コシ、喉越し、甘みはばっちり。
ただし、甘みは強いが蕎麦の香りと味が薄いというのが、この在来種の最大の弱点。
それからこれは製粉の問題になるが、透明感ももう少しといった感じ。
混ぜた相手が40メッシュだったのがまずかったかな? 今後は自分用は40メッシュという中途半端なふるいを使うのは止めた方がいいのかもしれない。

1/3で、結構、楽に打てたので、1:1でもよかった。
蕎麦の味と香りを強くする栽培方法は可能か、まだ種まきしてませんが、今年は結果が楽しみです。

しかし、やはり一度「ぬきみ」を碾いてみたいもの。
脱皮機は今のところは無理なので、試しに「ぬきみ」を購入してみようか。

2013年7月16日火曜日

夏の蕎麦、その天国と地獄の境界線

夏の蕎麦は犬も食わないと、真空パックも冷蔵庫もない時代のこの時期の蕎麦は言われていた。
その暑い夏に、あちこちから玄ソバやそば粉が舞い込んできて、打って試食したり、その反対に外に送り出すためのそば粉の製粉に追われたりして、しかもソバの播種期も迫っていて、その準備の土作りもしなければならないし、パソコンでの編集レイアウト作業も遅れに遅れていたこともあり、なんだかとても忙しい。

ということで、この暑いのに蕎麦打ちと試食の連続でさすがにうんざりして来ました。舞い込んできたそば粉や玄ソバは、製粉が悪いのか玄ソバ自体がそうなのか、それとも気温が高いせいなのか、雑味雑臭がきついものが多く、ほとんどに閉口した。
そこで、今日は自分が気に入っている奈川在来を気に入ったように製粉し、打って、食べました。
やっとおいしい蕎麦が食べられました。

気温が高い夏場はことに、そば殻や甘皮を挽き込むような製粉をしたそば粉で蕎麦を打たない方がいいと思います。
夏場はそば殻を外した「ぬき」を製粉するのがいちばんですが、脱皮機がないのでせめて粗く挽き割ってからそば殻を徹底的に排除し、それを石臼でじっくり挽いたそば粉の方が蕎麦の香りも味もクリアでシャープになりますので、これを冷水できゅっとしめた蕎麦が最高です。
そば殻や甘皮を挽きこみ過ぎたそば粉で打った蕎麦は、蕎麦の風味の外側に雑味雑臭と紙一重ともいえる、あのソバの花の蜜にも似た微妙な風味にまとわりつかれて、ぼやけた、むっとする蕎麦になりがちです。

2013年7月12日金曜日

小麦粉の場合ですが

灰分の多い小麦粉ほど、脂質を多く含み酵素活性が活発である

2013年7月9日火曜日

畏れ多いこと

午前中、N原のソバ栽培地にTさんのトラクターで行き、2回目の耕起をした。東半分のFさんが西瓜を栽培した跡地の雑草がひどいので時間がかかった。西瓜栽培した跡地の雑草の緑色が濃いのと勢いがいいのが気にかかる。窒素の吸収を抑制する、拮抗作用を持つものを多く施してみよう。

帰宅すると、石臼の師匠(こちらで勝手にそう思っているだけ)から生ソバとそばつゆ、粗挽きのそば粉2種類がクール宅急便で届いていて、すでに冷蔵庫にしまわれていた。
昨夜も自分で打った蕎麦だったが、今夜もまた蕎麦。
試食しての感想を言わなければならないが、困った。
打ってから一日経ったせいか(はやりの熟成?)、粗挽きのせいか、気温が高すぎるせいか、ソバの蜜の匂いに近い味がしている。
これをソバの味の一部と考えるべきか、雑味の一部と考えるべきか。
それを師匠に伝えるのは、まだそこまで気心が知れた仲でもなく、実に畏れ多いことだなあ。

2013年7月4日木曜日

同意見

蕎麦打ちの師匠ならぬ石臼の師匠(自分でそう思っているだけ)から、そば粉2種類が宅急便で届いた。
一方は富山のソバの生産者から届いたそば粉だが、「私はひとが挽いたそば粉は打たない」というプロフェッショナルな精神の師匠がしろうとの私に転送したもの、もうひとつは師匠が石臼で手挽きした栃木の在来種。
封を切ってみると、前者はムチャクチャふわふわした粉で、いかにも微粉。師匠の粉は相変わらず砂みたいな感触の粗挽き。

