しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2013年5月8日水曜日

個人の楽しみの範囲内

繁忙期で疲れているのですが、必要があって1,5kgの玄ソバを電動の方で製粉を開始。
昔の田舎の製粉のように、粗く挽き割ってから篩と風力でそば殻を99%くらい除去して、それから石臼にかける。これで結構きれいでおいしい粉が出来ます。
プロの蕎麦屋さんは手挽きの方が微調整ができていいといいますが、私は電動の方が微妙な調整が出来て好きです。
もっともプロの方が言う「電動」はメーカー製のことを言っていて、私のような田舎で昔使われていたものを電動にしたものとはまったく別物かもしれません。
私の場合、目立ては手挽きと同じで、異なるのは手で回転させているか、モーターの力で回転させているかで、電動といってもきわめて原始的構造なので、回転数は一定の毎分15回転ですから、落とし込みの量の加減だけで粗挽き、細挽きを挽き分けるだけです。その調整は実に微妙でありながらアバウトなので、同じ粉をまた挽くのが難しくて、挽くたび、打つたびに違う蕎麦になるのはそのせいです。
でもそうやって挽きながら、指先で挽けたばかりのそば粉をつまんで舌の上に載せて味見していると、その蕎麦粉がいいか悪いか、だんだん判るようになって来ました。

それにしても、少し粉を外に出すのは控えて、個人の楽しみの範囲内に納めておいた方がいいような気がして来ました。

2013年5月7日火曜日

いやな予感

低温が続いている。
一昨年、昨年に引き続いて9月が高温になりそうな予感。
9月が8月と変わらない気温だとマツタケとソバは不作。

2013年5月5日日曜日

うーん、楽しい



2013年5月3日金曜日

ソバと窒素同化の問題点

植物は光合成で糖を生成し、それをデンプンに変える。
ではたんぱく質はというと、根から吸収したアンモニアをグルタミンとグルタミン酸の再生産をしながら、アミノ酸に変える。さらにアミノ基転移反応によっていろいろなアミノ酸を作り、それらを組み合わせてタンパク質を作り上げてゆく。
要するに植物は光合成でデンプンを、窒素同化でタンパク質を作ってゆく。

植物は、ふつうアンモニア態窒素を吸収していても、それが多すぎなければ、溢泌液中には遊離のアンモニアはほとんど見られず、ほとんどがアミノ酸態などの有機態である。もしアンモニアが多すぎて有機化しきれず、アンモニアのままで多量に地上部へ送られると、光合成が阻害されるなど、いろいろ悪いことがおこる。根はアンモニアを有機化して無毒にしているのである。
過剰のアンモニアが生体にとって有害であることは医学の領域ではよく知られている。人間はアンモニアを同化できず、植物としてとったタンパク質を消化して利用するが、その過程で余分となった窒素分はアンモニアとなって遊離してくるので、これを無害な尿素にかえて排泄する。この機能が損なわれ血液中のアンモニア濃度が増加すると昏睡状態に陥るなど、致命的な障害をひきおこす。
これに対して植物は、元来アンモニアを同化できるし、硫安や塩安など肥料としてアンモニアを施用するくらいなので、アンモニアが作物にとっても有害であるという認識はあまりなかった。しかし、過剰施肥や農耕地の富栄養化の傾向がすすむにつれて、アンモニアの過剰害が実際にあらわれるようになった。(中略)
アンモニアを過剰に吸収すると植物はこれを全部タンパク質にかえることができず、からだのなかにアミノ酸やアミドなどの中間物質としてたまってくる。
これらは植物に寄食する昆虫や微生物にとって好ましく、したがって植物の側からすれば被害を受けやすいことになる。またアンモニア態窒素が過剰の場合は、炭水化物がアンモニアとの反応に取られてしまって細胞壁部分に回る分が少なくなり、その結果病害虫の侵入や倒伏に対する機械的抵抗性が弱くなる。  (「作物栄養の基礎知識」高橋英一著より引用) 

ふう。これをソバにイメージしてみる。
前作などの関係で残留窒素が多く、窒素過剰で2m近くに伸びたソバは倒伏は無論のこと、開花しても結実が少なく、また収穫した玄ソバを製粉して蕎麦にすると異常に不味い。
異様にえぐみが強く、苦味、雑味も多く、雑臭もする。
不味くて臭くて食べられない蕎麦。
アンモニア態か、硝酸態か、亜硝酸態か、あるいはアミド、アミノ酸か、いずれにしてもアンモニアを一分子余分に抱え込んだアミノ酸もどきのがソバをまずくする。

