しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2014年3月20日木曜日

軟質と硬質

友達からのリクエストがあり、昨夜、電動の方の石臼を使って3種類の玄ソバを碾いてみました。
石臼の設定はまったく変えていないのに碾きあがったそば粉の感触(粒度)が異なっていて、驚きました。これはどういうことでしょう?
2種類は十割ではつながりにくいかなという感じですが、一種類だけ見た目、十割でつながりそうな感じなのです。そしてそれぞれのそば粉を舌の上にのせてテイスティングしてみると、後者ははっきりと甘みが強い。
きちんと粒度分布を計ればいいのですが、10メッシュごとすべてのふるいは持っていないので正確な計測できません。おおよその傾向が判ればいいんですが、ちょっと面倒。
そういえば、玄ソバにも軟質、硬質という違いがあると書かれた本がありました。さ~て、どの本だったけ。浪川寛治さんの『蕎麦百景』だったような記憶がかすかに……あとで確認。

2014年3月19日水曜日

ご冥福をお祈りします

FBのお友達である渡部章さん、お元気にされているかなと思い、ウォールへおうかがいしました。
すると、2月28日に亡くなられたとの書き込みがあり、ショックでした。まだ51歳。
昨年の今頃、一泊二日の蕎麦ツアーでご一緒したので、メモを開いてみたら、昨年の2月27,28日のことでした。
一度お会いしただけでしたが、蕎麦吉ばかりの楽しいツアーでした。蕎麦を食べたり、温泉に入ったり、楽しい二日間でした。私が栽培、石臼製粉したそば粉をお送りしたこともありました。昨年秋には小麦を少し播きましたが、収穫できたら渡部さんがうどんを打つということでお送りする約束でした。果たせない約束になってしまいました。
その笑顔、忘れません。
ご冥福をお祈りします。

2014年3月18日火曜日

今年のソバ栽培計画・誇大妄想篇

百年に一度と言われる大雪に振り回され、あっという間に一ヶ月が経過しました。
温度が上がれば融けて消えてしまうはずの雪の固まりと格闘し、そのために治っていたはずの腰痛がぶり返してしまいましたが、仕事の遅れをやっとの思いで解消し、決算書と確定申告書の作成を済ませ、やれやれと思ったら消費税増税で値上がり前にという電話が増えて来ました。
かつて古人は「一円を笑う者は一円に泣く」という格言を残しましたが、現代日本ではメーカー、販売店、消費者一丸となって「一円でも安く」にうつつを抜かしております。ふと、「亡国の民」などという言葉(死語?)を想起してしまいました。

なんだか今年は(メンタルにもフィジカルにも!!)労多くして実りの少ない年のような、いや~な予感がいたします。
異常気象は百年に一度では済まない、そうは思いません?

近々、FBのおともだちからのリクエストで2種類のそば粉を碾かなければならないが、確か、大雪が降る前に目立てをしたので、本日、テスト製粉をしてみた。
昔の手びきの石臼に自分でモーターとホッパーを取り付けただけの、シンプルな電動石臼なので一分間15回転の定速運転であり、粗い、細かいの調整は物入れに落とす量の調整のみという実にアナログな機械なので、その調整が微妙に、難しい。
ただし調整さえうまく出来れば、手で回転させるよりも回転ムラが生じない。手碾きの石臼も使わないことはないが、修行が足りずせっかちな性分の私には、手碾きだとかえって回転が正確でなくなってしまう。

テスト製粉なので、一昨年の失敗作である木頭在来3kgを粗く碾き割り、あらかたのそば殻を排除してからホッパーに投入し、電源を入れた。少し粉受けに落ちたものを30目の篩にかけてみて、排除しきれなかったそば殻のほかにどれだけ粗い粒が残るかを見て、何回か投入量を微調整。
木頭在来は1000粒重が20gを切るくらいの非常に小粒なソバで、しかも四国徳島の在来種なので典型的な晩生種と思われ、気候が異なる信州では花が延々と咲くけれども実がつかないという無限伸育スパイラルに陥る。ソバ栽培を始めたころに入手して栽培してみた対馬ソバもそうだった。
西日本のソバを東日本に緯度や標高の高い場所で播くとソバの無限伸育性がはっきりと出て、霜が降りるまで延々と花が咲き、実がつかない状態が続く。
先日購入した『ソバの作り方』(菅原金治郎著・農山村文化協会・昭和49年)には次のように書かれている。

また、ソバは冷涼な気候に適する作物であるといっても、南方の高原地帯で、日長がわりあい短い地域の品種を北方の寒冷地帯に移して栽培しても、日長が長いことに影響されて、やはりメシベの生育がわるくなり、結実することができない。もちろん、日長や温度にわりあいに鈍感な品種群も存在するわけで……