とはいえ、こうして玉にしてしまうとその見た目の違いは判らなくなってしまうのだけど、左が師匠の粗挽き、右が微粉。左は加水は多かったのに固くてひびが入りそうなのを必死に耐えて延し、右は水を控えたにもかかわらず柔らかすぎて具合が悪かった。





結果、どちらもおいしくなかったです。
上の粗挽きは玄ソバに問題あり、下の微粉は製粉に問題ありなのと茹で過ぎ。と師匠と同意見。

2013年6月15日土曜日

15,3%

そば用の水分計が届いた。
早速、手元に一握りほど残してあったAさんの玄ソバを計測してみたら15,3%だった。先ず先ずの数字。
例の過乾燥と思われるM在来もと思ったが、持ちに行くのが面倒なのでまた明日。

これで、玄米用の紙袋に入れた状態でどれだけ玄ソバの水分が少なくなってゆくか、あるいは案外少なくならずにとどまっているのか、計測できます。

2013年6月4日火曜日

それにしても

昨日,冷凍庫の底から出て来た2009年産のそば粉を、夕方打ってみた。
真空パック用のガスバリア性のある袋に脱酸素剤を入れて冷凍庫に入れてあったので、異臭や異味はまったく感じられず、しかも加水も49%と普通の範囲内だった。ガスバリア袋でなく普通のポリ袋であったなら、空気は通ってしまうので、乾燥しすぎになったり、冷蔵庫臭い匂いが付いてしまうのだが、それはまったくなかった。
水回ししていてもソバの香りは普通程度に鼻に来たし、麺も二八だったので問題なくつながった。風味も普通レベル。
とうことで、もったいないので捨てずに先行使用することに決定。ただし、信濃1号であることははっきりしているので、在来種の個性の強いそば粉とブレンドして使うようになる。

手持ちの玄ソバを整理して、播種する予定ではないが保存しておきたいものをガスバリア袋に封入しはじめたが、そういえばM在来がどこかへいってしまったと探して、ようやく発見。(M在来といっても県内のM在来ではなく隣県のM在来)
それを夜になって拡大鏡で観察してみて驚いた。これもまたすごい交雑振りで、在来種というものが交雑の歴史であることを大いに納得。そう納得してもこのまま種子として残すにはあまりに雑駁で、これではソバの形質の見本市みたいなもの。
ということで、先ほどまで左手に拡大鏡、右手にピンセットを持ち、一定の形質のものばかりを選別しつづけ、50gを越えたので今夜は作業を終了した。50gといえば、1000粒重が25gと仮定して計算するとちょうど2000粒選別したことになる。
今年はこのM在来を栽培する畑が無いので、これは真空包装して冷凍庫で保存しておいて、来年以降に採種・試食兼用の少量栽培をすればいい。

それにしても、元はM在来であるが、こうして意図的にある形質の種子ばかりを選別(選抜)して栽培したら、それはもうM在来とは呼べないのではないか。

2013年5月15日水曜日

知りたいばかりに

この本をget。
ソバのタンパク質とデンプン質がどうやって生成されるかを知りたいばかりに。

2013年5月14日火曜日

厳然たる事実

あまりに暑いので、先ほど、妻の実家の水道からペットボトルにつめて来た硬度26の水でウィスキーを割って飲んでみました。
蕎麦打ちの加水用に冷蔵庫に入れてあった水ですが、家の水道の硬度186に比べると、水割りも強い刺激がなく、まろやかで実においしい。家の水道で割ったのと飲み比べてみると、家の水道水の方は舌にとげとげしく、きつく感じる。
以前も軟水・硬水について書きましたが、蕎麦を打つ際の加水用の水だけでなく、茹でる水も硬度186ではよろしくないに決まっています。

どうも日本の水道水は軟水が多いというのですが、この地の水道水の186というのは特異であるらしいです。
ちなみに水源は浅間山麓。
この地の水道企業団に文句を言って水源を変えてもらいたいくらいですが、カルシウム・マグネシウムは人間に必要なミネラルでもあり、蕎麦やお茶や水割りがまずい、石鹸の泡立ちが悪いくらいで文句を言ってはいけないのかもしれない。

