今年栽培したN在来を一度碾き割って、ソバ殻を篩って風で飛ばして98%くらい除去して、残った大割れ、小割れなどを手製の電動石臼で一回碾きをし、それを30目(約25メッシュ)の篩にかけたそば粉で、十割、水のみの加水で打ってみました。
写真が下手なせいか、こうして見るとあまりおいしそうに見えませんが、噛むと紛々と味、香り、甘みが広がって来て、小学生の頃に父の生家に行ってはご馳走になった蕎麦の味を思い出しました。
粗碾きはすすっても噛んでもおいしい蕎麦ですが、もう少し細くきれいに切れたら、すすっただけでも蕎麦の風味が口の中駆けめぐることでしょう。
夏から秋の間、汗と埃にまみれて傍目にはバカかと思えるような苦労をしましたが、いやいや、今夜はしあわせです。
あ、接写してみたら、結構白い粒々が見えますね。なるほど、この粒々な感じが30目(24メッシュ)以内。よく目に焼きつけておきます。
蕎麦打ちは下手なので、先ずはこれくらいの粗碾きで練習を続けてみます。
ちなみに、この粉1kgを60目の篩にかけてみたら、60目より粗い粒は180g残りました。つまり60目から30目までの間の粒子が全体の18%ということですが、これが、多いのか、まだ少ないのかは粗碾き蕎麦初心者なので判りません。
やはり、粗碾きが混じると加水量が多くなり、どうしても固めになってしまい、苦戦しました。もうちょっと薄く、細く切りたかったのですが、固くて薄く伸せませんでした。そのためか、蕎麦自体もやや固めでした。もう少し柔らかく、それでいてコシがあるように打たなくてはいけません。加水収量の時点では適正な吸水だと判断しても、少しこねている間、それからまとめあがった時点で意外と固くなってしまいました。喩えはよくありませんが、急に態度が冷たくなった女性みたいな感じ? ^_^; 次回はもう少し柔らかめにしてみよう。
あるいは、ズル玉気味に加水して、ひとつにまとまったらビニール袋に入れて数分くらいおいて粗い粒への水の浸透を待ち、それから練りに入った方がいいかもしれません。十割は捏ねないといいますが、ほんとうに捏ねるというより練るという感じでよさそうです。力を入れて捏ねなくてもまとまって来て艶も出てきます。
とにかく、この冬の間に回数を打って粗碾き蕎麦のこつを身につけなければ。
粉は十分すぎるほどあります。
道具を出したついでに、これからT在来とK在来も300gずつ、打ってみます。こちらは60目で篩ってしまったので、もう少し楽に打てると思います。
自分で茹でて自分で食べるというのは、じっくり食べ比べすることができずタイヘンです。
いずれにしても、打ち比べして、食べ比べして、それで来年度どのソバを播くか決まりますので緊張します。
引き続いて、T在来・碾き割後電動石臼にて2回碾き・60目で篩ったそば粉を300g。加水率50%でかなりのズル玉になったが、伸しやすい。
やはり、微粉に近いほど加水は少なくなり、粗いほど多くなるんですね。
さらに、K在来・少量なのでいきなり玄ソバのまま電動石臼(1分間15回転)で2回碾き、40目で篩ったそば粉を300g。加水率56,66%でも延しに入ったら固くて慎重に延すが、あまり薄くはならず。
左・T在来60目(48メッシュ) 右・K在来玄碾き40目(32メッシュ)
T在来60目
K在来、玄碾き40目
食べた感想は、T在来は苦味・えぐみが強いというデータを見て期待していたのだが、その割りに平凡というか、決して不味い訳ではないがおとなしい。これは多分、60目で篩ったのとひき割りも含めると3回製粉機と石臼を通っているため風味が落ちたのかもしれない。
K在来は玄碾きのせいでそば殻が目立つが、在来種のソバの花の蜜の匂いを思い起こさせるような独特の臭みを一瞬だけ感じた(幻想というか幻臭?)。噛むと味と香りは結構ある。
結局、本日強行して3種も打ったなかで、最初の碾き割り後1回石臼を通して30目で篩ったN在来がいちばんうまかった。
と考えていて、うまかった順番は30目、40目、60目と粗い方がおいしいという結果になってしまっているのに気がつきました。
粗碾きで、しかも出来るだけ石臼を碾き割後1回通すだけの方がおいしい、という感想。