こういう状況で、なおかつ野菜などを栽培して残留チッソの多い畑であった場合は背丈が2mくらいまで伸び、倒伏しながら花が咲き続ける。
しかも、わずかに実がついたものを後生大事に製粉してみると、苦味、えぐみが多い癖のあるそば粉にしかならない。

とはいえ、一昨年のヒネ物が粉になったものを舌の上に載せて味わってみると、苦味、えぐみはだいぶおとなしくなったような気がする。
こういう晩生型のソバを、もう少し肥料っ気(というよりチッソ)の少ない畑で栽培してみたい気もしないではないが、もうあまり種類を多く栽培したくないような気もする。

昨年のように栽培面積が多すぎると手刈りの適期がずれてしまい、デンプン主体の完熟ソバになってしまうことがよく判った。
ソバの栽培は気候(=緯度と標高)に左右される作物ではあるが、肥培管理と適期刈り取り・適切な乾燥の方が大事なような気がして来たので、今年のソバ栽培計画はそういう方向へシフトしたい。
昨年の秋に腰痛持ちになってしまったこともあり、私の拙いソバ栽培研究も最終段階に入ったと自覚して、理想の玄ソバ収穫を急がねば。
理想に近い在来種を、理想に近い緯度と標高にある畑で、理想の肥培管理で栽培し、理想の刈り取り時期に手刈りし、上手に乾燥させ、上手に石臼で碾き、上手に打って、上手に茹でて、タイミングよくすすり上げる。

mmmmmm、気が遠くなって目が回ってきました。

2014年3月5日水曜日

天候にいじわるされ放し

どうも大雪のとばっちりで腰痛はぶり返すわ、ビニールハウスは1棟倒壊するわ、仕事の方の仕入れもトラックでの輸送が遅れてしまうわ、3月に入って消費税増税前のセールの宣伝が激しくなるわで得意先からも電話が入るようになってきて、いよいよパニック寸前になって来ました。
長男がビニールハウス再建の手伝いに昨夜帰省してくれましたが、あいにくと今日は終日、雨降り。何とも天候にいじわるされ放しです。

ということで、蕎麦好きな長男のために、大雪以後初めての蕎麦打ちをしました。
寒いから「とうじ蕎麦」という家人のリクエストですので、粗碾きと細碾きを半分ずつ混ぜた粒度分布の広いそば粉に、外一のつなぎ粉を入れて打ちました。

2014年2月26日水曜日

ソバのつくり方

昭和49年一刷、昭和60年8刷のソバ栽培本、本日到着。
宮崎大学の長友先生より一世代上で岩手大学でソバの研究をされていた菅原金治郎先生が書かれている。
戦前から昭和30~40年頃までの、やや古い時代のソバ栽培や蕎麦のことが書かれていて、それはそれで面白い。
ソバ粉の成分の章では、アメリカ産のソバ粉のたんぱ質が平均で10%くらいしかなく、国産は13%から15%、青森階上早生にいたっては18,16%というデータが出ていて興味深い。
楽しみながら、じっくり読もう。

2014年2月24日月曜日

予想降雪量の2倍

日が経つにつれ、ビニールハウスなどの農業施設の倒壊の被害の多さにぼうぜんとします。
もうレタスやキャベツなどを育苗中のビニールハウスもありますし、3月4月の野菜や稲の育苗までに倒壊したすべてのビニールハウスが再建できるはずもありません。
苗が間に合わずに作付けできない畑や水田が出てくるのではないかと心配しております。

気象庁の予想降雪量の2倍、1mもの雪が積もったのですから、耐えられるわけがありません。

2014年2月17日月曜日

おたおたせず

まだ、幹線道路以外は危なくて車で走行する気になれません。
市道などの生活道路は除雪されていない道路が多く、除雪されたはずの家の前の道路も本来除雪に使うのではない重機でしたので、除雪されたというよりスリップしながら踏みつけて行ったという感じで、四駆は大丈夫ですが二輪駆動の車がしきりにスリップして動けなくなり、出て行って圧雪を取り除いたり車を押したり、何台も救出しました。
四駆でも下手をすればはまってしまうような圧雪道路に、二輪駆動の車でおっとりと出てくるひとの神経が分かりません。
近くのコンビニに歩いて観察に行ってみましたが、弁当、おにぎり、パン、惣菜などいわゆる毎日配送されることになっている食品の棚は空っぽでした。またいちばん近いウォールマート系のスーパーマーケットも、駐車場が除雪されていなくて人間が歩けるだけの幅しか雪かきされていなくて、しかも肉、魚、牛乳、パンなど無かったそうです。
まあ、数日待てば配送も普通になるでしょうから、おたおたせずにタンパク質が多くアミノ酸スコアも高い蕎麦でも食べていることにします。