それにしても、18リットルのポリタンクで水を貰いに行くのは、いくら妻の実家でも少し気がひけますし、長期には保管できません。

しかし、水割りも蕎麦も軟水の方がおいしい、というのは厳然たる事実。

2013年5月12日日曜日

そばの風味が豊かになるように

養分のなかで、アンモニアの同化に最も関係の深いものとしてカリがある。カリが欠乏すると吸収したアンモニア態窒素がタンパク質になりにくい。このことはカリが窒素同化に関係する酵素のはたらきを活発にする作用があること、またカリの欠乏によって光合成が低下することからもうなづけよう。(「作物栄養の基礎知識」高橋英一著 150頁より)

カリウムが欠乏すると、体内で可溶性の糖類やアミノ酸、アミドが増加し、デンプンやタンパク質の含量が少なくなる。このようにカリウム欠乏植物では。光合成や呼吸あるいは窒素の同化が順調に行われず、デンプンやタンパク質の合成が減退する。(同 188頁より) 
いちばん面積の大きいN原のそば畑は、先に貸借していたTさんがそばを栽培し始めてから私が受け継いで、すでに十年くらい経過している。
その間、そばの倒伏を怖れて無肥料での栽培を続けてきて、そのおかげで倒伏はしなくなったが、どうもそばの風味が薄らいできたような気がしないでもない。
ということで、今年は窒素は少量だが、他の必要と思われる灰分(ミネラル)は積極的に施用してみようと考えている。
どう考えても、灰分(ミネラル)が豊富である方がそばの風味が豊かになるように思えるので。

2013年5月10日金曜日

細く美しくたおやかな蕎麦

21時頃になって突然蕎麦打ち開始。
一年くらい粗びきの蕎麦ばかり打っていて、風味はあるがつながらないし食感に問題はあるしで、その反動か、粗びきでなく細く美しくたおやかな蕎麦を打とうと思ってそれ用の粉をテストびきしておいた。
それを思い出して、その粉500gに灰分少ない小麦粉50gの十一。
むちゃくちゃ粘りが強いので、今回は試験的にハナ粉を排除してから石臼にかけたのを思い出した。ありゃ、これだけ粘ったら歯ぬかりするかも。

私にしては細い麺になったが、時間も時間なので、茹でて試食するのは明日の昼か、夜。

明日は早朝に妻の実家に行く用事があるので、ペットボトルを持っていて水を頂戴してこよう。
妻の実家の水道は八ヶ岳水系で硬度30より少ない。わが家は186の超硬水。
カルシウムはこんにゃくを固め、マグネシウム(苦汁)は豆腐を固めるくらいだから、硬水だと蕎麦も固くなる。

2013年5月3日金曜日

もう少し実証的なデータ

植物は光合成で糖を生成し、それをデンプンに変える。
ではたんぱく質はというと、根から吸収したアンモニアをグルタミンとグルタミン酸の再生産をしながら、アミノ酸に変える。さらにアミノ基転移反応によっていろいろなアミノ酸を作り、それらを組み合わせてタンパク質を作り上げてゆく。
要するに植物は光合成でデンプンを、窒素同化でタンパク質を作ってゆく。

植物は、ふつうアンモニア態窒素を吸収していても、それが多すぎなければ、溢泌液中には遊離のアンモニアはほとんど見られず、ほとんどがアミノ酸態などの有機態である。もしアンモニアが多すぎて有機化しきれず、アンモニアのままで多量に地上部へ送られると、光合成が阻害されるなど、いろいろ悪いことがおこる。根はアンモニアを有機化して無毒にしているのである。
過剰のアンモニアが生体にとって有害であることは医学の領域ではよく知られている。人間はアンモニアを同化できず、植物としてとったタンパク質を消化して利用するが、その過程で余分となった窒素分はアンモニアとなって遊離してくるので、これを無害な尿素にかえて排泄する。この機能が損なわれ血液中のアンモニア濃度が増加すると昏睡状態に陥るなど、致命的な障害をひきおこす。
これに対して植物は、元来アンモニアを同化できるし、硫安や塩安など肥料としてアンモニアを施用するくらいなので、アンモニアが作物にとっても有害であるという認識はあまりなかった。しかし、過剰施肥や農耕地の富栄養化の傾向がすすむにつれて、アンモニアの過剰害が実際にあらわれるようになった。(中略)
アンモニアを過剰に吸収すると植物はこれを全部タンパク質にかえることができず、からだのなかにアミノ酸やアミドなどの中間物質としてたまってくる。
これらは植物に寄食する昆虫や微生物にとって好ましく、したがって植物の側からすれば被害を受けやすいことになる。またアンモニア態窒素が過剰の場合は、炭水化物がアンモニアとの反応に取られてしまって細胞壁部分に回る分が少なくなり、その結果病害虫の侵入や倒伏に対する機械的抵抗性が弱くなる。  (「作物栄養の基礎知識」高橋英一著より引用) 

