しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2013年6月4日火曜日

それにしても

昨日,冷凍庫の底から出て来た2009年産のそば粉を、夕方打ってみた。
真空パック用のガスバリア性のある袋に脱酸素剤を入れて冷凍庫に入れてあったので、異臭や異味はまったく感じられず、しかも加水も49%と普通の範囲内だった。ガスバリア袋でなく普通のポリ袋であったなら、空気は通ってしまうので、乾燥しすぎになったり、冷蔵庫臭い匂いが付いてしまうのだが、それはまったくなかった。
水回ししていてもソバの香りは普通程度に鼻に来たし、麺も二八だったので問題なくつながった。風味も普通レベル。
とうことで、もったいないので捨てずに先行使用することに決定。ただし、信濃1号であることははっきりしているので、在来種の個性の強いそば粉とブレンドして使うようになる。

手持ちの玄ソバを整理して、播種する予定ではないが保存しておきたいものをガスバリア袋に封入しはじめたが、そういえばM在来がどこかへいってしまったと探して、ようやく発見。(M在来といっても県内のM在来ではなく隣県のM在来)
それを夜になって拡大鏡で観察してみて驚いた。これもまたすごい交雑振りで、在来種というものが交雑の歴史であることを大いに納得。そう納得してもこのまま種子として残すにはあまりに雑駁で、これではソバの形質の見本市みたいなもの。
ということで、先ほどまで左手に拡大鏡、右手にピンセットを持ち、一定の形質のものばかりを選別しつづけ、50gを越えたので今夜は作業を終了した。50gといえば、1000粒重が25gと仮定して計算するとちょうど2000粒選別したことになる。
今年はこのM在来を栽培する畑が無いので、これは真空包装して冷凍庫で保存しておいて、来年以降に採種・試食兼用の少量栽培をすればいい。

それにしても、元はM在来であるが、こうして意図的にある形質の種子ばかりを選別(選抜)して栽培したら、それはもうM在来とは呼べないのではないか。

2013年6月3日月曜日

冷凍庫内、一斉家宅捜索

ようやく時間ができて、満員状態のまま整理できなかった冷凍庫内を一斉家宅捜索。
いったんすべてを外に出し、壁に付着していた霜少々を取り、内部を掃除。


それから不要なものを捨てながら中身を戻しましたが、何と2009年と書かれたそば粉1kgが6袋出てきました。ガスバリア袋に脱酸素剤を入れて密封してあるとはいえ、ちょっと古すぎます。封を切ってそば粉を舌の上に載せてみましたが、変な味や匂いはせず、普通にそば粉でした。でもさすがに蕎麦にする気はしません。2009年はまだ信濃1号でした。

2013年6月2日日曜日

完全に経費負け

今年のソバ栽培も種まきまで2ヶ月となったので、今年は施肥設計のようなものを立ててみた。
これまでは倒伏を怖れて前作で残留チッソがあるらしい場所は無肥料だったが、今年はソバを連作して来た場所には6・20・20という化成を使うことにした。
ほかに光合成とチッソ同化に関連して全面積に与えたいものが2種類あって、3種類散布することになる。
さらに面積は限定されるが、2ヶ所でチッソ源を有機のボカシ肥料だけにして栽培してみたい。
ということで、栽培予定の面積で計算したら全部で21袋で、52675円になった。
これでは完全に経費負けしそうですが、コンバインを使わない小規模栽培は採算度外視の道楽でしかありません。おいしいソバが収穫できればそれでいいんです。

2013年6月1日土曜日

ロシナンテ

また、ソバ栽培の師匠であるTさんが入院してしまった。
承諾は得てあるので、留守中だがトラクターを借りてN原のソバ畑へ。

これは畑の東の端から

畑の西の端から
ずっとソバを栽培している西半分は草が少ないが、Fさんが西瓜を栽培して途中で栽培放棄してしまった東半分はアカザなどの雑草がはびこっている。
西南の隅のスギナが目立ってきた場所に石灰を散布したので、畑全体を耕運。