2014年2月15日土曜日

大雪

今日、午前中。雪が積もりすぎて車は走れませんし、庭の雪が障害になって、車を道路に出すことも出来ません。今日は籠城生活です。



玄関先の雪です。雪の中からちょこっと見えるのは1mの物差しの頭ですが、10cmくらいしか出ていません。内陸部なのでこんな大雪は観測史上最高記録です。

2014年2月10日月曜日

メンテナンス

午後、半端な時間ができたので、先日ダッタンソバを製粉した際に使用した機械、道具類をコンプレッサーで掃除。篩もプラスティックの粉入れ容器も、すべて掃除しないと、ダッタンソバの苦味が普通ソバに混じってしまうので徹底的にする。
コンプレッサーを出したついでに電動石臼と手碾きの9寸臼もきれいにしたが、見ればやはり磨り減って光っている部分があり、本格的な目立ての必要は無いものの、少しタタキで叩いてドレッシングしておいた。
ただ細かい粉が碾ければ良い石臼というのではないけれども、細かい粉も粗い粉も同時に碾くことができる石臼をめざそうとすれば、ドレッシングも欠かせない。

2014年2月9日日曜日

そば殻に味はある? 無い?

石臼自家製粉の蕎麦屋さんでも、丸ぬきしか製粉しない蕎麦屋さんと、玄ソバから製粉する蕎麦屋さんに分かれます。
前者はおそらくそば殻はピュアな蕎麦の風味を追求するのに邪魔な存在なのでしょうし、後者はそば殻にも蕎麦の風味に寄与する何かがあると考えての玄碾きなのでしょうが、いったいどちらが正解なのでしょう。
そば殻を口に入れてしばらく噛み続けてみましたが、どうも蕎麦の風味に共通する味は出て来ませんでした。

こんなことを書くのは、実は私のソバ栽培の師匠にあたる人が「皮まで碾きこんだ黒い蕎麦がうまい」と言い張るものですから、眉に唾つけながら本当かなと思いまして。
果たして、そば殻に味はあるのでしょうか、無いのでしょうか?

2014年2月7日金曜日

ふっくらしたソバと痩せたソバ

北海道の蕎麦友達のMさんが、ご自身のWebsiteに、書かれたのが江戸時代だからとうに著作権が消滅している日新舎友蕎子の「蕎麦全書」を順次アップロードされている。
そこで、手持ちの新島繁校注・藤村和夫訳解の現代語訳のついた「蕎麦全書」(ハート出版)を再読し始めた。

その「深大寺蕎麦の事」に……深大寺そばの甘美なるを重しとして嫌ひ、却て奥州南部より出るそば、其味淡くして、其性の軽きを好む人あり……と書かれており、深大寺ソバはその実が充満していて挽き抜き一升でそば粉が一升一、二合も取れるが、奥州南部の蕎麦は一升で七、八合しか取れないとも記されている。
またこの項の訳解で藤村和夫さんは次のように書かれている。
……深大寺の蕎麦が「少し形が異なった」というのは、粉の取れ方から見て、丸っぽかったのではないでしょうか。以前は、南方産と北方産の玄ソバを比べると、南方のものは見るからに痩せて、稜間が凹んでいるのに対し、北方物はそれに比べるとはるかにふくらみ、丸々としているので、蕎麦製粉業者も、歩留まりは良いし、いろもきれいで、味も良いところから、もてはやしています。もっとも、あまり北過ぎて気温が低いままでは駄目で、一日の気温差が大きく、暑からず寒からずの場所が良いようです。……

面白いですね。江戸時代の深大寺ソバはふっくらしていたんですね。
それから南方産は痩せて稜間が凹んでいて、北方産がふっくらしているというのも興味深いです。
南方産がなぜ痩せて稜間が凹み、北方産はなぜふくらんでるのか? 
答えはやはり昼夜の温度差なのでしょうね。
昼夜の温度差が無い南方産がなぜ痩せているのか?
他の植物同様にソバもまた日中に光合成して水と炭酸ガスと光エネルギーでもって糖を作り、その糖を夜間に受粉した実に送り込み、さらに糖からデンプンに身を変えながら実を太らせてゆきます。
昼夜の温度差がないと、夜間のソバの茎や葉の呼吸が激しくなります。呼吸が激しくなると実に送られた糖が茎葉に逆流して呼吸のために消費されてしまいます。
昼夜の温度差がある高冷地では夜間の茎葉の呼吸は静かに行われているので、昼間に光合成された糖のほとんどがソバの実に送り込まれます。

緯度が高い場所や標高が高い場所で育つ玄ソバがなぜふっくらしているか、緯度や標高が低い場所で収穫される玄ソバがなぜ痩せているか、そういうことだったんですね。
そういえば、カボチャとか果樹なども昼夜の温度差がある場所の方がホクホクしていたり甘みが強くなると言いますから、何の作物も温度差が必要なんですね。
ソバ栽培も標高800m以上1000mくらいの間が最適なのかもしれませんが、ああ、ここは少し足りません。

