しろうとが、ああだこうだと、いろいろ愚行錯誤(!?)しております。

2012年6月11日月曜日

窒素過多だとどんな作物も不味くなる

昨年試作してみたものの、見事に失敗してなおかつ蕎麦にしても不味かった「対馬そば」をそばがきにして食べてみたら普通だったが、やや泥臭い感じというか、花が満開の時に匂うウンチ臭い感じが少しした。在来種のソバの蜜特有の匂いにも通じる泥臭さ。
そもそも、昨年の対馬そばは栽培場所を確保するのが難しくて、家庭菜園の馬鈴薯を栽培して掘り取った跡地に播いたのだったが、前作の残存肥料のせいか、はたまたもともとソバには向かない地力のある畑であったためか、それとも西日本の在来種を信州で早播きしすぎたせいか、原因は特定できないが、長いものは2mを越えるほどに伸び、倒伏した。2mといえば私の身長を越えるが、実はソバは窒素が多いとこのくらい伸びる。各県の農業試験場のデータを見ても2mくらいに伸びて倒伏し、収量が少ないケースが結構見られる。
私の場合、それでも180g播いて8kgの収穫があったので、電動石臼で碾いて蕎麦にして食べてみた。それが、期待大で栽培したにもかかわらず、猛烈に不味かった。こんなに不味い蕎麦は食べたことがなかった。風味が無くて不味いのではなくて、妙に泥臭くて不味いのだった。

ただし、今になって冷静に考えてみれば、「対馬そば」だけでなく、どの在来種や改良種であっても、窒素過多で伸びすぎて倒伏するようなソバは不味いに決まっている。ソバは元来が救荒作物と言われるくらい痩せ地で生育し実を結ぶ作物であるのだし、米や麦といった穀物であれ、トマトやきゅうりといった果菜であれ、小松菜や野沢菜、レタスやキャベツといった葉菜であれ、窒素過多は味を悪くする窒素過多だとどんな作物も不味くなるのである。
痩せ地でも十分に育つソバは、土壌の酸性度の指標植物であるスギナが群生するような赤土の酸性土壌や、標高が高くて気温が低く、それでいて紫外線が強い高冷地でも小粒ながらも風味の強い実をつける。
つまり、ソバは吸収できる栄養が少なく、土壌・水分・気温など、生育条件がある程度過酷な方が風味もコクもある粉になる。
(どこまでも趣味的な、どこまでも素人の類推に過ぎないことをお断りしておきますw)