昨日書いた、庭に埋められて踏み石になった石臼が昨夜の夢に現われた。
昼間、仕事をしていても、あの6分画6溝の美しい幾何学模様が幻のように目の中に映っていたりして、どうも、また怪しい症状が出現したものである。
ついには、近い将来、自分がその石臼で在来種の蕎麦を手碾きしている姿まで見えて来て、悩ましいったらありゃしない。
石臼にひと目惚れするなんてこと、あるのだろうか? 土の中に埋もれて救出されるのを待っているようにさえ見えるのである。「田紳有楽」(藤枝静男)を思い出してしまいました。
しかし、長年のつきあいがある家だから余計にむずかしい。いくら庭の踏み石にしてあるとはいえ、他人が譲って欲しいといえば譲りたくなくなるのが人情である。こじれたら長年の仕事上のお付き合いがパーであるから、積極的になれない。なれないから夢にまで出てきてしまう。妙なストレスである。
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