2014年2月6日木曜日

初めてのダッタン蕎麦


ダッタンソバを2年試験栽培しながら、まだ一度も麺としてのダッタン蕎麦を打ってみたことが無かったので、先ほど試し打ちしてみました。家族は誰も食べないであろうから、ダッタンソバ粉150gにたんぱく10の小麦粉をつなぎに30gの二八。
ただし、ダッタンソバのルチンは水でルチン分解酵素が働いてケルセチンになり、それで苦味を生じるので、さらしなの変わり蕎麦のように湯ごねとした。湯温は沸騰したお湯だとだまになりやすいので、湯温は80℃くらい。
そば粉の組成がタンパク質が少なめでデンプンが多いのか、粗めのそば粉や更科粉で打っているのと似た感じで、結構、延しがむずかしく、力を入れすぎると周囲にひび割れがします。
畳むとそこで切れそうなので、包丁の長さ以上に長く切るのを断念。

茹であがりはこんな感じで、案外切れませんでした。
試食してみると、苦味は予想より弱かったですが、喉に落とした後にやはり苦味、渋みを感じます。ダッタンソバ湯として飲むために外層ぎりぎりまで碾きこんだので、余計にそうかもしれませんが、蕎麦にするんだったらやはり普通のそば粉と配合すべきかなと思いました。ただし、それもかえってどちらの個性も消し合ってしまって、中途半端な蕎麦になってしまうかも。
やはりダッタンそば湯にして直接ルチンを摂取、血管を丈夫にする方が良さそうです。

2014年2月4日火曜日

もうあれこれ栽培するのはやめよう

このところずっと、拡大鏡片手にエラが張ったり翼のような有翅の鬼ソバを排除していた秘境の貴重な在来種。一応種子として残せそうなものが300gになったので、残りのわずかは選別をやめ、排除した鬼ソバといっしょに試食用の製粉をした。
少量なので、玄碾きで二度碾き。それを30目で篩って260g。少量で打ちにくいが、一度味見する程度の量は確保できた。
種子用の300gは多分今年は栽培しないだろうから、エージレスを入れ、真空パック機で空気を抜いてから密封し冷凍保存。

そういえば、去年栽培した近くの有名避暑地の地名がついた在来種も50gから2,2kg収穫できたが、今後誰かが栽培するあてもなく中に浮きそうな気配なので、この際、どんなソバか確かめるために、500gくらいは製粉して試食してしまってもいいだろう。
今年はあまり振り回されずに、自分が美味しいと思うソバだけを栽培する。

2014年2月3日月曜日

ダッタンソバの碾き分け

少し時間が空いたので、Tさんに1袋持って行ってあげたら在庫ゼロになってしまったダッタンソバ粉を製粉。
と言ってもダッタン蕎麦を打つためではなく、健康のためにそば湯にして飲用するのが目的です。ルチンは血圧を下げるだけでなく、血管そのものも丈夫にしますので。



磨きと石抜きをし、歩留まりが判るように10kgを計り、先ずはそば殻排除のために粗く挽き割りし、ダッタンは粒が小さいので2mmの篩で篩ってみたらみごとにそば殻が篩上に残り、篩下の砕かれた実や粉の山には、そば殻の欠片は数えるほど。
それをさらに50メッシュで篩うと、粗い外層と白くて細かい内層粉にみごとに分離。内層粉はそのままにして、粗い甘皮を電動石臼で碾く。
苦味のあるダッタンソバは電動石臼では碾きたくなかったが、ある程度微粉に碾くためには仕方ない。だいたい、手碾きも電動も目立てをすべて粗碾き仕様にしてあるのはこういう時に不便だと気がついた。ひとつくらいは細かく碾ける石臼を置かなければ。いっそ茶臼をひとつ?

ということで、ダッタンの碾き分けはこんな感じ。



拡大してみると、左の内層粉にまだ点々と外層粉らしいものが見えます。
篩をもう10メッシュくらい細かいのにすれば、真っ白な内層粉になったかもしれません。
ただし、圧倒的にデンプン質が多いと思いますので、これだけで蕎麦は打てないと思います。
最終的には外層粉、内層粉を混ぜて普通のダッタンそば粉に戻すべきでしょう。製粉会社ほど微粉ではないが、混ぜれば普通のダッタンそば粉になります。

混ぜないで右側の黄色い方だけをたとえばお湯に溶いて飲んだら、いったい普通ソバのルチンの1000倍? 2000倍? 「飲むダッタンソバ」です。
血管が丈夫になって100歳まで生きたら困りますね、(ーー;)