うーん、そのあたり、もう少し実証的なデータがほしい。

ソバの後熟というのは、刈ったのちも光合成と窒素同化をたとえどれだけでも進めて風味を良くするという意味からもとても納得。

もう少し実証的なデータ

植物は光合成で糖を生成し、それをデンプンに変える。
ではたんぱく質はというと、根から吸収したアンモニアをグルタミンとグルタミン酸の再生産をしながら、アミノ酸に変える。さらにアミノ基転移反応によっていろいろなアミノ酸を作り、それらを組み合わせてタンパク質を作り上げてゆく。
要するに植物は光合成でデンプンを、窒素同化でタンパク質を作ってゆく。

植物は、ふつうアンモニア態窒素を吸収していても、それが多すぎなければ、溢泌液中には遊離のアンモニアはほとんど見られず、ほとんどがアミノ酸態などの有機態である。もしアンモニアが多すぎて有機化しきれず、アンモニアのままで多量に地上部へ送られると、光合成が阻害されるなど、いろいろ悪いことがおこる。根はアンモニアを有機化して無毒にしているのである。
過剰のアンモニアが生体にとって有害であることは医学の領域ではよく知られている。人間はアンモニアを同化できず、植物としてとったタンパク質を消化して利用するが、その過程で余分となった窒素分はアンモニアとなって遊離してくるので、これを無害な尿素にかえて排泄する。この機能が損なわれ血液中のアンモニア濃度が増加すると昏睡状態に陥るなど、致命的な障害をひきおこす。
これに対して植物は、元来アンモニアを同化できるし、硫安や塩安など肥料としてアンモニアを施用するくらいなので、アンモニアが作物にとっても有害であるという認識はあまりなかった。しかし、過剰施肥や農耕地の富栄養化の傾向がすすむにつれて、アンモニアの過剰害が実際にあらわれるようになった。(中略)
アンモニアを過剰に吸収すると植物はこれを全部タンパク質にかえることができず、からだのなかにアミノ酸やアミドなどの中間物質としてたまってくる。
これらは植物に寄食する昆虫や微生物にとって好ましく、したがって植物の側からすれば被害を受けやすいことになる。またアンモニア態窒素が過剰の場合は、炭水化物がアンモニアとの反応に取られてしまって細胞壁部分に回る分が少なくなり、その結果病害虫の侵入や倒伏に対する機械的抵抗性が弱くなる。  (「作物栄養の基礎知識」高橋英一著より引用) 

ふう。これをソバにイメージしてみる。
前作などの関係で残留窒素が多く、窒素過剰で2m近くに伸びたソバは倒伏は無論のこと、開花しても結実が少なく、また収穫した玄ソバを製粉して蕎麦にすると異常に不味い。
異様にえぐみが強く、苦味、雑味も多く、雑臭もする。
不味くて臭くて食べられない蕎麦。
アンモニア態か、硝酸態か、亜硝酸態か、あるいはアミド、アミノ酸か、いずれにしてもタンパク質にまで至らないこれらの物質たちがソバをまずくする。

うーん、そのあたり、もう少し実証的なデータがほしい。

ソバの後熟というのは、刈ったのちも光合成と窒素同化をたとえどれだけでも進めて風味を良くするという意味からもとても納得。

2013年5月2日木曜日

冷凍保存

午前中に真空包装機配達。
早速、今年は栽培計画から外れる予定のソバを真空パックしてみた。上手に真空パックするちょっとしたコツはあるが、先ず先ずこのくらいの性能ならしろうとには十分。汎用のナイロンポリ袋が使えるのは何より。


真空パックとはいえ、玄ソバの粒々だからその隙間の空気まですべて脱気できるわけもなく、まあ、簡易真空パックというべきだろうが、これでも冷凍保存すれば先ず先ずの発芽率は維持できそう。
上手にプライミングすれば、おそらく私が死んだ後でもこのソバは発芽するだろう。
といっても、食用の玄ソバのように水分15~16%ではなく、できるだけ乾燥させて水分を減らしておかないと凍結して発芽しなくなるので要注意。
もう一種類、夏そば、秋そば兼用という妙な玄ソバ250gも(2012年に入手したので多分2011年産。結局播かなかった。)真空パックして冷凍庫へ。
手元にある玄ソバすべてを栽培できる訳も無いので、こうして保存しておくほかありません。
希少な在来種はことに。
手持ちの玄は量は少なめでもすべて保存しておくことにします。