ふう。これをソバにイメージしてみる。
前作などの関係で残留窒素が多く、窒素過剰で2m近くに伸びたソバは倒伏は無論のこと、開花しても結実が少なく、また収穫した玄ソバを製粉して蕎麦にすると異常に不味い。
異様にえぐみが強く、苦味、雑味も多く、雑臭もする。
不味くて臭くて食べられない蕎麦。
アンモニア態か、硝酸態か、亜硝酸態か、あるいはアミド、アミノ酸か、いずれにしてもタンパク質にまで至らないこれらの物質たちがソバをまずくする。

うーん、そのあたり、もう少し実証的なデータがほしい。

ソバの後熟というのは、刈ったのちも光合成と窒素同化をたとえどれだけでも進めて風味を良くするという意味からもとても納得。

2013年4月22日月曜日

蕎麦のつなぎ粉について

生粉打ちではない蕎麦のつなぎに小麦粉を使うが、小麦粉の風味が強くて邪魔をする場合がある。
元々、そば粉でも小麦粉でも、外層のたんぱく質の多い粉には灰分が多く、甘み以外の風味はおおむねこの灰分が多いと強いらしい。
ということは、二八蕎麦で小麦粉臭かったらつなぎが灰分が多い小麦粉であるということになる。
そこで、灰分の少ない小麦粉を探してみた。
強力粉に灰分0,33%のものがあった。フランスパン用の粉でタンパク質が11,5%とちょっと強すぎて、なんだか固い蕎麦になりそう。
中力粉で灰分が少ないものはみつからなかった。うどんなど、小麦の風味のある粉が必要だからだろうか。
そこでさらに薄力粉で灰分の少ないものを探してみた。するとやはり灰分0,33%でタンパク7,8±0,5というケーキ用の薄力粉が見つかった。

一度試してみてもいいかもしれない。

1 タンパク11,5%の強力粉を使うが、二八では強すぎるので一九、または十一で打ってみる。
2 タンパク7,8±0,5の薄力粉を使って二八で打ってみる。
3 両方の粉を半分ずつ混合して(つまり灰分は変わらず、タンパクが9,65±0,25)の粉で二八で打ってみる。


2013年4月21日日曜日

山陰地方の在来種

4月21日、桜も満開を過ぎたというのに雪が降りました。


仕事にもならないので、これはいいチャンスとばかりに、先日物々交換させていただいた山陰地方の在来種を粉で150gほど、小さい方の27cm手挽臼で製粉。



小さい臼だったせいで結構40メッシュ上が多くなり、私の腕では十割ではつながりそうもないので、つなぎを15%。


風味が尖がり過ぎず、バランスのいいおいしい蕎麦になりました。

2013年4月20日土曜日

蕎麦のえぐみ、あるいは雑味雑臭について

これまでに、3回ほど、以上にえぐみが強いというか、雑味雑臭がきつく最後まで食べる気にならない蕎麦に遭遇している。
1回目は対馬在来を少量入手して、試験栽培した時のこと。自家用の野菜を栽培している菜園の空いている場所に播いたのだったが、これが背丈2mを越えた。どうも野菜を作っていた畑だったので残留窒素が思いのほか多く、結局は倒伏したのだったが、それでも何kgか収穫があったので、製粉して試食した。元来、対馬在来は苦味やえぐみの強い種類とは聞いていたが、強烈であった。苦味、えぐみだけならまだしも、匂いもきついので喉を通すのがつらい。結局、その後製粉して食べることはなかった。
2回目は昨年秋に収穫した徳島県の祖谷の北の方のK在来。知人の畑を借りて播種したのだったが、やはり残留窒素が多かったのか、この在来種が晩生型であるせいか、たまたま9月が高温続きとなったためか、花は咲いても実がつかない状況がずっと続き、10月に入って気がついたら霜にあい、それであわてて刈り取り作業をしたが、とても収量は少なかった。150坪くらいの面積で、かなり未熟な実まで含めて25kgくらい。
これを製粉して蕎麦にして試食してまた驚いた。苦い、渋い、どろ臭い(ソバ蜂蜜の匂い?)で、結局食べられる蕎麦にはならなかった。
3回目。隣県の名の知れた在来種の「サンプル粉」をいただいたので早速ソバに打って食べてみた。やはり、苦い、渋い、堆肥臭いで食べられない。