あまりに広いのでもう一度計測と計算をしてみたら、東西87m、南北30,6mで2662平方メートル。西瓜の直売所だったパイプハウスと駐車スペースを差し引いても2600平方メートルはある。
余りに広すぎて泣けてきそう。
しかも何種類もの在来種を栽培するので、ほかにも、面積は小さくなるが3ヶ所。
その上、今年はチッソ以外のソバに重要と思われるネラル分を積極的に施用することにしたので、播種前の仕事はかなり増える。


ひとのトラクターだが、ひそかにロシナンテと命名した。このロシナンテ、アワーメーターを見ると何と1481時間で、相当のご老体である。

2013年5月29日水曜日

Myねずみ大根


形の良いものを選んで植えた採種用のねずみ大根、いよいよ莢がついてきました。これを3年ほど繰り返して、Myねずみ大根にします。

と思ったら、「大根は自家不和合性を持っており、他家受粉を主として種をつける。近交弱勢が強く、形質を整えるために純系に近づければ草勢が落ちて、適応性が弱まる」という文章に遭遇。

2013年5月28日火曜日

ソバを播く、その覆土について


何じゃこりゃ、ですね。
これ、昨年栽培してこぼれたソバの実が管理機で耕起するたびに発芽するので、試みに抜いてみました。
双葉の下の赤い部分が土より上に出ている部分で、白いのが土の中の部分、更にその下が根。
注目すべきは白い部分。短いものは数センチですが、左から2番目のものは白い部分だけでも7~8cm。こんな深い場所で良くも発芽したものと感心いたします。

それで思いだしたのですが、初めて蕎麦を栽培する時に参考にした本に、覆土が5cmとか厚くて驚きました。でも5cmくらいソバの実は平気なんですね。
いやむしろ、そのくらいの深さの方が発芽に適した水分バランスなのかもしれませんけど、さすがに5cmは怖いので、私の場合は「播種機の後輪で鎮圧して3cm」くらいを心がけております。

以前も書きましたが、覆土が浅かったり不用意にソバの種を圃場にこぼしたりすると、鳩や雀などの食害に遭いやすくなります。
高校の同級生のN君は私よりソバ栽培の年数は多いのですが、毎年鳩の食害がひどくて、今年はその畑でソバを栽培するのは断念したそうです。

2013年5月25日土曜日

ひとつの試論

文部科学省の「食品データベース」でそば粉を検索して見ると面白い。
通常は「廃棄率」、「エネルギー」、「水分」「タンパク質」、「脂質」、「炭水化物」、「灰分」だけしか表示されないが、検索結果表示にオプションがあって、「無機質」、「ビタミン」、「脂肪酸」、「その他」、「アミノ酸」にチェックを入れると各データが表示される。
「無機質」にチェックを入れるとこんな風にミネラルの含有量を見ることが出来る。

注目すべきは内層粉、中層粉と比べての表層粉に含まれる無機質、いわゆるミネラルの量が多いこと。ことにカリウム、リン、マグネシウムの三成分は群を抜いている。
このうち、カリはいいとして、いちばん吸収されにくいのはリンである。ことに火山灰土(黒ボク土)ではアルミナなどに固定されてしまい、作物に吸収されにくい。

とにかく、これらのミネラルをいかに必要量をソバの根に吸収させるか。このあたりに今年のソバ栽培の眼目にしておこう。

ソバだけでなく、小麦も米も、デンプン質以外の風味は外層にある。うどんの風味は小麦粉の灰分(ミネラル)が多いほど強いし、蕎麦もそうである。
ということは、外層に多く含まれるミネラルがその鍵を握っているのではないか。
いずれにしても、ソバに多く含まれるミネラルをきちんと補給することが必要だろう。ことに初めて、あるいは数年は無肥料でも構わないが、それ以上の長く同じ圃場でソバ栽培を続ける場合は、チッソ・リン酸・カリの三要素のほかのミネラル分も意識的に施用しなければ風味の薄いソバしか収穫できなくなるかもしれない。
とはいえ、これはひとつの試論にすぎない。過ぎないが試行してみる価値は十分にある。