2013年5月1日水曜日

少し眉に唾


また、筆者はそばの種が古くなってしまって、そのまま蒔いたのでは発芽しないものを、収穫してまだ一年以内の新鮮なそばの実を「薬研」でつぶし、これを古い種にまぶして蒔き、失いかけていた古い系統の種子を、どうにか発芽させることに成功した。(長友大「蕎麦考」85頁より引用・柴田書店1976年刊)
うーん、科学的根拠があるような、無いような。少し眉に唾。
まぶしたものとまぶさないものと対照区を設けて発芽試験して、その効果が結果として出るかどうか、やってみる?? 面倒、(ーー;)

真空包装機、今日発送というメール着信。
結局、家庭用の脱気用の溝のある袋ではなく、溝のない普通のガスバリア袋が使えて水分を含むものも真空パックできるタイプのものにしたが、ということで、溝のあるタイプの袋の在庫が死蔵になってしまう、(ーー;)

2013年4月30日火曜日

あれま

気温が上がってくることだし、そろそろいろいろな玄ソバを種子保存用に真空パックし、冷凍保存しようと思ったら、あれま、真空パック器が故障。
脱気はするのだが、最後のシールというか溶着機能がまったく働かない。家庭用の安いものだから仕方ないが、残念。どう試みても溶着しないので諦め、別の方式の真空包装機をオーダー。しかし連休中ずっと休業なのか、返信メールが来ない。

2013年4月29日月曜日

ずいぶん遅れていた春ですが

宿根性の植物がかなり元気を出してきました。

とってもcrimsonなのだけれど細くて短い。
なかなか完璧はありない。

これはHorseradish(わさび大根)。
株分けできるものは株分けした。数本の根を自宅に持ち帰っておろし金でおろしてみたらえげつなく辛い。
カナダ在住の友人が言うようにやはり焼き肉用の辛味か。
蕎麦のような繊細な風味には合わない。

2013年4月27日土曜日

あらためて、粗碾きを禁じ手


400ccのバイクを車検に出すために長男が明日帰って来るらしい。
長男は箸を使えるようになる以前から手で蕎麦をつまんで食べていたくらいの蕎麦好きなので、彼のために手碾き石臼で小粒のソバを製粉した。
粉で500g弱。そのうち400gを計量。試しに32メッシュでふるってみると、篩上に66gが残った。ちょっと粗すぎたような気がしたが、そこに灰分の少ない強力粉40g、灰分の少ない薄力粉40gを混合し、打ってみた。
しかし、つながっているという自信がない。どうやら失敗らしい。
そういえば、しばらく前に粗碾きを禁じ手にしたはずだったのに!!

以前、オヤマボクチ蕎麦を打つ練習をしていて、それを長男に食べさせたところ、
「こういう蕎麦は自分で食べておいしいと思えるようになってからにして下さい」といわれたことがあり、トラウマになっている。
そこで、いつものN在来40メッシュを強力粉:薄力粉混合で二八で打ってみた。香りも立ち、粘りもあり、何とも打ちやすくて久々に気持ち良い蕎麦打ちだった。風味、コシ、喉越し、バランスが取れているのはこちらの方だ。やはりこうでなくてはいけない。長男にはこちらを食べさせよう、^_^;。

粗碾きは風味優先でコシと喉越しがある程度その犠牲になってしまう。

2013年4月26日金曜日

夏そばのテスト栽培

昨年入手したまま播かずに一年経ってしまったソバを思い出した。
量は250g。
一応在来種だが、このソバが変わっているのは夏そばとしても秋そばとしても播けるのだという。
ものは試しにほんの少しだけ試食用に春播きしてみようかと思う。
1kgか2kgも収穫できればいいので、菜園の隅に1通りか2通りくらい播いてみよう。
播種時期は遅霜が危ないので、このあたりでは5月後半か5月末。

2013年4月22日月曜日

蕎麦のつなぎ粉について

生粉打ちではない蕎麦のつなぎに小麦粉を使うが、小麦粉の風味が強くて邪魔をする場合がある。
元々、そば粉でも小麦粉でも、外層のたんぱく質の多い粉には灰分が多く、甘み以外の風味はおおむねこの灰分が多いと強いらしい。
ということは、二八蕎麦で小麦粉臭かったらつなぎが灰分が多い小麦粉であるということになる。
そこで、灰分の少ない小麦粉を探してみた。
強力粉に灰分0,33%のものがあった。フランスパン用の粉でタンパク質が11,5%とちょっと強すぎて、なんだか固い蕎麦になりそう。
中力粉で灰分が少ないものはみつからなかった。うどんなど、小麦の風味のある粉が必要だからだろうか。
そこでさらに薄力粉で灰分の少ないものを探してみた。するとやはり灰分0,33%でタンパク7,8±0,5というケーキ用の薄力粉が見つかった。