1回目,2回目の不味さの原因はおそらく窒素過多の畑で育ったことにあるのではないかと類推する。
つまり、そばのデンプン質は光合成作用により糖を生成し、さらにそれをデンプンにして実に蓄えられるのだが、タンパク質は根から吸収された硝酸態窒素をアンモニアに還元し、そのアンモニアをアミノ酸に換え、アミノ酸からタンパク質が作られる。
その際に、根から吸収された硝酸態窒素がすべてアンモニアからアミノ酸、タンパク質に変換されていった場合は風味の良いソバになるであろうが、たとえば土壌中に窒素が多くて過剰に吸収され還元されたアンモニアが硝酸態、あるいは亜硝酸態のままソバの実に移動することはないのだろうか。

倒伏するほど窒素を多く吸収したソバの実に、そういった未消化の硝酸態窒素や亜硝酸態窒素、アンモニア態窒素などが移行,存在していたら、それらがえぐみや苦味,渋み、雑臭の原因になっているのではないか?
どこまでも、しろうとの怪しい推論にすぎません。
でも、新ソバではなくて,ある程度寝かされ、熟成されるとそれらがタンパク質に変わってえぐみが無くなり,おいしくなる。
ちょっと強引な推論でした。お後がよろしいようで……。

あ、3回目のサンプル粉については、もともと風味が強い在来種を、業務用の径が大きく重さもある電動石臼で丁寧に碾き、微粉に偏って歩留まりも高すぎたせいではないかと考えられます。


2013年4月19日金曜日

そば粉の不思議

昨年栽培したソバのなかで、9月の高温のせいか実の付きが遅れて不作だった徳島のK在来種。収穫後に1,5kgほど製粉して蕎麦打ちし、試食したところ、「えぐみの強い雑味」だけでなく、「雑臭」までが強くて食べられる蕎麦ではなかった
以来、製粉した残りはそのまま冷蔵庫で保存したまま、新たに製粉もせず放置されていた。冷蔵庫も整理したいし、捨てるほかないかと思ったが、それでももう一度味見と思い、簡単に鍋でそばがきにしてみた。そば粉50gに水150cc。
完成して試食してみてびっくりしました。
雑味雑臭はどこへやら、けっこうおいしいそばがきになりました。
あの雑味、雑臭はどこへ? 最初に蕎麦にしたときと同じ粉ですから、そば粉自体が変化したとしか考えられません。
食後、舌にわずかな渋みは残っています。
近日中に、もう一度この徳島の小粒君を蕎麦にしてみる必要があります。


2013年4月2日火曜日

理解できない

同じ蕎麦好きでもデンプンの甘みが優先するひとと、タンパクの風味を優先するひとがいる模様。
しかし、デンプンとタンパクがそれぞれの持ち味をフルに生かして相互作用で美味しい蕎麦になるのが本来の蕎麦の姿と思う。
昨年の秋からずっと粗挽きに凝っていたが、この頃また、それより少しだけメッシュが細かいそば粉に戻ろうとしている。
無論、デンプンかタンパクか、微粉か粗挽きかというような単純な二元論ではないと思っているのだけど……(汗)。

どう考えても私は、蕎麦打ちとしては「下手の横好き」の範疇のど真ん中に入る。
美味しい蕎麦の条件に「きれいに打たれ、切られ、茹でられた」というのが必須というのは承知しているが、私は「風味」あるいは「滋味」を感じさせる蕎麦であれば、多少体裁の悪い、見てくれの悪い蕎麦でもよしとする。
いけないのはどんなに「きれいに打たれ、切られ、茹でられた」蕎麦であっても、ソバの「風味」あるいは「滋味」が希薄な蕎麦である。

今年になって二回、そういう蕎麦を食べた。
どちらも自家栽培、自家製粉を謳っている蕎麦屋さんであるにもかかわらずである。
どう栽培して、どう製粉して、どう蕎麦打ちして、どう茹でたら、こんな形だけはきれいだが蕎麦の「風味」あるいは「滋味」を消し去ってしまった蕎麦になるのか?! 理解できない。