しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2018年2月10日土曜日

またまたTextスキャナー遊び

スマホのTextスキャナーが、昭和16年発行のゲオルク・ビューヒネル(ゲオルク・ビュヒナー)作品全集収録の戯曲「ウォイツェック」の中の、有名な老婆のおとぎ話をあまりに正確に読み取ったのでびっくり(@_@;)
以下、そのテキスト。旧字まで読み取っているのには脱帽です。

多少の読み取りミスは修正しています。

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老婆   昔々……可哀さうな子供がゐた。お父さんもお母さんもゐなかった、みんな死んだのだよ。そして世の中には誰もゐなくなった。みんな死んだ。そこでその子は探しに出かけた、畫も夜も。ところがこの世にはもう誰もゐなかったので、天に昇らうとした、するとお月樣がその子を優しくごらんになった、ところがその子がやっとお月樣の所へ行ってみたら、それは1本の腐った木だったとさ。そこでこんどはお日樣のところへ出かけた、そして着いてみるとそれは萎んだ向日葵の花だった、こんどはお星様の所へ行った、ところがそれは串刺にされた小さな金色の蚊だったさ、ちやうど鵙(もず)がリンボクの棘へ蚊を刺しておくやうにだよ、そこでもう一度この世へ歸らうとしたら、この地球はひっくり返った瓶だったとさ――そしてほんたうに獨りぼっちになって、坐つたまま泣いてゐた、今でもそこに坐ってゐるんだよ、ほんたうに獨りぽっちでなぁ。


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