一度試してみてもいいかもしれない。

1 タンパク11,5%の強力粉を使うが、二八では強すぎるので一九、または十一で打ってみる。
2 タンパク7,8±0,5の薄力粉を使って二八で打ってみる。
3 両方の粉を半分ずつ混合して(つまり灰分は変わらず、タンパクが9,65±0,25)の粉で二八で打ってみる。


2013年4月21日日曜日

山陰地方の在来種

4月21日、桜も満開を過ぎたというのに雪が降りました。


仕事にもならないので、これはいいチャンスとばかりに、先日物々交換させていただいた山陰地方の在来種を粉で150gほど、小さい方の27cm手挽臼で製粉。



小さい臼だったせいで結構40メッシュ上が多くなり、私の腕では十割ではつながりそうもないので、つなぎを15%。


風味が尖がり過ぎず、バランスのいいおいしい蕎麦になりました。

2013年4月20日土曜日

蕎麦のえぐみ、あるいは雑味雑臭について

これまでに、3回ほど、以上にえぐみが強いというか、雑味雑臭がきつく最後まで食べる気にならない蕎麦に遭遇している。
1回目は対馬在来を少量入手して、試験栽培した時のこと。自家用の野菜を栽培している菜園の空いている場所に播いたのだったが、これが背丈2mを越えた。どうも野菜を作っていた畑だったので残留窒素が思いのほか多く、結局は倒伏したのだったが、それでも何kgか収穫があったので、製粉して試食した。元来、対馬在来は苦味やえぐみの強い種類とは聞いていたが、強烈であった。苦味、えぐみだけならまだしも、匂いもきついので喉を通すのがつらい。結局、その後製粉して食べることはなかった。
2回目は昨年秋に収穫した徳島県の祖谷の北の方のK在来。知人の畑を借りて播種したのだったが、やはり残留窒素が多かったのか、この在来種が晩生型であるせいか、たまたま9月が高温続きとなったためか、花は咲いても実がつかない状況がずっと続き、10月に入って気がついたら霜にあい、それであわてて刈り取り作業をしたが、とても収量は少なかった。150坪くらいの面積で、かなり未熟な実まで含めて25kgくらい。
これを製粉して蕎麦にして試食してまた驚いた。苦い、渋い、どろ臭い(ソバ蜂蜜の匂い?)で、結局食べられる蕎麦にはならなかった。
3回目。隣県の名の知れた在来種の「サンプル粉」をいただいたので早速ソバに打って食べてみた。やはり、苦い、渋い、堆肥臭いで食べられない。

1回目,2回目の不味さの原因はおそらく窒素過多の畑で育ったことにあるのではないかと類推する。
つまり、そばのデンプン質は光合成作用により糖を生成し、さらにそれをデンプンにして実に蓄えられるのだが、タンパク質は根から吸収された硝酸態窒素をアンモニアに還元し、そのアンモニアをアミノ酸に換え、アミノ酸からタンパク質が作られる。
その際に、根から吸収された硝酸態窒素がすべてアンモニアからアミノ酸、タンパク質に変換されていった場合は風味の良いソバになるであろうが、たとえば土壌中に窒素が多くて過剰に吸収され還元されたアンモニアが硝酸態、あるいは亜硝酸態のままソバの実に移動することはないのだろうか。

倒伏するほど窒素を多く吸収したソバの実に、そういった未消化の硝酸態窒素や亜硝酸態窒素、アンモニア態窒素などが移行,存在していたら、それらがえぐみや苦味,渋み、雑臭の原因になっているのではないか?
どこまでも、しろうとの怪しい推論にすぎません。
でも、新ソバではなくて,ある程度寝かされ、熟成されるとそれらがタンパク質に変わってえぐみが無くなり,おいしくなる。
ちょっと強引な推論でした。お後がよろしいようで……。

あ、3回目のサンプル粉については、もともと風味が強い在来種を、業務用の径が大きく重さもある電動石臼で丁寧に碾き、微粉に偏って歩留まりも高すぎたせいではないかと考えられます。