そうそう、「無機質」のほかに「脂肪酸」も表示させてみよう。


2013年5月24日金曜日

最悪のロケーション

午前中に予定していた仕事のひとつがキャンセルになったので、急遽N原のソバ畑の周囲の草刈りに出動。

畑の北側から東方向

畑の北側から真南方向

畑の北側から西方向
周囲をマンション、アパート、戸建て住宅に囲まれて、信州のソバ畑にしては最悪のロケーションですが、鹿,猪の被害の心配、他のソバとの交配の心配は皆無で,その点、安心です。
今年はいちばん広いこの畑に、自分がいちばんおいしいと思う品種を作ります。
しばらくしたら、トラクターで第1回の耕運をします。南西の80坪ほどにスギナが生えてきているのでそこだけ石灰を撒きます。

2013年5月23日木曜日

石臼についての失敗2回


オークションでのウォッチングを始めてから、二回、苦い失敗をしている。
一度目は数年前。山梨県の骨董屋さんの出品でひと目で欲しいと思った石臼を落札に失敗した。いきなり高値で入札したひとがいて、しかもそのひとが翌日には入札の取り消しを申し出るということがあり、それでオークションはチャラになって再出品されるものと思って入札しないでいたら、何と次点のひとが落札ということになってしまった。
オークションのしくみをよく知らない頃だったので仕方がないが、惜しい石臼で蟻巣石っぽかったような気がするのでなおさら忘れられない。

二回目は今年。
山形県からの出品でやはり何より石の材質が気に入った。多分、鳥海石ではないかと思われたのだが、直径が35cm、上臼が重さ約34㎏、下臼が重さ約30㎏、腰を傷めそうなこの大きさと重さに恐れをなし、ついに入札しなかった。
そして翌日から後悔し、いまだに忘れられないでいて、画像だけはダウンロードしてあったので、時折開いてながめている(シクシク)。
石臼。これも病気の一種です。ソバの病気、蕎麦の病気、石臼の病気。こういうのを蕎麦コンプレックスというのかどうか。

2013年5月22日水曜日

実にうれしい



温室育ちでひょろひょろしていて、しかも秋そばにとって季節違いだが、実がつきはじめているのが見える。
13年ぶりに花を咲かせ、実がつく。
実にうれしい。

2013年5月21日火曜日

実を結びそう

今日、ルバーブの不要な花茎切除のためにちょこっと畑へ顔をだして、作業のあとで何気なく温室育ちで華奢な発芽試験ソバの根元にしゃがみこんで観察して、驚いた。すでに受粉して三角の稜の形をした灯籠(とうろう)が複数見えていた。
カメラを忘れたので写真は撮れなかったが、13年前の種が発芽して実を結びそう。
明日、写真を撮ります。

2013年5月18日土曜日

残り40数g

5月11日に植えた、発芽試験で芽が出たまま捨てるのはもったいないとポリポットに仮植し、更に畑に植えたK在来種。少し大きくなったのと、暖かくなって霜の恐れが無くなったと判断して不織布の覆いを外した。
本来は夏まきする秋型のソバのはずですが、完全秋型ではなく中間型に近い秋型のようで、春まきでも収穫できるようです。



13年前の玄ソバが発芽して花が咲いた。
これで20粒でも30粒でも実が付いたらうれしい。
残り40数gの種を夏に播くことになるのだが、何とかこの採種のための栽培を成功させたいものです。

2013年5月17日金曜日

珍しく細打ち

仕事で疲れてへとへとだが、蕎麦を食べたいばっかりに夕食後に蕎麦打ち。
N在来40メッシュを強力粉5%、薄力粉5%の十一という妙なつなぎで打ってみた。気温が高いせいか、やや柔らかすぎたが、薄く伸せたので私としては珍しく細打ちできれいな麺になった。
40メッシュだとつなぎはいらないような気もするが、さて……。

2013年5月16日木曜日

実にアナログな手選別作業


あまり在来種が残っていないと思われたこの地方でかろうじて栽培されるようになったM在来だが、かなり交雑していると思われるので、先ずは篩でふるって大粒のえらの張ったものを除去したものを播種用にすることにしたが、それでもまだ不満なので、拡大鏡片手にピンセットで選別するという実にアナログな手選別作業をした。
ようやく30g。50gくらい欲しいと思ったが、仕事で疲れていて無理なので、あとは6月以降に持ち越し。